2011年7月6日水曜日

大阪副都構想と気になる中央構造線の地震予知

首都機能移転は今の日本にとって喫緊の課題であることは、3・11以降東京都で何が起こっているかを見れば自ずから明らかである。首都機能移転に反対し続けていたかの都知事でさえ、ようやく4月以降突然分散が必要などと言った発言を始め、昨今では、大阪が副都心となるのであれば、首都機能分散を認めてやってもいいとお墨付きを与えたそうである。

いかに首都とはいえ、一介の地方自治体の首長にすぎない立場の人物が、他の自治体が「副」として、東京の手足になるつもりになるのであれば、機能分散を許してやってもいいと上から目線で言い放ったということにも、それを金科玉条ありがたがっている大阪の知事にも、それを何の批判もなくただ書き立てるメディアに対しても、いかがなものかと疑問を呈さざるを得ない。

ちなみに、大阪の府と市の行政一体化計画は、不幸せ(府市併せ)と呼ばれているそうだ。

薔薇っ子も、首都機能の分散は必要不可欠だと言ってきた。首都機能の分散を担う都市が、既に大都市として機能している場所であれば、新たにいろいろなものを作る予算は最小限に抑えられるのは自明である。

しかし、それでも、京阪神が首都機能を担う地域としてふさわしくないと思う。
それは誠に残念ながら、いずれの地にも多くの活断層が走っているからであり、そのなかでもとりわけ大阪の街の海に近い地域は、中央構造線上に、あるいは連動型の東南海、南海地震が発生した場合、津波に弱く、水没する危険性の高い立地条件におかれているからである。

昨夜和歌山で震度5の地震があったが、それに関して次のような記事が目に飛び込んできた。国民の不安を煽らないために、何でも安心安全と言い続けるお役所が、大阪と和歌山の県境にある活断層を含む中央構造線の地震発生率を交通事故死より高確率と警告を発したというのである。

今まで地震がいく、地震がいくと喧しく言われていた土地に大地震が起こった試しがない。だから、
この警告もあてにならないといえば、それまでかもしれない。しかし、列島が地震活動期に入ってしまったということは、恐らく紛れもない事実であり、特に活断層がある地域はいつ大きく揺れてもおかしくないという認識をもつことは大切なことだ。

そんな意味から、もし和歌山と大阪の辺りを走っている中央構造線で大地震が発生すれば、関空など、ひとたまりもない。今でさえ人口密度の高い大阪に首都機能を移転などさせ、そこに大津波だの大地震だのが押し寄せれば、新副首都が悲惨な状況になるのは目に見えている。

今ひとつ、関西の大都市圏が抱えている大きな問題は、原発に5割のエネルギーを依存している点である。福井の原発銀座や、舞鶴の原発がちょっとしたトラブルでまた炉心溶融でも起こし、水源の琵琶湖が汚染されれば、あるいは多くの原発のいずれかで水蒸気爆発でも起これば、関西圏は深刻な打撃を受け、副首都機能を発揮するどころではなくなってしまうのである。

新しく首都機能を移転する場としては、活断層のない岩盤のしっかりした少なくとも海抜10メートル以上に立地すること、原発の被害・影響を受けない地にあることが、防災の見地から最小限考慮されなければならないのではないか。

首都の分散は何も1箇所でなくてもよい。PCひとつあれば仕事も出来るし、会議もできる。空を飛べば大抵2時間以内に移動が可能な時代である。北海道の内陸部に1つ、山口県か岡山県の内陸部に1つ首都を作り、そこにそれなりの人が集まり、新たな雇用を生むことができれば、周辺にある過疎化して雇用のない近県の自治体は、原発に依存しなくてもやっていけるようになるのではないか。

http://www.wakayamashimpo.co.jp/news/11/07/110705_11135.html

2011年07月05日

00.社会


交通事故死より高確率 中央構造線の地震発生

説明する山後企画官 - 交通事故死より高確率 中央構造線の地震発生
説明する山後企画官
地震に関する調査研究を一元化しようと設置された「文科省地震調査研究推進本部」などは4日、県庁南別館(和歌山市湊通丁北)で、県北部を東西に走る和泉(いずみ)山脈を含む「中央構造線断層帯」について、見直し調査後の地震の発生確率などを説明した。県内市町村、各消防本部の防災担当課の職員約100人が、今後の対策に生かそうと真剣に耳を傾けた。

文科省研究開発局、地震・防災研究課の地震調査研究企画官、山後公二(さんごこうじ)さんは、和歌山でも地震の被害が懸念される2つの活断層、「金剛山地東縁」(奈良、大阪など通る)と「和泉山脈南縁」について解説。両活断層に係る将来の地震活動などを予想した「長期評価」がこのほど見直され、変更された点をイラストや表で説明した。
金剛山地東縁は、今後30年以内の地震発生確率が0%から最高5%、和泉山脈南縁は同0・06%から14%と上昇し、日本の主な活断層の中では地震発生の可能性が高いグループに入ると警告。和歌山市では、それぞれ震度5強、震度7の揺れが予測されていると説明した。また、火災で死傷したり、交通事故で死亡するなどの確率より、両断層による地震発生の確率の方が高いことを紹介し、「自然災害など他の事象と比較しても、無視できるレベルではない。地震対策を再考するきっかけにして」と呼び掛けた

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