2011年7月4日月曜日

熱中症報道で不可視化するフクシマ原発: 節電のウソ

まだ列島には本格的な夏も来ていないのに、メディア報道のテーマは、馬鹿のひとつ覚えのように、明けても暮れても熱中症と節電対策ばかり。

炉心がメルトスルーしているのだとすれば、循環注水冷却システムでは問題の根本的な解決にはならないというのに、汚染水処理システムが曲がりなりにも動き始めたことで、福島原発からは既に危険は去り、放射能汚染は見事に原発敷地内に留められ、あたかも何もかも順調に収束しているかのごとく、昨今では福島原発の話といえば汚染水処理システムに特化され、4つの原発の状態についてはもはやニュースにもならなくなった。

メルトスルーしていないならば、いないとはっきり根拠を示して断言すべきだし、未だに状況がわからないのならば、なぜわからないのか、せめて公共放送ぐらいは、くだらない電気紙芝居や電力会社を擁護するようなニュース番組を垂れ流す時間があれば、フクシマ原発の刻一刻の変化や現況を国民に対して詳細に報告する義務があるのではないか。

それを見るかどうかは、公共放送局が勝手に判断することではなく、個々の視聴者の自由裁量に委ねられることである。

最近では保安院や東電の会見場面もほとんど報道されなくなった。どうせウソで塗り固めた聞く価値もない情報ばかりだから、報道される必要がないという人も多い。

しかし国民の健康、安全に関わるような深刻な原発事件の進捗状況が、いつの間にか国民の目から見えなくされてしまったことに、国民は最大限の警戒を払う必要があるのではないのか。

節電ブームは東日本どころか、今や国土全体にまで広がっているが、武田邦彦氏に言わせれば、原発事故で、計画停電など必要ではなかったし、今日本全土が節電をする必要性などないというのである。

最近の報道を見ると暗に次のようなメッセージが流されている。

原発が1つでも止まる⇒日本全国が電力不足になる。経済活動が停滞する⇒企業はサマータイムを導入したり、個人は猛暑でも苦痛に耐えて節電しなければ、停電になる⇒節電は熱中症を引き起こす。高齢者は命を落とし、犠牲者が多数出る⇒だから原発は不可欠である。

武田氏は原発が止まる⇒日本中が電力不足になる⇒節電をしなければ停電になる⇒原発がなければ事実上やっていけないというメディア、政府、東電のプロパガンダの虚偽性を以下に明らかにしている。

薔薇っ子は、熱中症でなくなった不幸な人々が、あたかも皆、節電をしてクーラーを入れなかった人々であるかのごとき、最近のマスコミ報道の在り方にも、大きな疑問を感じる。


猛暑の中、働き手がない農家でやむを得ず炎天下、畑仕事や雑草取りをしていて亡くなった人、他に代わってくれる者もいないから、仕方なく炎暑の中長時間歩いて遠くまで用達しや買物に出かけて亡くなった人も少なくない。

高齢で喉の渇きに全く気がつかず、水分の補給をしなかったがために亡くなった人も多いはずである。中には、暑い夏アルコールで喉を潤し、水分を摂ることを怠って、犠牲になった人もいるだろう。

すでに臓器不全や老衰などで死期を迎えていた高齢の患者さんが、夏を乗り切れず寿命を迎えたというケースも当然たくさんあるだろうし、「人工的な冷風が苦手だから、クーラーはあっても入れない」という主義の高齢者も多い。

さんざん脅しをかけて15%節電させたとしても、15%電気代の値上げをすれば電力会社の腹は全く痛まないし、炎暑の中、命綱のクーラーか、原発かと迫られた国民は、背に腹は代えられず、1も2もなく原発再開を黙認するに違いないという算段なのだろう。

薔薇っ子は、昔から自主的に節電を心がけているし、日本人はもっと節電すべきだと兼ねてから思っている。

最近になって、節電について何度かブログに書いているのは、この度の電力会社や政府やメディアが発する節電の呼びかけに納得しているからではない。

3.11以降、大勢の弱者を踏みつけにし、真実を隠蔽し、正しいことを正しいと主張する少数の勇気ある人々に嫌がらせをし、異端扱いし、恫喝しなければ、原子力エネルギーが得られないことがわかった今、原発の代わりに、天然ガスによる発電と再生可能なエネルギーが十分に確保できるまでの間は、水力(揚力)・火力発電に一定依存せざるを得ないし、その間できるだけ節電をして、二酸化炭素の放出を抑える必要があると考えるからである。


http://takedanet.com/2011/06/post_98ab.html

「節電」は本当に必要なの?(2) 本当は津波ではなかった!


福島第一原発の発電量は全部で470万キロワットだが、事故当時、4号機から6号機までは定期点検中で、もともと動いていなかったから、3月14日に東電が「実質的に事故でやられた原発の発電量」はわずか200万キロワットだったのだ!


残りは6000万キロワット。それに対して東電管内の国民が使った電気は2800万キロワットだから、ジャブジャブ余っている。


これほど余っているのに「計画停電」をした。国民は大変な迷惑を被ったが、政府(経産省)も、マスコミもこのトリックはほとんど言わなかった。


・・・


どこにトリックがあったのだろうか? 実は「福島原発が想定外の津波で壊れたから停電」ではなく、
1)   東電は原発だけではなく、火力発電の耐震性もサボっていた、


2)   設備をいつも休ませていた。


の2つが主な原因だった.


繰り返して言いたいのだが、3月の計画停電は、


「地震で福島第一が事故を起こしたから電気が足りなくなった」


のではなく、


「地震や危機に対する東電のあまい体質がもたらしたもの」


だった。


実際に東電はどんな状態に陥ったのだろうか?(単位は万キロワット)


総発電能力               6266


福島第一で動いていてダメになった量    203


福島第一で休んでいた量           78


津波でやられなかった福島第一       188


津波でやられなかった福島第二       440


地震でやられた火力発電所の量       680


(止まった総量)            1588


(津波に関係なく泊まった量)      1308


地震後の総発電量            4678
3月14日の消費量           2800


・・・


これでもまだとんでもなく余っていた(約2倍)。


「計画停電」を大々的に発表したが、現実には実施しなかった。それは、詳しく調べると現実には電気はあったということになるからだ。


でも、こうして内容を見ると、ずいぶん印象と違う.


東電は「津波でやられた。想定外だった」と言っているが、実は津波で破壊したのは、6266キロワットのわずか3%、203キロワットに過ぎない.


今回の震災はマグニチュード9という大地震だったが、福島原発は震度6である。震度6で原発も火力発電もやられて、電気が来なくなるということになると、東電は「何やっているのだ。地震の備えが出来ていないじゃないか!」と言われるので、福島第一の1から4号機が津波に襲われたことを全面に出して釈明した


もちろん、地震でも津波でも備えなければならないのだが、実はこの説明もウソなのだ。本当のところは、大震災で停止した発電量1588キロワットの内、実に82%の1308キロワットが「地震」だけで壊れたのだった。


それも震度6以下である。つまり、


1)   現実には3月14日の計画停電は必要がなかった(設備能力は2倍あった)、


2)   普段から稼働率が低い運転をしていたので、そのツケがまわった、


3)   計画停電の理由として東電が言った「津波」の影響はわずか3%だから、これはウソで、「普通の規模の地震」で、多くの原発、火力発電が壊れたからだった、


というわけだ。


でも、自分たちのミスは「大人しい国民」と「自分たちをかばってくれる政府とマスコミ」に押しつけるという、いわば小児病の会社、それが東電のようだ。


・・・・・・


今、滑稽なことが全国で始まっている.


これから来る夏、電気が足りないから「節電」をしなければならないと言われている.それも東京ばかりではなく、名古屋でも大阪でも、また全国のほとんどのところで冷房温度を上げたりして、「省エネ」に努めている。


いったい、どうしたことだろうか? 本当に電気は足りないのだろうか?


東電の福島原発と中部電力の浜岡原発は止めたけれど、それだけでなんで日本中で「節電」が必要なのだろうか?


また私たちは騙されて、暑い夏を過ごそうとしている。もう、日本の誠意はどこに行ったのだろうか?


(平成23629日 午後1時 執筆)

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