2011年9月1日木曜日

放射性物質はどうしていつもセシウムだけなのでしょう?

 後手後手の放射能汚染の調査結果報告、しかもいつも出てくるのはセシウムの数量ばかり、どうしてというと、ヨウ素より半減期が長いから、セシウムの線量は重要だという答えしか返って来ない。まるで放射性物質はヨウ素とセシウムしかないかのように。

前からこのブログで繰り返し指摘しているストロンチウムはなぜに公表されないのか。

7月から8月にかけて行われた広域モニタリングの結果にも、納得の行かない点がいくつもある。
どうして、広域モニタリングの範囲が、警戒区域と計画的避難区域の人の集まる場所に限られたのか、警戒区域や計画的避難地域の中にはホットスポットではない場所も多く、指定区域を外れた地域でも高線量のホットスポットがあるのであれば、警戒区域と計画的避難区域に限ったモニタリングはナンセンスである。

しかも専門家の言うように、人がたくさん集まるような場所より、草や木が生い茂ったような場所に放射性物質が溜まっている可能性が高いし、スピーディの風向きの方向に飛散したのであれば、
警戒区域、計画的避難区域外の様々な地点に対する詳細な調査を行い、その結果を即時公表すべきなのではないか。

一旦250ミリシーベルトに引き上げた作業員の放射線量を100ミリシーベルトに引き下げることを検討しはじめるというのもおかしな話である。関係がないとはいわれるものの、8月16日に作業員が突然の急性白血病と全く因果関係がないと言われれば、逆に、何かあるのではないかと考えてしまうのは、単なる下衆の勘ぐりだろうか。


http://jp.wsj.com/Japan/node_298103?mod=MostPopularBlock

福島原発周辺の広い地域に放射性セシウム汚染-初の包括調査

福島第1原子力発電所の事故に伴う周辺地域の土壌の放射能汚染に関する初めての包括的調査結果によると、調査した2200地点のうち旧ソ連が移住の基準とした量を超える放射性セシウムに汚染された地点が33カ所に上っていることが明らかになった。
Reuters
土壌サンプルを採取する福島県職員(今年5月、福島県相馬市)
 調査対象となったのは、福島第1原発から半径100キロ圏内。1986年のチェルノブイリ原発事故の際にソ連当局が強制移住させた際の基準だった汚染量(セシウム137で1平方メートル当たり148万ベクレル)を超えた地点が33カ所あった。また、ソ連当局が自主的な避難を呼び掛け、農業を禁止した際の基準(セシウム134と137の合計で55万5000ベクレル)を超えた汚染地域は132地点あった。 
 当局によると、最も汚染がひどい地点はすべて、原発の半径20キロの現行警戒区域内と、既に高度の汚染がみつかっている原発の北西方向の一部地域だった。
 当局は先週、原発周辺地域の放射能水準は、自然減と除染作業を通じて2年以内に半分に減少すると予想していると述べていた。
 しかし、今回の調査では、セシウムが水に押し流されて他の地域に広がり、河川、低地、海洋を汚染している可能性を示している。
 例えば群馬県は29日、県内の川で捕った魚から、法律で許容されている量を上回る放射性セシウムが見つかったと発表した。原発のある福島県以外で基準値を超えるセシウムが発見されたのは初めて。 
TEPCO/Agence France-Presse/Getty Images
原子炉格納容器に入る作業員(29日、福島第1原子力発電所)
 セシウム137の半減期は30年。これは、放射能が30年後でも半分しか減らず、数世代にわたって環境に影響することを意味する。セシウム134の半減期は2年のため、長期的な問題はそれほど大きくないとみられている。 
 今回の土壌汚染調査は原発から半径100キロ以内の土地について、2平方キロごとに土壌サンプルを採取した。調査は6月から7月の間に実施され、全国から400人以上の研究者が参加した。これまでは、航空機を使用したり地上での放射能測定を通じて土壌汚染を推定していただけだった。
  調査結果を発表した文部科学省の幹部はブリーフィングで、「土壌分析結果は、汚染に関するわれわれの推測を確認した」と語った。
 一方、東京電力は30日、原発で今月7日間働いていた40歳の作業員が急性白血病で死亡したと発表した。この作業員の累積放射線被ばく量は0.5ミリシーベルトで、許容量をはるかに下回っていた。東電は、死亡は原発での作業と関係ないとみられると述べている。
 これとは別に厚生労働省は30日、福島第1原発の作業員について年間250ミリシーベルトに引き上げていた被ばく限度を100ミリシーベルトに戻すことを検討していると述べた。250ミリシーベルトという水準は、同原発の作業員だけを対象に緊急時の被ばく限度として3月に設定されていた。

立ち入り制限区域、最高線量は避難基準の36倍

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 政府の原子力被災者生活支援チームは1日、東京電力福島第一原子力発電所事故によって立ち入りが制限されている警戒区域、計画的避難区域の約2700地点で、空間の放射線量を計測した「広域モニタリング」の結果を初めて公表した。
 地面から高さ1メートルの空間で最も線量が高かったのは、第一原発から南西に約1・5キロ離れた福島県大熊町夫沢で、毎時139マイクロ・シーベルト(年間推定被曝ひばく線量約730ミリ・シーベルト)。住民避難の目安となっている毎時3・8マイクロ・シーベルトの約36倍に相当する値だった。
 調査は、7月4日から8月20日にかけて、警戒区域の同県双葉町、大熊町、富岡町など9市町村の1572地点と、計画的避難区域の飯舘村、南相馬市の一部など5市町村の1124地点で、公民館や病院など人が集まりやすい場所を中心に、高さ1メートルと1センチの放射線量を測った。高さ1センチで最も高かったのは、双葉町松ざくの毎時368マイクロ・シーベルトだった。
 空間線量が特に高い地域は、原発の北西方向に約32キロにわたって延びていた。文部科学省が8月30日に公表した放射性セシウムの土壌汚染の分布図と、おおむね一致している。同じ警戒区域でも、原発北側に2、3キロ離れた海岸沿いでは、毎時1マイクロ・シーベルト以下になるなど、区域内で線量の分布にばらつきが出た。
 政府は、結果を除染対策の検討などに役立てる。地図や各地点の計測データは、http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/20110901.htmlで公表している。
(2011年9月1日22時41分  読売新聞)

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