2012年10月12日金曜日

「増税が必要」なんて言ってた政党を、これでも貴方は支持するの?


 復興のために、東北の被災者のために、国民は一致団結して、経済不況であろうが、なんであろうが増税の負担におとなしく耐えなければならない。

それが日本人の美徳である絆、助け合いの精神であり、それを冒涜し、増税に反対する者は、日本人ではないといわんがばかり。、自公民一致で、やすやすと復興増税が通ってしまった。
その復興予算は何に使われるのか、本当に困っている人々には行き渡らず、またまた、しろありの餌になるだけであることは明らかである。

政府は追求を逃れるために、逃げまわり、国会は完全に機能不全に陥っている。大型メディアは山中教授のノーベル賞報道などに、浮かれてお祭り騒ぎをしているどころではないはずである。

真実をしっかり伝えようという姿勢がはっきり見えるのは、東京新聞などほんの数社に限られる。
嘆かわしいことである。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012101290071005.html

膨張続ける復興予算 概算要求 3年で22兆円に

2012年10月12日 07時10分
写真
 復興予算の膨張に歯止めがかからない。政府は二○一一年度からの「五年間で十九兆円」との大枠を示したが、一三年度予算の概算要求を含めると、三年間で二十二兆円に達する見込みだ。しかも、概算要求には不適切使用と指摘される予算が多く含まれる。国民に臨時増税を課しておきながら、復興を名目に予算獲得に走る霞が関の実態が浮かび上がる。(石川智規、清水俊介)
 一一年夏に政府が決定した復興基本方針では「五年で少なくとも十九兆円」が被災地の復旧・復興に必要な予算と見積もられた。その財源を捻出するため、政府は所得税や住民税などを臨時増税し、十兆五千億円をまかなうことにした。
 だが、政府が示した予算の大枠は一一年度からの三年間だけで天井を突破する見通し。一一年度と一二年度の復興予算は計約十八兆円。一三年度は四兆円超の概算要求が各府省庁から出されている。
 一方、衆院決算行政監視委員会で野党理事が関係省庁から聞き取り調査した結果、復興予算に対して「不適切使用」との指摘が相次いだ。さらに、こうした事業の多くが来年度予算でも概算要求されていることが本紙の取材で明らかになった。
 国が財政支出の縮減を続ける中、ある官僚は「復興予算は別枠で、いくらでも要求できるので、各省とも予算獲得に知恵を絞っている」と明かす。政府は「被災地の復興が最優先」との方針を掲げており、復興予算の査定が甘かったことも背景にある。
 しかし、一一年度分の復興予算は今夏の決算段階で約一兆円が「不用」と判断された。さらに五兆円は使われておらず、翌年度に繰り越しされた。
 復興に直接関係しない事業に予算を付けながら、使い切れないケースが出ているのは事実だ。それにもかかわらず来年度予算でも四兆円を要求するとは、霞が関の姿勢は到底許されない。
(東京新聞)
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2012/10/20121011s01.htm

東日本大震災 復興予算の浪費/被災地をだしに使う不届き

 東日本大震災から1年7カ月がたつ。多額の予算が計上されているのに、復興の手応えが感じられないのは、的確な予算執行がなされていないからだ。
 それだけではない。あろうことか、使途に疑問符が付く事業が数多く紛れ込んでいることが明らかになった。
 貴重な予算が必要な人、地域、業界に配分されず、無関係な分野に投入されてしまうと、復興はそれだけ遅れる。被災地を口実に、金を湯水のように使うことは許されない。
 相も変わらぬ省庁の権益獲得競争という側面がある。民主党政権の「脇の甘さ」が露呈した格好だが、予算をチェックすべき野党のだらしなさも指摘しておかなければならない。
 爪に火をともすように暮らしている被災者の困窮に思いを致せば、乱費はびた一文許されない。不適切な支出があれば、返還を含めて厳正に対処すべきだ。
 「悪のり」「便乗」。そんな形容がぴったりの「復興事業」が衆院決算行政監視委員会の検証作業で明らかになりつつある。やり玉に挙がっているのは8事業、約5千億円。
 一例を挙げると、水産庁の「鯨類捕獲調査安定化推進対策」(23億円)の目的は、反捕鯨団体シー・シェパードによる妨害活動への対策強化だ。水産庁の説明が奮っている。「捕鯨基地がある石巻市の復興には、クジラの安定確保が欠かせない」
 東京・国立競技場の外壁補強(文科省、3.3億円)、アジア・北米の高校生、大学生の被災地視察(外務省、72億円)、北海道、埼玉県の刑務所で職業訓練を拡大(法務省、0.3億円)など、どう考えても復興とは関係のない事業が目に付く。
 ばらまきはなぜ、可能だったのか。その謎を解く鍵は政府が昨年7月に決定した「復興基本方針」の文言にある。
 「基本的考え方」の中に、東北の復興と並んで「日本経済の再生」が盛り込まれた。いわば大震災を「国難」と読み替えることで、各省庁が復興マネーを獲得しやすくするための環境が整備された。
 復興関連の支出9.2兆円を含む2011年度第3次補正予算が成立したのは、震災から8カ月以上たった昨年11月。復興の遅さに対する、いら立ちを逆手に取って大盤振る舞いの予算が成立していた。
 他方で、被災地の復興事業は予算不足で滞りがちだ。中小企業の再建を支援する経産省の「グループ補助金」は応募が殺到、順番待ちの状態が続く。
 民主党政権の「政治主導」はどこへいったのか。喝采を浴びた事業仕分けの理念も全く感じられない。予算審議がおざなりだったという点で、野党の怠慢も見逃すわけにはいかない。
 復興予算は所得税や住民税の増税などが財源になっている。納税者を裏切るような使い方は、許されるはずがない。
 「効率性、透明性、優先度等の観点から…」。復興基本方針には、まともなことが書いてあることも付言しておく。
2012年10月11日木曜日


復興予算:誰のためか…被災者ら、怒りと諦め 衆院小委

毎日新聞 2012年10月11日 11時43分(最終更新 10月11日 12時29分)
与党側の欠席により流会となった東日本大震災の復興予算使途を審議する衆院決算行政監視委員会小委員会=国会内で2012年10月11日、武市公孝撮影
与党側の欠席により流会となった東日本大震災の復興予算10+件使途を審議する衆院決算行政監視委員会小委員会=国会内で2012年10月11日、武市公孝撮影

 誰のための「復興」なのか−−。11日に流会となった東日本大震災の復興予算10+件を巡る衆院の小委員会。被災地と直接関係のない予算措置が次々と明らかになる中、過半数を占める民主党委員が欠席したことで、被災者からは「選挙前の政党間の争い」「各省庁の予算の奪い合い」といった怒りや諦めの声が飛び交った。
 岩手県大槌町の無職、佐々木テルさん(83)は「震災から1年半が過ぎても私たち被災者はどこに家を建てられるかさえ分からない。被災地から遠く離れたところにお金を使うのは、本末転倒ではないか」と憤る。同町の無職女性(61)も「各省庁が拡大解釈して、予算の争奪合戦をしたのだろう。純粋に被災地のために使ってほしいと願わずにはいられない。多くの一般市民はみんな驚き、絶句している」と嘆いた。
 自宅を津波で失った仙台市青葉区の無職、山下隆平さん(64)は「国会議員なら、国会で議論することが仕事のはず。偉い人たちが何を考えているか分からない。がっかりするのにも慣れてきた」とつぶやいた。
 東京電力福島第1原発の事故で避難生活を送る福島県の被災者も怒りをあらわにした。大熊町から南相馬市に避難中の元タクシー運転手、佐々木久さん(52)は「ここらはまだ田んぼの中に車が落ち、ガードレールもさびたまま。民主党が私利私欲のために動いていることがよく分かった」とあきれた様子。
 会津若松市に避難している農業、渡部隆繁さん(63)の大熊町の自宅は福島第1原発から約3キロにあり、5年以上立ち入りが制限される帰還困難区域に指定される見通し。「我々は避難者ではなく難民でこれから新天地が必要。復興予算10+件を検証するのは当たり前だ」と注文をつけた。
 被災地の首長からも発言が相次いでいる。仙台市の奥山恵美子市長は10日の記者会見で「我々の切実な要望を本当に受け止めていただいているのか、という懸念も出る。被災地の住民感情を考えれば、きちんと説明のできる必要な事業を精選するようお願いしたい」と述べた。
 また、岩手県の達増拓也知事は先月10日の定例記者会見で復興予算10+件の問題に触れ「国は復興計画を見直し、無駄なことはやめ、グループ補助金のように足りない予算を増やすということができていない」と苦言を呈していた。【宮崎隆、高尾具成、金森崇之、泉谷由梨子、蓬田正志】
これは極めて悪質な犯罪だ 復興予算19兆円を他に転用続々に国民の怒り爆発



復興のためと称して大増税して国民から奪い取ったカネを自分たちのために勝手に使っている財務省以下の役人どもは完全な犯罪人。野田政権は初めからこの犯罪に意図的に関与しているという疑惑

 東日本大震災の復興予算が沖縄の国道整備や中央省庁の耐震改修などに使われていたことが発覚、大騒ぎになっているが、こりゃ、内閣総辞職モノのデタラメだ。
 復興予算とは震災の復旧、復興のために組まれた特別会計(東日本復興特別会計)で、5年間で少なくとも19兆円を投じることになっている。うち、10.5兆円は復興増税(所得税や住民税)で賄うもので、国民も「被災者のためになるなら……」と認めたものだ。
 
ところが、そんな予算が被災地とはまったく関係ないところで、てんで関係ないものにジャブジャブ使われていたのである。
主なものは別表にまとめたが、見れば見るほど、腹が立ってくる。被災地以外の道路整備や官庁施設、公営住宅の耐震化に使われた「全国防災」名目の予算は4827億円。「多くの納税者の安全に耐震化は必要」とか言って、都内など12カ所の税務署も耐震化されたが、その一方で、被災地は置き去りなのだ。震災で本庁舎の建て替えが必要な自治体は13市町村に及ぶが、ひとつも着工していない。よくもまあ、財務省はテメーの税務署だけを先行させたものだ。
「武器弾薬にも巨額の復興予算が使われていますよ。武器車両等整備費に669億円、航空機整備費に99億円。防衛省は『津波で被災したから』というが、武器より、被災者の生活改善が先でしょう。他にも北海道と埼玉県の刑務所では小型油圧ショベルなんて買っていた。被災地に近いのでガレキ撤去作業のための職業訓練という名目です」(野党関係者)
 そんなこんなのデタラメが5000事業もあるのである。

 経済産業省が企業の国内での立地や設備投資を支援するために2950億円もの予算をブン捕った「国内立地推進事業」にも驚かされる。一見、被災地の産業復興、雇用改善に役立ちそうに見えるが、補助金対象510件のうち、被災3県の事業はたった30件しかなかった。残りはどこが受け取ったのかというと、トヨタやキヤノン、東芝などの大企業の名前が出てくるのだ。
 これじゃあ、単なる大企業支援だが、もっと驚くことがある。こうした復興予算の“転用”“流用”が明らかになった今、平野復興相が何と言ったか。
「個々の予算で見た場合、いかがなものかというものもないわけではない。きちんと精査し、来年度予算以降は被災地に特化した予算をつくる」

 まったく他人事なのである。岡田副総理はこう言った。
「国民から理解が得られない部分があるなら手直しすることが大事だ。被災地にお金が十分、行き渡らないことになれば本末転倒で、見直しが必要だ」
 自分たちが予算をつくってバラまいたくせに、この言い草。何がこれから精査、見直しだ。自分たちが当事者ではないか。こんな失態が明らかになった以上、責任をとって辞めるのが当たり前だ。いや、これは失態といえるのか。コイツらだって分かってやっていたのではないか。国民の善意を踏みにじり、震災を悪用、焼け太りするなんて、許し難いゴロツキどもだ。



2012年10月11日木曜日

京大の小出助教への処遇:ノーベル賞の山中教授はどう考える?

 メディアは、明けても暮れても京大の山中教授のノーベル賞受賞に湧いている。崩れ行くこの国には、他にとりたてて報道すべき重要なニュースは何も存在しないかの如くである。

氏には今後も、多くの人々の生命に関わるような重要な研究を、一歩でも先に進めて頂きないと願うばかりだ。

その一方で、氏の研究領域が、専門馬鹿で留まっていてはならない、生命倫理の問題に深く関わる分野であるがゆえに、世事に疎いようでは困る。

いずれにしても、彼は今や日本のヒーローとして殿堂入りし、何を言っても許される、揺るぎない社会的地位を確保したといっても過言ではない。

それゆえに、そんな山中教授に今こそ、あえて聞いてみたい。

山中教授は、同じ京都大学の片隅で冷遇されている京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏の処遇についてどのように考えるのか。また同じ科学者として、日本の原子力行政に深く関わってきた原子力ムラの科学者に対して、彼は何を思うのか。

メディアも、寝ても覚めても山中氏の生い立ちや家族関係など穿り出してうかれている暇があったら、この国が今も直面している深刻な原発問題から目をそらさず、人の命の尊厳の問題を直視せざる得ない立場にある山中氏が、この問題に対して、日本を代表する科学者として、どのように考えているのか、是非マイクを向けてもらいたいと思うのは、薔薇っ子だけだろうか。

2012年10月10日水曜日

原発災害1年半、 未だに続く情報隠しか。。。

 また、ぽつぽつと都合の悪い部分を勝手に編集した東電のビデオのほんの一部が、公開された。公開の方法も、個人情報だとかなんだとか、いい加減な屁理屈をつけて、会社の都合が最優先されている。

前回公開された、原発人災発生直後の3月11日と12日の画像は、音声が消された上に、編集でつぎ合わされた証拠隠滅の跡が見え見えのひどい代物であった。これを、「記録」として、堂々と公開する東電の自己保身しか頭にない姿勢にはあきれ果てるし、国有化され、もはや国民の共有財産となった東電が、国民に対して情報すらまともに開示しないとは、一体何を履き違えているのかと言いたくもなる。

想像もできないほど大量の放射性物質をまき散らされたせいで、美しい日本の大地や水や空気や農作物、水産物は瞬時にして放射能まみれになったし、計画停電のおかげで、国民生活は著しい被害を被った。フクイチの原発災害のせいで、東北は3県は津波被害からなかなか立ち直れず、1企業が国民全体の生活や健康をここまで脅かしたことはないというほどの大それた人災を引き起こしながら、こんな企業がまだわがもの顔で首都圏の電力の地域独占を続け、ぼんくらで尊大な東電役員の高い給料や原発訴訟に対抗する顧問弁護団に対する費用までもが、今や国民の負担となってのしかかっているのである。

古賀茂明氏はブログに次のように書いている。


古賀茂明氏のブログより

東電国有化の意義。国有化で、東電は、所管官庁である経産省の支配下に入りました。枝野経産大臣は、東電に、福島第一原発事故後のテレビ会議映像をすぐに全てホームページに公開しなさいと指示できます。嫌だと言ったら、社長を替えればいいだけです。枝野さん、今すぐ、広瀬社長に電話して下さい。2012年10月7日 - 22:17 · 詳細

会社が国有化した時点から、東電のテレビ会議のビデオ記録は、国の共有財産になったはずである。それを一企業の恣意で自由に編集させていること自体が問題である。うかうかしている間に、我々は東電のビデオ編集の費用まで支払わされているのである。

経産相は東電にビデオ公開を命じることができるはずであるにもかかわらず、それをやらずに、黙って見ている理由は何なのかを国民はしっかり考えるべきである。

以下双葉町での災害直後の高線量が、1年半もたってから、小出しにひっそり発表されたが、政府の意図的な情報隠しは一体どこまで続くのだろうか。

前代未聞のでたらめ独裁政権も、原発処分に手をつけない限りは、財界や大型メディアの批判を受けず、手厚く守られるということらしい。

福島県民の訴えでようやく検察が重い腰を上げたようだが、まだ立件できるか可否を判断する前段階であるという。これほどの大きな人災を引き起こしながら、誰も司直の手で裁かれないなどというようなことが、法治国家において許されてよいはずはない。

この災害の被害者は福島県民だけではない。長年騙され続け、少数の人間の既得権益のために大きなつけを回された原子力ムラに加担しない国民全体が、実に大きな被害を被ったのであるから。

http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20121003153317702


福島・双葉町の高線量 1年半後に発表のナゾ



北陸中日新聞 2012年10月3日朝刊

「余裕なく」県は釈明 京大・小出助教「国の圧力 否定しきれない」   
画像集団避難し、さいたまスーパーアリーナに入る福島県双葉町の住民ら=昨年3月19日、さいたま市中央区で
 毎時1.59ミリシーベルト−。昨年3月12日、東京電力福島第1原発1号機建屋の水素爆発直前、福島県双葉町で年間の許容被ばく線量をわずか1時間で突破する放射線量が観測されていた。この数値を同県が発表したのは、民主党代表選のあった先月21日。なぜ、発表までに1年半もかかったのか。 (林啓太)
毎時1.59ミリシーベルト 事故翌日観測
 「こんなに高い数値が出るとは思わなかった。本当かと思った」。福島県原子力センターの安江高秀所長が振り返る。
画像福島県飯舘村長泥地区にある放射線量のモニタリングポスト=今年2月
 昨年3月12日の午後2時から1時間に毎時1.59ミリシーベルトを観測したのは、双葉町上羽鳥に設置されていたモニタリングポスト。東日本大震災で通信回線が途絶したが、線量を記録したメモリーカードは昨年5月、原子力センターの職員が回収していた。
 ところが、メモリーカードは1年以上「放置」された。同センターでコンピューターを使った解析作業が本格的に始まったのは、今年7月。解析された数値が、データの公表などを担当する県災害対策本部に送られてきたのは「8月中旬−下旬ごろ」(災害対策本部担当者)だったという。
「現在進行形の情報把握優先」
 安江所長は作業が遅れた理由について「現在進行形の線量の情報を把握することを優先した」と説明する。福島原発周辺には23台のポストがあったが、いずれも震災で故障し、その復旧に労力を集中したという。
 メモリーカードを情報解析できる専門知識を持った職員は4人いるが、安江所長は「他の業務でも核になって働く人材たちで、事故前のデータの解析に回す余裕はなかった」と釈明する。
 法で定められた一般の人の被ばく線量限度は年間1ミリシーベルトで、毎時1.59ミリシーベルトの数値はこれをわずか1時間で突破する。1号機の爆発は午後3時36分で、直前には放射性物質が漏れ出していた証左とみられる。
 古川路明・名古屋大名誉教授(放射化学)は「当然、ただごとではない数値。付近にいた人は慎重に健康面の経過を観察していく必要がある。現場が忙しかったとはいえ、問題意識を持ってすぐに解析に取り掛かるべきだった」と話す。
 災害対策本部の遠藤光義主幹は「結果として公表が遅れて申し訳ない」と謝罪する。それにしても、1年半も解析の作業が遅れた理由は「現場の忙しさ」だけなのか。
 安江所長は「業務の優先順位は、災害対策本部と相談しながら決める」と語る。その災害対策本部の担当者は「データを公表する前に、(国が所管する)現地のオフサイトセンターに報告した。しかし、公表するか否かについて、国が指図することはない」と言う。
 しかし、古川名誉教授は「国には、あまり線量のことを大げさにしたくない雰囲気があった。今回の数値は人前に出すと大騒ぎになる数値。発表を遅らせる、という最悪の判断が働いたのではないか」といぶかる。
 京都大原子炉実験所の小出裕章助教も「放射線量の観測は人命を守るためにやっている。過去の観測結果はすぐに公開するのが筋で、福島県はあまりに無能だ。国が都合の悪い情報を隠そうと県に圧力をかけた可能性も否定しきれない」と語りつつ、そう疑う根拠をこう端的に言い切った。
 「福島原発事故後の東電や行政の対応を振り返れば、情報統制のオンパレードだった。本当にひどい国だと思う

http://www.asahi.com/national/update/1005/TKY201210040725.html

東電、会議の録画映像を検察に提出 原発事故めぐり

東京電力福島第一原発の事故をめぐり、東電が震災発生後の社内のやりとりを収めたテレビ会議の録画映像などの関係資料を、検察当局に任意で提出したことがわかった。検察当局は映像などの分析を踏まえて関係者の事情聴取を進め、東電幹部や政府関係者の業務上過失致死傷容疑などについて、今年度中にも立件の可否を判断する模様だ
 関係者によると、検察当局の要請に応じて東電が提出したのは、録画映像のほか、政府や国会の事故調査委員会に出した資料だという。録画には第一原発と東電本店の間のやりとりなどが記録されており、映像や音声の一部が加工処理されたものが報道機関にも公開されている。
 捜査の主体は東京、福島両地検で、他の地検などから応援検事を集めて態勢を強化している。告訴・告発したのは福島県内の住民などで、東電幹部や政府関係者が地震や津波の危険性が指摘されていたのに、安全対策を怠ったなどと訴えている。業務上過失致死傷のほか、震災発生直後に適切な応急措置を取らなかったとする原子炉等規制法違反などの容疑でも告訴・告発されており、震災後の対応も捜査の焦点となる。


2012年10月9日火曜日

再稼働へと猪突猛進!:新しい革袋に古いワインの規制庁


 全くもっておもしろい、規制庁といいながら、しょっぱなから原子力発電所の安全性を徹底的に追求し、危険である限りは徹底して規制していかなければならないという態度はさらさらなく、ひたすら再稼働に向かって猪突猛進、原子力の推進しか目にないようだ。何が規制庁か、保安院のままでよかったではないか。

保安院のままでは、あまりにイメージが悪すぎるから、組織を大きくして税金をさらにたくさん無駄につぎこんで、規制庁という看板に書き換えたに過ぎない。

一体この国は何をしているだろうか?

新しい革袋に古いワインを入れたところで、中身は所詮腐敗臭のする腐ったワインでしかない。

こうなることは、原子力ムラの副村長が、野田総理の独断で、委員長に任命されてしまい、利害相反もはなはだしい委員の顔ぶれと、あの頼もしい保安院の職員さんがほとんど規制庁に横滑りで滑り込むという、いつに変わらぬ人事構成を見たとたんから、すでにわかっていたことだがーー。

日本の原子力工学の技術では、とても原子力発電所を甚大な自然災害から守り、安全に運営する力量はないーーそのことは3.11以降の大惨事以降、国民は否応なしに知らされた。

フクイチの原子力災害の収束も、あの大きな人災の原因究明すらまともにできていない状況のもと、「新しい安全性の基準」などという言葉は、国民の耳には、ただ空疎に響くだけである。

産経は、政府が再稼働の最終判断をしないと枝野氏が発言したことで、再稼働へのハードルが高くなってしまったのではないかなどとしらじらしい報道をしているが、規制庁の田中氏ら推進派が旧保安院の官僚とともに、シロアリ集団に都合のよい安全基準を作って、どんどん再稼働に舵を切っていくことは目に見えている。

あの程度の被害に留まって大変ラッキーだったと言われているフクイチと同規模の災害が起きても、琵琶湖は年間100ミリシーベルト以上の外部被曝を引き起こす放射性物質が琵琶湖に降り注ぐという。この中には琵琶湖の水や魚を摂取することによって生じる内部被曝は含まれていない。

いったいどれだけの人間が琵琶湖の水源に依存して生きているのか、それがわかっていれば、電力会社や関連大企業や地元住民がなんと言おうと、危険極まりない福井原発を一刻も早く廃炉に導くのが、規制庁が率先してやらなければならない任務なのではないのか。

免震重要棟も、住民の逃げ道の確保すらできていない、金食い虫の大飯原発の再稼働など、全く論外である。


http://sankei.jp.msn.com/life/news/120926/trd12092615100009-n1.htm

琵琶湖で100ミリシーベルト超えも 敦賀原発事故時の放射性物質拡散予測
2012.9.26 15:10
 
日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)で東京電力福島第1原発事故と同規模の事故が起きた場合、地表に沈着すると年間100ミリシーベルト以上の外部被ばくを引き起こす放射性物質が滋賀県の琵琶湖に降り注ぐと、岐阜県が予測していることが26日、分かった。共同通信が情報公開請求により入手した岐阜県の放射性物質の拡散予測の資料で判明した。
 100ミリシーベルトは、国際原子力機関(IAEA)の基準で「数日から1週間程度の間に避難を求める」とする数値。岐阜県は外部被ばくについて、県内で影響が大きい場合を想定し、18パターンを試算。少なくとも5ケースで琵琶湖の北部や北東部に20ミリシーベルト以上の範囲がかかり、このうち2ケースで100ミリシーベルトを超えていた。20ミリシーベルトは国が福島原発事故の「計画的避難区域」の目安とした数値。岐阜県の調査では、20ミリシーベルト以上の地域は、福井から滋賀や岐阜を経て、愛知や三重にも及んでいた。


来春にも原発再稼働判断か 原子力規制委

2012.9.26 21:01
記者会見する原子力規制委員会の田中俊一委員長=26日、東京都港区
記者会見する原子力規制委員会の田中俊一委員長=26日、東京都港区
 原発の再稼働について、原子力規制委員会の
田中俊一委員長は26日、年度内にも再稼働を判断するための新たな安全基準の骨格をまとめることを明らかにした。骨格がまとまり次第、パブリックコメント(市民意見募集)を実施する。
 パブコメには少なくとも1、2カ月は必要といい、正式に新基準が策定されるのは来年夏になる見通し。ただし、
田中委員長は骨格の段階でも、すべての基準を満たしていれば(再稼働の安全性評価を)考えたい」とも述べ、早ければ来春にも、再稼働の是非を評価する可能性を示唆した。
 また、
これまで再稼働の判断基準としていたストレステスト(耐性検査)や暫定基準については「参考にはするが、それをもって再稼働の是非は判断しない」と改めて強調した。
 すでに再稼働している関西電力大飯原発(福井県)については、「政治的に社会的条件を判断して稼働させたものを、何の根拠もなく止めなさいというのは難しい」と述べた。
 
新たに建設される原発についても新基準で安全性を判断するという。

原発再稼働 政府逃げ腰 自治体との協議難航も

2012.10.5 21:24
枝野幸男経済産業相
枝野幸男経済産業相
 
政府が原発の再稼働をめぐる最終判断に関与しない方針を明確に示したことで、再稼働を待つ四国電力伊方原発や北海道電力泊原発などの再稼働へのハードルは高まりそうだ。政府が直接の関与を避ける「逃げ腰」の姿勢では、電力会社と立地自治体の協議が難航する可能性があるからだ。
 原発の安全性について、枝野幸男経済産業相はこれまで「内閣が関与すべきでないし、審査しない以上、地元の理解を得られるかは関知できない」と発言。だが、原子力規制委員会は「安全性の判断は再稼働の必要条件だが、十分条件かは別問題」として、再稼働の最終判断がどこになるのかが宙に浮いた格好だった。
 枝野経産相は5日の会見で「必要に応じて、立地自治体と関係者に説明をしたい」と述べ、電力の安定供給における原発の必要性についてのみ政府の説明責任となるとの考えを示した。
 ただ、電力会社と地元自治体の協議は、いわば電力会社側の自主的な判断による「紳士協定」で、法的措置ではない。電力会社からは「再稼働時は政府が直接、説明に来てほしいという首長もいる」(関係者)と懸念の声が漏れる。
 国の後ろ盾のないまま、「再稼働」の最終判断を迫られる立地自治体の負担も大きい。新潟県の泉田裕彦知事など、再稼働に否定的な自治体もある。
枝野経産相は「あくまでも責任が問われるのは事業者であり、国だ」と強調するが、電力の安定供給のため政府は責任を持って再稼働に向き合う必要がある。(会田聡)



2012年10月8日月曜日

東電会議の映像を任意で検察に提出:コピペ

今頃任意で提出?、もっと早く強制押収すべきだったのでは?

http://www.asahi.com/national/update/1005/TKY201210040725.html

東電、会議の録画映像を検察に提出 原発事故めぐり

東京電力福島第一原発の事故をめぐり、東電が震災発生後の社内のやりとりを収めたテレビ会議の録画映像などの関係資料を、検察当局に任意で提出したことがわかった。検察当局は映像などの分析を踏まえて関係者の事情聴取を進め、東電幹部や政府関係者の業務上過失致死傷容疑などについて、今年度中にも立件の可否を判断する模様だ
 関係者によると、検察当局の要請に応じて東電が提出したのは、録画映像のほか、政府や国会の事故調査委員会に出した資料だという。録画には第一原発と東電本店の間のやりとりなどが記録されており、映像や音声の一部が加工処理されたものが報道機関にも公開されている。
 捜査の主体は東京、福島両地検で、他の地検などから応援検事を集めて態勢を強化している。告訴・告発したのは福島県内の住民などで、東電幹部や政府関係者が地震や津波の危険性が指摘されていたのに、安全対策を怠ったなどと訴えている。業務上過失致死傷のほか、震災発生直後に適切な応急措置を取らなかったとする原子炉等規制法違反などの容疑でも告訴・告発されており、震災後の対応も捜査の焦点となる。


2012年10月7日日曜日

よわの寝覚め:400ブログを書いて

平和ボケで、まったりとつれづれなるままにブログでも綴ろうかと震災直前に開始したブログ、
誰かに読んでもらいたいという欲もなく、道端に咲く野の花のようにひっそりと、自身の備忘録をアップしてみようと始めたブログーーそれが「夜半の寝覚め」であるはずだった。

振り返ってみれば、随分のんびりと幸せな時を過ごしていたと思う。

しかし、3・11は、それまで夢見心地で生きていた薔薇っ子を完全に覚醒させた。

繰り返し、繰り返し大きな津波が根こそぎ大きな建物や、家や車を奪っていく画像を見て、あっけにとられている中に、福島原発の全電源喪失のニュースが耳に飛び込んできた。

日本の技術を持ってすれば、すぐに事なきを得るだろうと思っていたが、刻一刻と事態が深刻化している様子に、いったい専門家たちは、どうしてすぐに事態の収拾ができないのか、何をいつまでも、もたついているのだろうという疑問がどんどん頭をもたげてきた。

テレビにいろんな専門家が四六時中出てきて、難しい物理の専門用語の説明をするようになったが、事態は全く好転しない。ベントをする?説明はいいけれども、それって大量の放射性物質を外に放出することになるのでは?そもそも電力会社が全電源喪失って何をやってんだか!しかも復旧ができずに手をこまねいている?、素人集団じゃあるまいし、そんなバカなことがあっていいものだろうか。

ところが、そんな中、双葉町の特別老人養護施設は、うちはぎりぎり3キロ圏外だから、屋内待機をしていますなどと悠長なことを言っているが、そんなことで、本当にいいんだろうか。

政府もさすがに3キロ圏内ではまずいと思ったようで、その後避難の範囲をじわじわと広げていくものの、しっかりした専門的な指針に基づいた方針変更とは到底思えないようなお粗末な指示の出し方であった。

線量チェックをする役所や医療関係者が防御服で身を固めているのに対して、屋外退去を余儀なくされてバスに乗り込む避難民の多くは、帽子や手袋どころか、マスクすらしていない、ヨウ素剤さえ服用していない。立地自治体の住民たちは、原発災害発生時に、どんな対応をすれば、身を守れるのかという必要最小限の知識すら一切与えられていなかったことを知り、愕然とした。

原発で次々と水素爆破が発生しているにもかかわらず、メディアやテレビに登場する専門家は、福島の原発災害を矮小化することに必死であったが、「頭隠して尻隠さず」で、海外メディアは福島の災害が決して日本政府が主張するような軽微なものではないということを繰り返し、はっきりと伝えていた。

「直ちに健康被害はない」などという玉虫色の政府発表が繰り返される中、放射能汚染への懸念から、さまざまなブログやツィッターへの書き込みが盛んに行われはじめると、枝野氏がこれを弾圧するように激しい口調で発言を始めた。「デマや風評を流せば、逮捕も辞さない」というご主旨で、まさにその言葉をそっくりそのままご本人に返したいようなご発言であった。

日本の国でこんな言論統制があっていいのだろうか。全く戦時中と何も変わらないではないか。
祖父母の世代が経験してきた、本でしか読んだことのない、あの悪夢のような状況が、こんなにやすやすと再現するとはーー、まるで悪夢jを見ているような気持ちであった。

後ほど、国民の不安を煽らないために情報を隠したというような正当化がなされているが、国民の知る権利を奪い、自分たちの恣意で国民の生存権に関わるような重要な情報の隠蔽を図るような暴挙は決して許されてはならない行為である。

いったい誰が我々に真実を教えてくれるのか。紆余曲折を経て熊取6人組の存在を知り、小出裕章氏の発言をまとめたブログに行き着いた。

何十年も原発の危険性について勇気ある発言を繰り返していた人たちの存在を全く知らず、全国に52基もの原発が乱立しているという事実にも全く無頓着である自身を恥じた。クリーンエネルギーである原発に関して日本は世界トップレベルの技術を持っていると触れ込みを信じこんでいた己の愚かさを知り、薔薇っ子は一国民として、この局面において何を考え、何を思うか私自身の声を発信しなければならないと思うようになった。

とりわけ大型メディアが政府や官僚、電力会社や大企業に迎合して、真実や社会正義を追求することを辞めてしまっているだらしない状況に、目をつぶっていることはできないと思うようになった。

「日本人はみんなお上に従順で、権力者の言うなりになる大変御しやすい国民性である」といった誤った印象を海外の人々に与えたくないからである。日本人も考える時は考えるし、怒るときは怒る、ただ不幸にして、そうした民意を反映させることができるような政治の仕組みができておらず、大型メディアが政財界と癒着しているため、ジャーナリズムが死に体なだけであることを、世界に向けて発信する必要があるからである。

震災から1年半、400ブログを書いた。ブログを書いて政治の世界に踊り出ようなどといった下心もなければ、暇を持て余しているわけでもないので、われながらよくこんなに書いたものである。

この1年半の間に、朝日ニュースターも、たねまきジャーナルも多くの視聴者がいたにもかかわらず、圧力を受けて潰された。10月に入って原発の関するニュース・報道は激減し、しかもそれは復興、除染、処分場の問題という文脈でしか語られなくなっている。

専門家でもなければ、匿名の一市民にすぎない野の花のような薔薇っ子のブログに震災以来、世界各国から10000人近い人がアクセスして下さり、しかも日によっては海外からのアクセスがはるかに多いという状況にある。

このブログを書くにあたって、何度も引用をさせていただいた慶応大学の金子勝教授のツィッター、そして小出裕章氏の公式ブログ、講談社の現代ビジネスには心から謝意を表したい。





2012年10月3日水曜日

民主・自民・維新は大同小異, What makes the difference ?


 おもしろいことにメディア報道の対象になるのは、自民、民主、維新の3つの政治集団に関する話題ばかりであり、日本には、それ以外の政党はあたかもこの世には存在しない、あるいは存在してはならないものであるかのような取り扱いを受けている。

3つの政治集団の存在で、一見、3つの選択肢があるかのように見えるけれども、実際そこには、選択の余地など何もない。

どっちに転んでも、ご都合主義の、右傾化した、国民不在の「反省なき」政党政治を追求する、煮ても焼いても食えない連中によって牛耳られており、票集めのために不公平で見え透いたバラマキをしていても、所詮は、大企業にすり寄って、己の既得権益を拡大することと、弱肉強食の社会を実現することしか眼中にないことは、日を見るよりも明らかである。

恐ろしいのは、こうしたメディア操作によって、日本の政治には、3政党のうちのいずれかしか国民には選択肢がないかのような刷り込みが日々なされている点である。

以下、民主、自民、維新が、大同小異であることを示す事実を、金子勝氏のツィッターからひろって転載する。

各党の原発への対応を見れば、国民の安全の保障など全く論外という姿勢が鮮やかに浮かび上がってくる。以下大間原発の建設再開と、大阪エネルギー戦略会議の中止をめぐる記事を転載する。

金子勝氏のツィッターより


野田め政権が内閣改造。首相を筆頭に、未熟な政経塾”お友達”出身者がまた一人増えて5人。なんと国家戦略大臣が前原誠司氏と環境・原発担当が長浜博行氏の政経塾コンビで、ブレる枝野幸男氏が経産大臣に留任。脱原発もグリーン成長戦略も風前の灯火か。 


http://mainichi.jp/select/news/20121002k0000m040085000c.html

大間原発:Jパワー社長「原則40年動かしたい」

毎日新聞 2012年10月01日 21時44分(最終更新 10月01日 22時28分)
大間原発の建設再開を表明するJパワーの北村社長(中央)=青森県大間町役場で2012年10月1日、酒造唯撮影
大間原発の建設再開を表明するJパワーの北村社長(中央)=青森県大間町役場で2012年10月1日、酒造唯撮影

 大間原発の建設工事を再開したJパワー(電源開発)の北村雅良社長は1日の記者会見で、同原発の使用済み核燃料プールが運転開始から20年で満杯になることを明らかにした。使用済み核燃料の新たな保管先が確保できなければ2030年代にも運転を停止する可能性がある。
 政府は30年代の原発ゼロを目指す「革新的エネルギー・環境戦略」で原発の新増設は認めない方針だが、着工済み原発の建設継続は容認。戦略の「稼働期間40年」という原則を当てはめると、50年代以降まで運転が可能となり、30年代原発ゼロの目標との矛盾が指摘されていた。ただ、北村社長は「追加の貯蔵施設が必要になれば、(国に)許可申請する。原則40年間動かせるようベストを尽くしたい」とも述べた。使用済みMOX燃料は、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場では再処理できないため、同工場には搬出できない。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2012100102000112.html


偽りの原発稼働ゼロ方針

 野田佳彦政権が「原発稼働ゼロ」方針の閣議決定を見送った件は多くの読者が覚えているだろう。政府の方針がグラグラしているのはあきらかだ。
 ところが、もっと重大な問題がある。実は「ゼロ方針」自体が表向きにすぎず、実態は「原発依存度15%案」なのである。
 どういうことか。ゼロ方針を掲げた「革新的エネルギー・環境戦略」には別紙があり、そこに二〇三〇年の省エネ量や節電量、再生可能エネルギーの電力量の目標が記されている。
 それをみると、政府が六月末に公表した三〇年に原発依存度ゼロ、15%、20~25%という三つの選択肢のうち、ゼロ案ではなく、15%案のシナリオで想定した目標数字とぴったり合っているのだ。
 たとえば、省エネ量はゼロ案なら八千五百万klが必要になるが、15%案なら七千二百万klですむ。ゼロを目指すなら前者を採用しなければならないのに、なぜか達成が容易な後者の数字を目標にしている。
 同様に節電量や再生可能エネの電力量、さらに消費生活に密着する家庭用燃料電池や次世代自動車の新車販売台数も15%案で掲げた数字と同じである。
 これでは言葉でいくら「原発稼働ゼロ」を宣伝しても、実際にはゼロにならない。原発事故であれほど情報操作が批判されたのに、国民をあざむくような話である。政府に反省はないのか。 (長谷川幸洋)

ぐらつく方針政府「原発ゼロ」 原子力団体 存続へ強気

                                                          2012年9月30日

「2030年代に原発ゼロ」を柱とした政府の新エネルギー戦略を、原子力の関連団体がどう受け止めたのか本紙がアンケート調査したところ、政府のふらふらした対応に、組織存続への自信を深めている様子が浮かび上がった。(小沢伸介)
 本紙は、十四日に政府のエネルギー・環境会議が新戦略を決めたのを受け、二十団体に質問票を送り、十八団体から回答を得た。
 回答は十九日に新戦略の閣議決定が見送られた後に届き始め、三つの団体からは「原発ゼロ方針は政府決定ではないと認識しています」という趣旨の回答が寄せられた。原子力関連の広報事業などを手掛ける日本原子力文化振興財団は「仮定の質問にはお答えできません」と続けた。
 一方、新戦略に「昨年の原発事故の経験と教訓を世界と共有することにより、世界の原子力安全の向上に貢献していくことはわが国の責務」と国際協力の重要性がうたわれたことを受け、海外関連の団体は生き残りに自信を深めた様子だ。
 海外の政府、機関との情報窓口となる原子力国際協力センターの回答は「日本の技術に対する海外からの信頼と期待は、福島事故を踏まえても大きなものがある」と強調。「国内、国際機関ともよく協調して活動を進めていく必要がある」と回答した。
 もっと余裕の雰囲気なのは、放射性廃棄物の処理などに関連する団体だ。超長期の安全管理が求められるだけに、放射性廃棄物がある限りは、自らの組織も必要-との理屈だ。使用済み核燃料の再利用を目指す核燃料サイクル政策が、多大の問題を抱えるのに当面は現状維持とされたことも大きい。
 再処理と最終処分のため電力会社などが積み立てた三兆円を管理する原子力環境整備促進・資金管理センターは、各原発にたまる使用済み核燃料の深刻さがクローズアップされてきたことを逆手に取って「処理処分については、従来以上にその必要性が増してきた」と強調。「核燃サイクル維持方針が示され、大きな影響はない」と回答した。

橋下市長は「脱原発」を捨てたのか!?


エネルギー戦略会議,脱原発
9月17日、大阪市内で委員たちが自主的に開いた「エネルギー戦略会議」
橋下徹・大阪市長のエネルギー問題のブレーンが集結、大飯原発再稼働に反対するなど原発推進の政府に対抗するシンクタンクとして機能してきた「大阪府市エネルギー戦略会議」が突然、休止に追い込まれた。大阪府から「違法の疑いがある」として、「9月17日の会議を中止する」といきなり通告されたのだという。

 戦略会議は、今年2月27日から9月4日まで20回開催。政府よりはるかに厳しい「原発稼働八条件」を突き付けたり、「再稼働なしで夏をしのぐ電力需給計画策定」に取り組み、最近は脱原発を実現するための移行方法など中長期のエネルギー戦略の議論を開始、11月に取りまとめを出そうとしていた。

 委員の一人である「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長はこう訴える。

「政府は、遅くとも泊原発が止まって全原発停止となる5月5日までに大飯原発再稼働をするつもりでした。エネルギー戦略会議が注目されることで、原発再稼働の安全性の根拠も電力需給不足の根拠もいい加減であることを世に知らしめた。松井知事と橋下市長に提言を出すだけではなく、日本全体のエネルギー政策を動かしているという自負を委員全員が持っていました」

 そんな戦略会議がなぜ休止に至ったのか? 事務局の大阪府環境農林水産部は、こう説明する。

「今年春、府人事課が庁内の会議の調査を行い、『条例に基づかない会議が行政の付属機関に該当する場合、住民訴訟で敗訴の恐れがあるので条例で定めよう』ということになりました。戦略会議も付属機関と見なされる恐れがあると判断。議会で設置条例が成立する11月頃まで休止することにしました」

 だが、「我々には一言も相談がなかった」「今が重要な時期で休止は大阪だけでなく、日本全体の損失」と考えた委員たちは9月17日、大阪市内で自主的に会議を開いた。無報酬で交通費も自腹、会場費は参加者から集めた500円を当てた。そして手弁当で駆け付けた委員からは休止への怒りが噴出。

 元経産官僚の古賀茂明氏はこう訴えた。

「矛盾だらけの脱原発政策を出す政府に対し、戦略会議が異論を唱えるのは非常に重要。違法の恐れの話は5月に出ていたが、大阪市は『付属機関ではない』と判断して活動を継続していたのに、急に大阪府が中止の通告をしてきた。仮に訴えられても『違法ではない』と主張、勝訴すればいいだけの話です

 同じく委員の河合弘之弁護士も「我々の意見に反感を持つ勢力が『止める方法はないか』と仕掛けてきたのだろう」と語った。

「休止は素人の法解釈です。地方自治体の会議全てが条例の議決が必要な付属機関ではなく、判例を見ると、具体的な業務執行をする場合に限っている。例えば、ゴミ処理場を建設する業者や民間委託業者の選定を任す委員会は付属機関と見なされた。しかし我々の戦略会議は、日本のエネルギー戦略について議論していただけで、知事や市長の具体的な業務執行を補助する付属機関ではない」

 
不可解なのは、同じ弁護士である橋下市長の言動だ。「大いに疑問なところはある」と言いつつ行政である以上、『法律を守らない』とは言えない。だから議会で環境整備(条例成立)をする」と休止を受け入れたのだ。

橋下徹
橋下市長は、自らつくりあげてきた大阪府市「脱原発」の流れを止めようとしている?
 かつて長野県で環境保全研究所所長を務めた東京都市大学名誉教授の青山貞一氏は、こう話す。

「具体的な権限や権益と関係がない会議体は議会で議決を経ずに、行政の要綱で設置しても問題はありません。実際、私たちも田中康夫知事(当時)の依頼で条例案について要綱設置の会議で何回も検討をしましたが、県議会からの文句はゼロでした。ただ報酬は議会の議決が必要な予算の一部のため、知事と対立していた県議会に否決されました。そのかわり、勤務時間当たりの賃金(アルバイト代)が県から支払われ、会議が休止することはありませんでした」

 9月9日の「日本維新の会」の公開討論会で「2030年までの原発ゼロを達成する具体策を専門家に検証していただいている」と明言した橋下市長。しかしその直後、脱原発の実現方法を議論していた戦略会議が休止となった。しかも会見では「11月に取りまとめるという予定は変わらないのか」との質問に対し、「基本的には戦略会議で決めてもらう」とトーンダウン。他人任せの官僚答弁に終始した。

 橋下市長は、訴訟リスクの“幻影”に怖気づいたのか。それとも、「脱原発への熱意」自体を失ってしまったのだろうか……? <取材・文/横田一>


2012年9月29日土曜日

枯らせるな、たねまきの芽を!


 3.11直後より、大本営発表の嵐の中、小出氏を起用し、原発災害の事実を真摯に報道し続けてきた、たねまきジャーナルがとうとう昨日で、番組を終了した。たねまきジャーナルを絶やさないために作られた「すきすきたねまきの会」によれば、某放送局との間で、たねまきジャーナルの後続番組を始められないかという交渉が進んでいるという。

できれば、次はローカルな放送局ではなく、日本全国どこからでも視聴が可能な放送局であることを望みたい。小出氏の話を聴き続けたいという視聴者は、原発・エネルギー問題だけではなく、税金問題、年金、福祉に関する問題、官僚の天下りに関する問題、領土問題、基地問題、TPPなど政府や大企業の顔色ばかり見て作られる視聴者無視の一方的な報道に、いい加減嫌気がさしている視聴者は、全国津々浦々に数多くいるはずなのだから。

孫正義あたりが中心となり、原発ムラとは縁のない市民がスポンサーとなり、良質な報道をしているかどうか、しっかりモニタリング機能が働くような、市民の市民による市民のためのメディアが全国規模で生まれることを心から願いたい。

以下たねまきジャーナル終了に関連した記事を転載する。



小出裕章の情報を拡散する会 【FB】

@koide_info



2012年9月28日「すきすきたねまきの会」が某放送局とたね蒔きジャーナルの後継番組を始められないか交渉中と公表。小出裕章氏も出演予定。   
2012年9月28日 - 16:40 ·


http://www.tanemakifan.net/%E5%A3%B0%E6%98%8E%E6%96%87/

■ 声 明

 本日、MBSより201210月の番組改編の発表が行われ、「たね蒔きジャーナル」は改編された番組表から姿を消すことが明らかとなりました。

 私たちは、「たね蒔きジャーナル」存続のために、①番組に対する無料ボランティア出演への賛同と②市民スポンサーとしての寄付金を呼びかけてきた者として、今回の発表を受け、私たちの意見を以下のように表明させていただきます。

●「たね蒔きジャーナル」という名前の番組が姿を消したことについて、深い遺憾の意を表明します。率直に言って、日本のラジオのために、また日本のジャーナリズムのために、残念なことだと思います。

●同時に、私たちの呼びかけに応えて、無料ボランティア出演に応じてくれた賛同人の方々、貴重な寄付金を寄せてくださった方々に、私たちの力不足をお詫びします。みなさんのお気持ちをMBSに届け、理解してもらうべく、私たちなりの努力をしてきましたが、結果が伴いませんでした。

MBSは、今回の番組改編について「たね蒔きジャーナル」の発展的解消である旨を述べられています。もとより私たちは「精神は失われるに決まっている」「発展的解消ではない」と否定するものではありません。その可能性はあるだろうと認めます。他方、それは可能性でしかないとも考えています。改編された番組の推移を期待を持って見守りつつも、「たね蒔きジャーナル」という番組が存続しなかったという事実をまずは確認し、重く受け止めます。

●たね蒔きジャーナル」というラジオ番組は、視聴者の熱烈な支持を獲得してきました。私たちの呼びかけに対し、賛同人には73名の方々が応じていただき、寄付金は10,034,500円が集まりました(9月19日現在)。別に行われたネット署名にも5,000人近い方々が応じられていました。視聴者の目線に立った放送が広く共感を呼んでいたことから、私たちはMBSにもその展望に立った判断を期待してきました。それは、平常時・災害時にかかわらず、より多くの人々に多面的な情報を提供することが重要と考えるからです。万が一、その私たちの思いが、特定の企業・団体による「外部圧力」と同類のものとMBSに受け取られてしまっていたのだとしたら、この上なく残念なことです。視聴者との建設的な関係の構築について、より成熟した議論が今後の課題として残されたことになります。

●私たちは今後、①「たね蒔きジャーナル」存続がかなわなかった場合に返金を希望されていた寄付者の方への返金手続きに入るとともに、②返金を希望されなかった方たちの寄付金についての使途に関する協議に入ります。9月中には賛同人、寄付者の方たちにお知らせするとともに、ホームページ上でも発表します。

●この間、ご協力いただいたすべてのみなさんに、深く感謝を申し上げます。ありがとうございました。

●末尾になりましたが、「たね蒔きジャーナル」の最終回となる928(金)2122時、最後の放送を聴くため、各自がラジオを持ってMBS前に集まることを、私たちの最後の呼びかけとします。

2012919

呼びかけ人一同
小出 裕章(京都大学原子炉実験所助教)
飯田 哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
原口 一博(衆議院議員)
鎌田  實(諏訪中央病院名誉院長)
石丸 次郎(ジャーナリスト/アジアプレス)
村井 雅清(被災地NGO恊働センター)
石井  彰(放送作家)
原  一男(映画監督/大阪芸術大学教授)
西谷 文和(ジャーナリスト)
おしどり (漫才師)
今西 憲之(ジャーナリスト)
山本 太郎(俳優)

■小出裕章さんからのメッセージ

 「たね蒔きジャーナル」では、昨年3月14日以降、大変お世話になりました。

 国、電力会社などが一体となった原子力の大本営発表のもと、少しでも事実に近い情報を流し続けてくださり、ありがたく思いました。

 そして、私がありがたく思うだけでなく、「坂田記念ジャーナリズム賞」を受賞したことで、業界内部でも評価されました。

 さらに、毎日放送が聞けるエリアだけでなく、世界の多数の視聴者から、これだけ愛された番組もなかったはずと思います。

 それを潰すのであれば、しっかりした説明をしてくれるよう毎日放送にお願いしてきましたが、残念ながら私が納得できる説明は得られませんでした。

 ジャーナリズム、報道の本来の仕事を守ってきた「たね蒔きジャーナル」が潰されたことを心から残念に思います。
2012年9月19日 小出 裕章


■声明発表時の中継アーカイブ



最後の呼びかけ】9月28日(金)「たね蒔きジャーナル」最後の放送となります。放送開始に合わせて(21時予定。ナイター延長の場合、遅くなる可能性あります)、MBS前にラジオを持って集まりましょう。番組を終えた水野晶子アナウンサーほかたね蒔きスタッフに、花束贈呈します。
2011.9.28 22:40 update
賛同呼びかけに応えてくださったみなさま
寄付をいだだいたみなさま
そして、「たね蒔きジャーナル」存続問題に関心を寄せてくださった
すべてのみなさまへ
本日928日、「たね蒔きジャーナル」は最終回を迎え、終了しました。
私たちは、MBS本社前で最終回の放送を聴き、水野晶子アナウンサーをはじめとする「たね蒔き」スタッフに、今までの感謝の意を込めて花束を贈呈してきました。MBS前に集まれなかったみなさんの気持ちもお届けしてきたつもりです。短期間でしたが、これまで本当にありがとうございました。

■ 当日の模様(写真)

■ 当日の模様(動画)


打ち切りについての私たちの見解は、MBSが打ち切りを正式発表した919日にすでに「声明」として明らかにしていますので、ここでは繰り返しません。
以下、これからのことについて、書かせていただきます。
1)
「たね蒔きジャーナル」が存続できなかった場合に返金を希望されていた方たちには、おおむね返金手続きを終了しました(一部、口座番号が不明の方が残っており、問い合わせ中です)。
2)
その上で、私たちは返金希望でない方たちのご寄付をどうしたら生かすことができるのか、模索してきました。
 現在、ある放送局と「たね蒔きジャーナル」の後継番組を始められないか、交渉中です。週一回の一時間番組で、今回の呼びかけ人の一部がホスト役を務める予定で話を進めています。
たとえばMBSに当分出演しない旨を表明している小出裕章も、この番組には毎週出演し、原発問題をめぐる解説や意見表明を行う予定です。当面、半年間の放送を予定しています。
 私たちは、この番組枠の買取費用および制作経費として、いただいたご寄付を活用したいと考えています。
 ただ、919日の打ち切り発表からまだ10日足らずの短期間でもあり、その放送局との話し合いが決着していません。
3)
そこで、みなさんにお願いです。816日の呼びかけ文で、私たちは「9月中に判断して、ご報告します」とお伝えしていました。その期限を1ヶ月延ばしていただきたいのです。10月末日までには以下のことをお伝えします。
①返金手続きが完了した後の正式な残金額
②残った寄付金の使い道と後継番組が可能となった場合の放送局名、番組名、開始時期、
ホスト等、具体的内容
③上記にかかる費用
④その他、お伝えすべきこと
4)
上記にともない、事務局である「すきすきたねまきの会」も、その発表までは継続します。お問合せ等のある方は、お電話または問い合わせフォームにてご連絡いただければと思います。
 以上、みなさんのご理解とご協力をお願いいたします。

2012
928日 呼びかけ人一同

■呼びかけ人

  小出 裕章(京都大学原子炉実験所助教)
  飯田 哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
  原口 一博(衆議院議員)
  鎌田  實(諏訪中央病院名誉院長)
  石丸 次郎(ジャーナリスト/アジアプレス)
  村井 雅清(被災地NGO恊働センター)
  石井  彰(放送作家)
  原  一男(映画監督/大阪芸術大学教授)
  西谷 文和(ジャーナリスト)
  おしどり (漫才師)
  今西 憲之(ジャーナリスト)
  山本 太郎(俳優)
(順不同)