2012年2月29日8時2分]
原発相らに公費で越前ガニ 敦賀市長、国会議員11人に
敦賀市の河瀬一治市長
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全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)の会長で、原発3基を抱えている福井県敦賀市の河瀬一治市長(60)が昨年暮れ、地元特産の越前ガニの詰め合わせ(各1万円)を公費で購入し、細野豪志原発担当相ら国会議員11人に贈ったと市の会計文書で報告していることがわかった。
■市長交際費で計11万円分
河瀬市長は、東京電力福島第一原発の事故後に停止状態が続いている原発の早期稼働などを政府に繰り返し求めている。市長は取材に「担当大臣や関係の皆さんと連携をとることは非常に大事なこと。規制を緩めてほしいということでは全くない」と話している。
各議員の事務所は「原発問題とは別問題」などと回答。一部は「もらった記録がない」と説明している。
敦賀市には、現在停止中の日本原子力発電敦賀原発(2基)と、トラブル続きで試験運転を止めている日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」が立地。原発を抱える全国の市町村でつくる全原協の事務局も置かれている。
公開されている市長交際費支出明細や市秘書広報課によれば、贈り先は、原子力の安全対策を担当する細野原発担当相、昨年12月当時、もんじゅを所管する文部科学相だった中川正春防災担当相、自民党の谷垣禎一総裁ら、与野党の首脳陣が含まれている。
河瀬市長は昨年11月19日~12月8日、計11万円分を市長交際費で購入。上京のたびに国会議員会館を訪れるなどしてお歳暮として贈ったという。前年の2010年度は、姉妹都市や友好都市の自治体首長らに越前ガニを贈っただけだった。
越前ガニは福井県の特定の港に水揚げされる雄のズワイガニで、高級ガニとして知られる。山陰では松葉ガニと呼ばれる。
敦賀1号機は福島第一原発と同じ型で、3月に営業運転開始から42年を迎える国内最古の商業用原発。老朽化が課題で、3、4号機の増設計画もある。もんじゅは原発の使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」の柱だが、存続の見直し対象となっている。
河瀬市長や市議会は1、2号機の再稼働や3、4号機の本体着工、もんじゅ存続を求め、政府への意見書の可決や陳情をしている。また、市長は全原協の会長として安全対策の早急な実施なども求めている。
河瀬市長は市議、県議を経て、1995年の市長選で初当選。現在5期目。(高橋孝二)
■「真剣に議論して欲しいとの思い」
河瀬一治市長の話 お世話になった方々に喜んでいただきたいと、お贈りしている。地元の雇用の問題もあるし、原発立地の安全確保をしっかりしてもらい、原子力のことを真剣に議論して欲しいという思いも込めている。担当大臣や関係の皆さんと連携をとることは非常に大事なこと。規制を緩めてほしいということでは全くない。どうしてもダメだと指摘されれば、それまでで、どうしても(交際費を)使わなくてはならないというものでもない。
全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)の会長で、原発3基を抱えている福井県敦賀市の河瀬一治市長(60)が昨年暮れ、地元特産の越前ガニの詰め合わせ(各1万円)を公費で購入し、細野豪志原発担当相ら国会議員11人に贈ったと市の会計文書で報告していることがわかった。
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