2012年5月6日日曜日

Japan becomes a nuclear-free nation in more than four decades.

原発0の日がとうどうやってきた。50基もの商業原発がストップしたというのに、日本の大都会の地下街も駅も、地上の商業施設(デパート、コンビニ、量販店、飲食店、商店、映画館、遊戯施設)は、どこもかしこも、エアコンに、明るい照明灯、トイレに設置されたドライヤーなどなどと、エネルギー不足を完全に忘れさせるほど多くの電力を消費し続けていた。街の灯りは煌々と明るく灯され、自販機はどこにいっても所狭しと乱立されている。3.11以降、何も変わってはいない。

エアコンなど入れなくても十分に凌げるような気温でも、公共の場ではどんどん電力が消費される。
先進国ならば、地下街ぐらい冷房するのは当たり前だって?NYのマンハッタンの地下街歩いたことがある?夏は灼熱地獄だし、照明だって薄暗いよ。エスカレーターなんてごくごく限られたところにしかついていないしーー。バスターミナルだって気分悪くなるぐらい暑いよ。日本の電気使い放題の都市生活に慣れた人たち、どれだけ贅沢してるか、もう少し考え方、考えてもいいのでは?

再生エネルギーの制度が整うまでの間、エネルギー資源のない国に生きる者が第一に考えるべきは、限りある地球のエネルギー資源を無駄遣いせず、有効に、大切に使うことであろう。そんな身の丈にあった省エネ生活を国民一人ひとりが行うことで、危険極まりない原発を再稼働などしなくても、十分に電力が賄えるはずである。


http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1090/20120506_01.htm


揺らぐ再稼働 ―原発ゼロ 東北から問う(下)不安/安全対策、政府先送り

佐藤知事(左)に提言書の内容を説明する嘉田知事(中央)=4月18日、福島県庁
 関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働には、隣県から反対の声が上がった。
 渦中の一人、嘉田由紀子滋賀県知事が4月18日、福島県庁に佐藤雄平知事を訪ねた。津波被災地に植えるマツの種の寄贈という本題もそこそこに、嘉田氏は京都府と共同で前日発表した提言書を差し出した。
 提言書は、福島第1原発事故の教訓を徹底的に踏まえた安全対策の構築などを政府に求めた。
 「福島の1年は何だったのか。犠牲を無にしてはいけないという気持ちでまとめた」と嘉田知事。佐藤知事は「同じ思いだ」と賛意を示した。

<滋賀も30キロ圏>
 国の原子力安全委員会は3月、防災重点地域を原発の8~10キロ圏から30キロ圏に拡大し、30キロ圏を事故の進展に応じ避難する「緊急防護措置区域(UPZ)」に設定した。原発と無縁だった滋賀県も30キロ圏に含まれ、「万が一の時はいや応なく被害を受ける」(嘉田氏)と意識を一変させた。
 不安と危機感が広がったのは、大飯原発の周辺に限らない。
 「事故が起きれば地域の存亡に関わる」。宮城県美里町議会は3月、東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の再稼働に反対する意見書を可決した。美里町はUPZに該当する。
 佐々木功悦町長は議会と歩調を合わせるように「福島で多くの人が苦しんだ現実を直視すべきだ。経済性ではなく、住民の安全を守るという視点が重要」と訴える。
 宮城県内では登米、岩沼、名取の各市議会も、脱原発や女川原発の再稼働に慎重な対応を求める意見書を可決した。
 安全対策の工程表が安全基準におおむね適合したとして、政府は大飯原発再稼働に踏み出した。
 しかし、事故時の収束作業の拠点となる免震重要棟建設や、住民の避難計画を含む防災対策など先送りした課題が多い。福島事故で全く機能しなかった原子力災害対応拠点「オフサイトセンター」の見直しも不透明だ。
 原子力安全委の業務を引き継ぎ、4月に発足予定だった原子力規制庁は、関連法案審議の遅れで設置のめどすら立っていない。この影響で四国電力伊方原発(愛媛県)の再稼働に向けた安全評価は、宙に浮いている。
 宮城県の防災計画改定に携わった若林利男東北大名誉教授(リスク評価・管理学)は「国民の信頼を得られるような独立性の高い原子力規制庁は早期に整備すべきだ」と主張する。

<「空白の1年」>
 規制組織が発足しないと防災指針作りも進まず、宮野廣法大大学院客員教授(システム工学)も「規制の空白は作ってはいけない」と指摘する。
 事故を前提とした対策の必要性を挙げ「原発立地地域に具体的な事故のリスクを説明し、避難訓練を行うなど地域の防災が何より大事なのに、政府はこの1年何をやってきたのか」と嘆く。
 「再稼働判断に福島の事故の反省は生かされたのか」「住民は安全に避難できるのか」
 4月18日に都内であった国会の事故調査委員会。委員の畳み掛ける質問に、参考人として呼ばれた経済産業省原子力安全・保安院の深野弘行院長は、時折答えに窮した。 終了後の記者会見で、黒川清委員長(元日本学術会議会長)は「安全に稼働するために必要な対策が先送りされている」と指摘した上で、疑義を呈した。「住民の健康・安全を最優先に多層の安全対策をすべきではないか。政府の判断基準は原発の安全を確保するに十分なものなのか」

2012年05月06日日曜日


http://jp.wsj.com/Japan/Economy/node_437957?mod=KW_Relevant

原発、42年ぶり稼働ゼロ=北海道電・泊3号機が検査入り


全国の原発で唯一稼働していた北海道電力の泊原発3号機(北海道泊村、91.2万キロワット)が5日深夜、定期検査のため発電を停止した。これにより、国内の原発50基は全て運転を停止し、原発の発電量は1970年以来42年ぶりにゼロとなった。原発が基幹電源となってから初の異例の事態で、政府が目指す再稼働が実現しない場合、電力の供給不安を抱えたまま需要が増大する夏を迎える。
 原発による発電電力量は、ピークの98年度には全体の36.8%を占め、その後も3割前後で推移してきた。しかし、東京電力福島第1原発事故が発生した昨年3月11日以降、国内の原発は定期検査で次々と運転を停止し、再稼働のめどは立っていない。最後の1基となった泊3号機も、5日午後5時に出力を下げ始め、同11時3分に発電を停止。6日午前2時ごろに原子炉が止まり、7日午後には原子炉が冷えた冷温停止となる。
 日本で商業用原発が発電を始めたのは、65年の日本原子力発電東海原発が最初。同原発が定期検査中だった70年4月30日からの5日間、国内で2番目に稼働した同社敦賀原発1号機も検査で止まり、一時的に運転ゼロとなって以来の事態となる。 
[時事通信社]

原発利用率、過去最低23.7%=11年度、再稼働進まず―電事連

電気事業連合会(電事連)は16日、2011年度の原発設備利用率が23.7%に大幅低下し、日本で商業用原発が運転を開始した1966年度以降で最低となったと発表した。東京電力福島第1原発事故を受け、定期検査で停止している原発の再稼働が進まないためだ。10年度は67.3%、これまでの最低は67年度の41.5%だった。 
[時事通信社]

志賀原発北に活断層か=耐震安全性に影響も―東洋大教授ら

2012年5月5日土曜日

5月5日、原発稼働0はとるに足りない出来事ですか、テレビ番組制作者の皆さん

今日5月5日は、日本の泊原発が運転停止に入り、日本の国内にある全原発が中止する日である。こどもの日の今日こそ、子どもたちの将来のために、若い世代に大きなつけを回さないために、原発の再稼働について、エネルギー政策の大転換について、有識者を呼んで深く議論すべき1日なのではないのか。

ところで、小さな列島に52基も所狭しとある原発が全部止まれば、どこかで支障をきたすはずであるが、全くその気配もない。

結局どうでもいいものを、「絶対不可欠だ」と言い張って、自分たちの利権のためだけに大枚を投じて自分たちの技術力ではまともに制御できないようなものを強引に稼働させてきたということなのであろう。しかしそれに加担してきた人々にとって、それは認め難い事実であるから、あえて自分たちにとって都合の悪いことには触れない、論じないという姿勢をとり続けているということらしい。

テレビ各社のほとんどは、5月5日の全原発の停止という大きなニュースを全く報道せず、あい変わらず、朝からくだらない番組ばかりを流し続けている。

どこかの山で高齢の登山客が遭難しただの、関越自動車道で事故を起こした運転手の家宅捜索をするだの、特段、全国ネットで何度も繰り返し、報道しなければならない価値もないニュースばかりを取り上げている。

「電力不足、電力不足」と喧伝する前に、電気紙芝居の放映時間を持ち回りで短縮し、自粛してくれれば、日本の電力不足はかなり解消するはずである。

そして、それこそが金と権力に擦り寄り、地に落ちた日本の大型メディア各社が今できる唯一の社会貢献であると言っても、決して過言ではない。

以下、京大助教、小出裕章氏の稼働ゼロに関する弁を転載する。

本来ならば、小出氏のような見識も常識も備えた人物を、特集やドキュメンタリーで取り上げたり、、エネルギー問題についての見解を問うべきなのではないのか。

むろん、すべてのジャーナリストが、あるいはメディアが腐り果てているわけではない。
MBSラジオの種まきジャーナルは唯一、フクイチの原発震災以来、小出氏へのインタビューを引き続き継続的に実施してきたし、古舘伊知郎や、玉川徹など頑張っている少数の報道マンもいるが、哀しいかな、それらは、日本のメディアの中では少数派である事実には未だ変わりない。

国民の多数が原子力事業に対して大きな不信感と拒絶感を抱いているというのに、多数派に属する多くのメディア関係者は、大企業の利益のために国民を大きな危険にさらすことに、何ら罪の意識すら抱いていないようである。戦中大本営発表に加担した日本のメディアの悪しき体質は、60数年たっても、一向に改善の気配すら認められない。

しかし、もはや国内の放送局の報道に頼らなければ情報が得られないような時代ではないことを受け入れ、新聞社やテレビ局は、新しい時代に相応しいメディア報道のあり方を探らなければ、新聞の発行部数も、テレビの視聴率も転落の一途を辿るばかりとなることは火を見るよりも明らかである。

http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/05/03/tanemaki-2012may2/

5月2日 泊原発が5月5日停止し稼働ゼロへ 「うん、嬉しいです」小出裕章(MBS)

2012年5月2日(月)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。
メインテーマは……。
・5月5日に泊原発が停止すること
・再生エネルギーの今後
などについてです。

録音
▼20120502 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

2012年5月4日金曜日

2,3ヶ月で変わるアテにならない枝野発言:経産大臣は発言に責任を!

福井の原発再稼働をめぐって、しびれを切らせた枝野経産相は、日本中の原発が停止する直前のタイミングで、関電管内での計画停電の必要性を匂わせ、再稼働への駆け引きを始めた。

以下に転載するが、2月の終わりにわざわざ記者会見の場で、「すべての原発が停止しても、関電で計画停電などを行わずとも電力が賄える」といった経産大臣が、わずか数ヶ月の間に前言を翻し、再稼働を認めなければ、計画停電の準備を進めなければならないと言うのである。

それならば、2月のあの発言は一体なんだったのか。単なる思いつきか、あるいは失言だったのか。一国の経産大臣ともあろう者が、さしたる根拠もないままに国の電力が足りないだの、足りているだのというような重要なイシューに関する発言をかくも軽々に、ころころ変えてよいものなのだろうか。

あまりにも軽い、軽すぎる。

メディアも誰も、その点について厳しく追求しないことに大きな疑問を呈さざるをえない。

本来、経産大臣は3.11以降も、ただひたすら原発推進路線をゴリ押しで推し進めることにばかりご執心であった関西電力に対して、国民の安全を確保できない原発に依存しなくても電力を十分確保、供給できるよう企業努力せよと指導すべき立場だったのではないのか。

代替エネルギーの確保や、他の電力会社や自社発電を行なっている会社からの電力融通システムの構築、電力使用ピーク時の電気料金の設定変更など、14ヶ月もの間に関電ができたことはいろいろあったはずである。そういった努力をろくにせず、安全確認の保障もできないような原発の再稼働に血道をあげる関電社長・経営陣は社会に対して、消費者に対して、大きな社会的、道義的責任がある。

経産大臣も、国民に計画停電などという大きな迷惑を及ぼす準備を進める前に、本来このような電力会社の態度を諌め、大型電力の消費を行う企業に対して、使用電力制限令を出すか、あるいは始業時間、休日の変更、省エネをするように通告すべきではないのか。

電力が足りない、足りないというけれども、所詮、原発に群がるシロアリ軍団が、原発再稼働のために、必死で悪知恵をめぐらせて、情報を隠したり、自分たちの都合のいい結果が出るような算出法で計算をしたりして、不足だ、不足だと姦しく騒ぎ立てているということぐらい、賢い国民は皆とっくの昔に認識している。

夏の電力不足がそんなに気になるならば、計画停電などしなくても、くだらないテレビ放送を大幅に間引いただけでも、結構な節電になるし、自販機も3分の1に減らせばよい。前にも書いたが、節電の方法はいくらでもある。

しかし、それ以前に、そもそも突然の停電=大パニックのように大げさに取り扱われている事自体に薔薇っ子は大きな疑問を感じずにはいられない。

例えば長く暮らした方はご存知と思うが、アメリカのN.Y近辺では、摂氏40度近い真夏に台風の通過などによって、1時間や2時間程度の停電は茶飯事であり、一晩中停電することも決して珍しいことではない。

アメリカのように建物中をがんがんに冷やして電力を使いまくっている国でも、別段一晩ぐらいの停電で大パニックが生じる様子はない。皆、家にキャンドルを用意していて、黙って停電を受け入れている。

高層ビルには自家発電装置があり、非常時にもエレベーターは機能するし、非常灯も装備されている。救急病院などは自家発電の装置を備えていて、手術や治療に差し障りがないように備えられている。PCだって、充電しておけばいつ何時停電しても、何時間でも使用できる。

もちろん、どこの国でも、クーラーが家にあろうがあるまいが、夏に体力を消耗して亡くなる高齢者もあれば、秋風が吹く頃に夏の疲れが出て死ぬ者いる。急激な冬から春への気候の変化に順応できずになくなる高齢者も多い。

しかし、丸一晩停電してエアコンが使えなかったからというだけで、病人や大量の高齢者が命を落としたなどというニュースは聞いたことがない。

命に関わるほど暑いと感じれば、普通の人間は自分で水を浴びるなり、氷水を飲むなり、辛いものを食べるなり、サバイバルのためにそれぞれ、生きるためにそれなりの知恵を働かせ工夫をするものである。

たしかに暑さを感じられなくなった独居の高齢者が暑い室のような部屋で脱水症状を起こして亡くなるケースが多い。しかしそれは停電するかしないかが問題ではなく、彼らはそもそも暑さを感じることができないため、いくらエアコンが使える状態にあっても、スイッチを入れようとしないーーそのことが問題なのである。

日本でも祖父母の時代には停電は日常茶飯事であったという。21世紀の現在でも、摂氏40度、50度でエアコンも電気供給さえ十分ではないところで、普通にたくましく生きている人間は世界にはたくさんいる。だから、夏の1日や2日、電気などなくても、大げさに騒ぎ立てるほどのことは何もないのである。

さしあたって停電で困るのは24時間、大型の電力を消費している製造業であろうが、エネルギー資源の乏しい日本にありながら、未だに大量の電力を使用しなければ立ちゆかないような産業に大きく依存しているということにこそ、大きな問題がある。

大量の電力を使用し、停電になっては困るような企業は、「原発を動かせ」と電力会社を応援する暇があったら、まず自前で自家発電装置を設置したり、始業時間や休日を変更したり、節電を試みたりして、自主的に企業努力を行うべきであろう。経済のため、経済のためと言うけれども、ひとたび福井で大きな原発事故が起きて琵琶湖の水が汚染されれば、関西市円の経済活動は二度と立ち上がれないほど大きなダメージを受けるのである。

特に日本は敬虔なキリスト教国ではないのだから、日曜日にどうしても皆がそろって休息を取らなけれならない理由は何もない。電力を大量に消費する製造業などは、日曜出勤をして、シフトで平日に休日をとればよいのである。サービス業は、土日出勤が当たり前である。製造業だけが土日に休まなければならない理由は何もない。

野田政権や電力会社の計画停電という名の暴挙は断じて許すべきではないし、我々は計画停電という脅し文句で、否応なしに再稼働を認めさせようというシロアリの謀略に負けてはならないのである。


電力不足:枝野経産相、関電管内で計画停電の準備必要

毎日新聞 2012年05月03日 23時37分(最終更新 05月04日 00時04分)

枝野幸男経産相=首相官邸で2012年4月13日、梅村直承撮影
枝野幸男経産相=首相官邸で2012年4月13日、梅村直承撮影

枝野幸男経済産業相は3日、BS朝日の番組収録で、大幅な電力不足の見込まれる関西電力管内について「猛暑を想定して、計画停電の計画は立てないといけない」との認識を示した。
 枝野氏は「原発が再稼働しない場合、(大口需要者に節電を義務づけた)昨夏の東京(電力管内)より今年の関西の方が大きな無理をお願いしなくてはならない」と指摘。同時に「(実施すれば)影響が大きすぎるできれば計画停電したくない」と述べ、改めて関電大飯原発3、4号機の再稼働に理解を求めた。





今夏の関電、全原発停止でも「乗り切れる可能性十分」と枝野経産相

2012.2.17 11:27
 枝野幸男経済産業相は17日の閣議後の記者会見で、来週すべての原発が止まる予定の関西電力に関し、再稼働できなくても今夏は関電管内で「(電力使用制限令を)出さずに乗り切れる可能性は十分にある」と強調した。
関電管内では今冬も制限例は出さず、電力使用を前年同月比で10%以上減らす自主的な節電を求めた。しかし目標に届いていない模様で、経産相は「さらに努力と精査をしなければいけないと思う」と述べた。
関電は20日、自社で唯一稼働している高浜3号機(福井県高浜町)の定期検査入りに伴う停止作業を開始する。関電の2010年度の発電電力量に占める自社原発の比率は51%を占めている。

2012年5月3日木曜日

原子力ムラの無責任体制は今も変わらず。。:コピペ

http://mainichi.jp/area/news/20120502ddf012040026000c.html


特集ワイド:原子力学会定例会ルポ ムラ、やっぱり閉じたまま

毎日新聞 2012年05月02日 大阪夕刊
日本原子力学会の定例会が3月に福井市で開かれ、東京電力福島第1原発事故について論議した。事故直後、原子力の研究者や技術者は「想定外の事態」「原子炉は安定している」などと責任逃れともとれる発言を繰り返し、批判を浴びた。事故から1年。「原子力ムラ」の人々は何を語ったのだろうか。【日野行介】
◆福島の事故巡る特別セッション

 ◇言外ににじむ「想定外」

原子力学会の定例会は事故後2回目。初日は、前回はなかった福島の事故を話し合う特別セッションが開かれた。会場は日本最多14基の原発が林立する福井県。一般公開もされる。それだけに熱い議論を期待した。
特別セッションは午前10時に始まり、休憩を挟んで午後5時まで約7時間。東電の幹部4人を含めて計8人の技術者・研究者が、事故経過や処理方針から除染まで専門的に説明した。定員500人の会場ホールは開始前から満員で、立ち見も出る盛況ぶりだ。
東電のトップバッター、福田俊彦・原子力品質・安全部長は事故の概要・総論を担当。まずは「皆さまに心配と迷惑をおかけし、心よりおわびしたい」と陳謝した。
だが、その後は「津波は予見できたという話もあったが、まだ調査が必要な段階だった」「地震による配管破断があったという話もあったが、データからは大きな減圧がない」などと、外部の厳しい指摘を挙げたうえで、それとなく否定する独特の説明を繰り返した。「地震による損傷はなく、『想定外』の津波が問題だった」と言いたいようだが、はっきり「結論」を言わないため、もどかしさが募る。
午後も東電の技術系幹部3人がそれぞれ、今後の処理▽地震・津波▽事故分析−−について詳しく説明したが、論法は同じ。特に強調したのは、事故の起きた1〜4号機のうち唯一、原子炉建屋上部で水素爆発が起きていないにもかかわらず、中を水で満たす「冠水」ができない2号機格納容器の破損状況だった。
 東電は事故直後、格納容器の下部につながるドーナツ状の圧力抑制室に大きな破損があり、そこから水が漏れている可能性を示唆していた。しかし、東電の幹部たちは「圧力抑制室の圧力が一時ゼロに落ちたのは、計器異常だろう」「当初は何が起きているか分からず、いろいろ誤解があった」などと説明した。破損が小さいことを強調したいように聞こえた。
◆質疑応答

◇批判に冷ややか

 質疑応答はそれぞれの説明の直後と閉会前に行われた。だが事故について質問する参加者は思ったよりも少なく、特定の数人が質問を繰り返していた。
 その一人が「日本原子力研究開発機構」の元研究者田辺文也さん(66)。田辺さんは昨年11月、「まやかしの安全の国−原子力村からの告発」(角川SSC新書)を出版した。事故を過小評価し、甘かった想定の責任を取らない原子力ムラを厳しく批判、「彼らには原発を任せられない」と断じる内容だ。表立った批判がほとんどないムラの中にあって異質な存在と言える。
 田辺さんが追及したのは2号機格納容器の破損問題だ。独自の分析結果から「早い段階で地震の揺れによって破損したのではないか」と迫ったが、東電は「それはないと思っている」と反論、あいまいな表現ながらもかたくなに否定し続けた。
田辺さんは何度も食い下がったが、会場の雰囲気は冷ややかだった。京都大の若手研究者が「2号機は思いのほか損傷がなかったとの発表を聞かせていただきました。今後もいろいろ言われるでしょう。東電の皆さまの苦労にお礼申し上げま
す」と東電に「助け舟」を出す一幕もあった。
しかし、学会終了後の3月26日、東電は2号機格納容器内を内視鏡で検査した結果を公表。注水を続けているにもかかわらず、水位は底から約60センチの高さしかなかった。これは格納容器と圧力抑制室を結ぶ配管の位置より水位が低いことを意味する。
田辺さんは「圧力抑制室が大きく破損し、そこから水漏れしているのは明らかだ。それなのに東電はデータすら無視し、とにかく否定するだけだ」と指摘した。田辺さんの訴えを聞いた現役研究者たちはどう考えたのだろうか。「東電が間違うはずがない」と考えたのか、それとも東電の主張はおかしいと感じつつも口をつぐんだのか。

 ◇反省の弁、全く

 一方、放射線測定や除染に関する講演後には会場から活発な意見が相次いだ。京大の名誉教授は「原爆が落ちた広島は今や長寿県。放射線測定を熱心にやり過ぎると、被ばく線量100ミリシーベルト以下でも問題だと言い出す人が出てくるので心配だ」と語った。京大の若手研究者年間1ミリシーベルト以下を目標に除染するのは科学的見地からはいただけない(厳しすぎる)。学会としてどう考えるんだ」詰め寄ると、参加者から大きな拍手が起きた
私はその時、事故で避難した福島県飯舘村の酪農家の話を思い起こしていた。同村は昨年5月、国からの要請を受けて全村避難を開始した。育てた牛は避難先に連れて行くことができず、「『ごめんな、ごめんな』とつぶやきながら、牛を殺さざるを得なかった」という。
 「危険性は低い。大げさに騒ぎすぎだ」と言いたげな数々の発言に、私は「なんと無神経なことか」と驚いた。
それなら国が避難を要請した段階で、「科学的見地」から声高に反対すべきだったのではないか。発言者からは、巨大事故の発生を防げず、事故後も十分な対応を示せなかった反省の弁が一言も出てこない。
 批判的な質問を数回していた福井大名誉教授の山本富士夫さん(71)=福井市=に感想を聞いた。学会というより過小評価の説明会だった。がっかりしたけど、こうなると思っていた。彼らは結局、ムラから一歩も出やしないんだとため息をついた。
 原子力ムラは、批判を許さない閉鎖的な体質を指した造語だ。しかし、事故後に巻き起こった厳しい批判が、むしろ内輪の結束を強めたとすれば皮肉と言うほかない
暗い気持ちで会場を後にした。
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 ◇日本原子力学会

原子力技術の進歩を目的に1959年に設立された。年2回定例会を開く。加入者は、原子力に関わる研究者や学生のほか、電力会社・メーカーの技術職を中心に約8000人。原子力関連の企業や団体など244社も法人会員になっている。

特集ワイド:いかがなものか 規制庁なし原因究明なし信頼なし…急ぎ足の原発再稼働

毎日新聞 2012年04月24日 東京夕刊

 ◇「対策先送り」「命の軽視」

 政府が大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に突き進んでいる。今は「地元同意」のとりつけに懸命だが、原発のシビアアクシデント(過酷事故)防止策に問題はないのか−−聞いて回ると、関係者から「真剣に取り組んだ結果とは思えない」との声まで飛び出した。原発再稼働の問題点、これだけは見過ごせない。【戸田栄】
 再稼働への憤りは、どこあろう与党内部でも渦巻いている。「小中学生でもおかしいと思うでしょう。それで、やむにやまれず待ったをかけているんです」。民主党の原発事故収束対策プロジェクトチーム(PT)座長、荒井聡元国家戦略担当相は、そう語気を強める。
 同PTは再稼働にあたっての5条件を政府に突きつけた=別表。荒井座長が真っ先に批判の矛先を向けたのは、まだ原子力規制庁が発足していないことだ。「3・11後にずっと原発の安全性の議論をしてきて、日本の原子力政策は欠陥だらけと分かりました。その原因は、安全神話の中に身を置いた原子力ムラの一部の人たちだけで政策を主導してきたことです。枝野(幸男経済産業相)さんは本来、脱原発よりもっと厳しい立場だったんですよ。それが原子力安全行政も電力需給もと1人でやると、十分な安全対策もないのに再稼働もやむなしとなってしまう
再稼働の前提条件としては、同PTのほか、橋下徹・大阪市長、松井一郎・大阪府知事が8条件、嘉田由紀子・滋賀県知事と山田啓二・京都府知事が7条件を示した。共通するのが、原子力規制庁の発足。14日に枝野経産相の協力要請を受けたおおい町長も、早期設置を求めた。
原子力規制庁は、4月から環境省の外局として設置される予定だったが、野党から位置づけに異論が出て発足が遅れている。荒井座長はそもそも政府の姿勢を疑問視する。
 「普通なら、政府側や担当官が野党に日参して法案成立に努力するが、そんな様子が見られない。原子力安全・保安院が経産省にあるうちに、再稼働の道をつけたいとの思惑がどこかにあるんじゃないかと勘繰りたくもなります
 さらに最重要として挙げたのが、政府の原発事故調査・検証委員会や国会の事故調査委員会の結論を待つことだ。「なにが事故の原因かをはっきりさせなきゃいけないのは、当たり前ですよ。(政府見解で)一番恥ずべきことは、津波だ、津波だと、全部を津波のせいにしていること。最初に鉄塔が倒れ、外部電源を喪失した。その耐震性だって問題なんじゃないですか」
当の国会事故調でも、元日本学術会議会長の黒川清委員長が、政府の再稼働の判断基準について「暫定的な原因究明に基づいている。必要な対策が先送りされ、想定を超える災害に対応できていないことも明らか」と批判している。
考えたくはないが、万が一の備えは欠かせない。その筆頭が、事故収束作業の拠点となる免震重要棟だ。福島第1原発で、同棟が10年7月から運用開始されていたのは、「不幸中の幸い」とされている。ところが、大飯原発3、4号機など関西電力の原発にこの施設はない。また、原子炉内の圧力を下げるため、弁を開くベントを余儀なくされた場合、放射性物質の大気中への流出を防ぐフィルター付きベントの設置もない。ともに3年後の設置を目指す。リスクコミュニケーションの専門家で、原子力安全委員会原子力施設等防災専門部会の委員を務めた土屋智子さんは「住民を守ることを真っ先に考えなくてはいけないのに、何も動いていない」と表情を曇らせる。
 土屋さんは、99年の茨城県東海村のJCO事故以来、住民の避難などについて研究してきた。「非常時の指令所(オフサイトセンター)は、発電所以上にしっかりしたものがほしい。ところが、東日本大震災では福島どころか、茨城でもオフサイトセンターは被害を受けて使えなかった。おおい町では海抜2メートルの海辺にあり、津波で使用不能の場合は福井県の敦賀、美浜、高浜の別のセンターで対応するとしていますが、広域地震ではいっぺんに被災する可能性がある」と指摘する。
このほか、緊急時の住民連絡体制の再整備、避難路の再検討などもできていない。細かい課題も山ほどある。例えば、被ばくが懸念される際には安定ヨウ素剤が配布されるが、乳幼児への投薬が難しかったという問題が今回、明らかになった。錠剤だったため被災時に水に溶かして正確な量を飲ませることができなかったのだ。
 同部会では今年3月、課題と対応策の議論の結果を「中間とりまとめ」とした。しかし、その対応策を決定するはずの原子力規制庁は設置されておらず、現在、「とりまとめ」がどう扱われているのかは委員にも連絡がないという。思わず「は?」と声が出そうになった。
こんな状況では、そもそも脱原発を目指す人々が猛反対するのも当然だ。原子力資料情報室の西尾漠共同代表も「規制庁の発足と事故原因の究明」を最優先課題に挙げる。
 「原子力安全委員会も原子力安全・保安院も、まったく国民から信頼されていない。だから、規制庁をつくると国が考えたわけでしょう。原因をしっかり突き止めなくてはならないのも当然。なんで、再稼働をこんなに急ぐのか。かえって不信を大きくするだけです」。加えて西尾共同代表は、誰もが福島原発事故を最大の想定としていることに注意を促す。「それ以上の惨事があり得るのですよ。甘くみてはいけません」
経産省前では、再稼働に反対する市民らのハンガーストライキが行われている。座り込みをしている市民グループ「経産省前テントひろば」の淵上太郎代表は「規制庁発足と事故原因究明ぐらいは最低のこと。経済にかこつけて命を軽く見ていることが許せない。それがわからないほど、国民はバカじゃないですよ」と話した。
やはりテント村で出会った「原発いらない福島の女たち」世話人の椎名千恵子さんの憤りに満ちた目が忘れられない。
「フクシマはまだ終わっていないし、政府はその深刻な被害をまったく理解していない。そして、次のフクシマを生むかのようなことを平気で進めている。理不尽です」
 再稼働を焦る国の姿は、フクシマをすっかり忘れているようにも見える。
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電力不足:枝野経産相、関電管内で計画停電の準備必要

毎日新聞 2012年05月03日 23時37分(最終更新 05月04日 00時04分)


枝野幸男経産相=首相官邸で2012年4月13日、梅村直承撮影
枝野幸男経産相=首相官邸で2012年4月13日、梅村直承撮影

枝野幸男経済産業相は3日、BS朝日の番組収録で、大幅な電力不足の見込まれる関西電力管内について「猛暑を想定して、計画停電の計画は立てないといけない」との認識を示した。
枝野氏は「原発が再稼働しない場合、(大口需要者に節電を義務づけた)昨夏の東京(電力管内)より今年の関西の方が大きな無理をお願いしなくてはならない」と指摘。同時に「(実施すれば)影響が大きすぎる。できれば計画停電したくない」と述べ、改めて関電大飯原発3、4号機の再稼働に理解を求めた。





今夏の関電、全原発停止でも「乗り切れる可能性十分」と枝野経産相

2012.2.17 11:27
枝野幸男経済産業相は17日の閣議後の記者会見で、来週すべての原発が止まる予定の関西電力に関し、再稼働できなくても今夏は関電管内で「(電力使用制限令を)出さずに乗り切れる可能性は十分にある」と強調した。
関電管内では今冬も制限例は出さず、電力使用を前年同月比で10%以上減らす自主的な節電を求めた。しかし目標に届いていない模様で、経産相は「さらに努力と精査をしなければいけないと思う」と述べた。
関電は20日、自社で唯一稼働している高浜3号機(福井県高浜町)の定期検査入りに伴う停止作業を開始する。関電の2010年度の発電電力量に占める自社原発の比率は51%を占めている。