2012年10月3日水曜日

民主・自民・維新は大同小異, What makes the difference ?


 おもしろいことにメディア報道の対象になるのは、自民、民主、維新の3つの政治集団に関する話題ばかりであり、日本には、それ以外の政党はあたかもこの世には存在しない、あるいは存在してはならないものであるかのような取り扱いを受けている。

3つの政治集団の存在で、一見、3つの選択肢があるかのように見えるけれども、実際そこには、選択の余地など何もない。

どっちに転んでも、ご都合主義の、右傾化した、国民不在の「反省なき」政党政治を追求する、煮ても焼いても食えない連中によって牛耳られており、票集めのために不公平で見え透いたバラマキをしていても、所詮は、大企業にすり寄って、己の既得権益を拡大することと、弱肉強食の社会を実現することしか眼中にないことは、日を見るよりも明らかである。

恐ろしいのは、こうしたメディア操作によって、日本の政治には、3政党のうちのいずれかしか国民には選択肢がないかのような刷り込みが日々なされている点である。

以下、民主、自民、維新が、大同小異であることを示す事実を、金子勝氏のツィッターからひろって転載する。

各党の原発への対応を見れば、国民の安全の保障など全く論外という姿勢が鮮やかに浮かび上がってくる。以下大間原発の建設再開と、大阪エネルギー戦略会議の中止をめぐる記事を転載する。

金子勝氏のツィッターより


野田め政権が内閣改造。首相を筆頭に、未熟な政経塾”お友達”出身者がまた一人増えて5人。なんと国家戦略大臣が前原誠司氏と環境・原発担当が長浜博行氏の政経塾コンビで、ブレる枝野幸男氏が経産大臣に留任。脱原発もグリーン成長戦略も風前の灯火か。 


http://mainichi.jp/select/news/20121002k0000m040085000c.html

大間原発:Jパワー社長「原則40年動かしたい」

毎日新聞 2012年10月01日 21時44分(最終更新 10月01日 22時28分)
大間原発の建設再開を表明するJパワーの北村社長(中央)=青森県大間町役場で2012年10月1日、酒造唯撮影
大間原発の建設再開を表明するJパワーの北村社長(中央)=青森県大間町役場で2012年10月1日、酒造唯撮影

 大間原発の建設工事を再開したJパワー(電源開発)の北村雅良社長は1日の記者会見で、同原発の使用済み核燃料プールが運転開始から20年で満杯になることを明らかにした。使用済み核燃料の新たな保管先が確保できなければ2030年代にも運転を停止する可能性がある。
 政府は30年代の原発ゼロを目指す「革新的エネルギー・環境戦略」で原発の新増設は認めない方針だが、着工済み原発の建設継続は容認。戦略の「稼働期間40年」という原則を当てはめると、50年代以降まで運転が可能となり、30年代原発ゼロの目標との矛盾が指摘されていた。ただ、北村社長は「追加の貯蔵施設が必要になれば、(国に)許可申請する。原則40年間動かせるようベストを尽くしたい」とも述べた。使用済みMOX燃料は、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場では再処理できないため、同工場には搬出できない。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2012100102000112.html


偽りの原発稼働ゼロ方針

 野田佳彦政権が「原発稼働ゼロ」方針の閣議決定を見送った件は多くの読者が覚えているだろう。政府の方針がグラグラしているのはあきらかだ。
 ところが、もっと重大な問題がある。実は「ゼロ方針」自体が表向きにすぎず、実態は「原発依存度15%案」なのである。
 どういうことか。ゼロ方針を掲げた「革新的エネルギー・環境戦略」には別紙があり、そこに二〇三〇年の省エネ量や節電量、再生可能エネルギーの電力量の目標が記されている。
 それをみると、政府が六月末に公表した三〇年に原発依存度ゼロ、15%、20~25%という三つの選択肢のうち、ゼロ案ではなく、15%案のシナリオで想定した目標数字とぴったり合っているのだ。
 たとえば、省エネ量はゼロ案なら八千五百万klが必要になるが、15%案なら七千二百万klですむ。ゼロを目指すなら前者を採用しなければならないのに、なぜか達成が容易な後者の数字を目標にしている。
 同様に節電量や再生可能エネの電力量、さらに消費生活に密着する家庭用燃料電池や次世代自動車の新車販売台数も15%案で掲げた数字と同じである。
 これでは言葉でいくら「原発稼働ゼロ」を宣伝しても、実際にはゼロにならない。原発事故であれほど情報操作が批判されたのに、国民をあざむくような話である。政府に反省はないのか。 (長谷川幸洋)

ぐらつく方針政府「原発ゼロ」 原子力団体 存続へ強気

                                                          2012年9月30日

「2030年代に原発ゼロ」を柱とした政府の新エネルギー戦略を、原子力の関連団体がどう受け止めたのか本紙がアンケート調査したところ、政府のふらふらした対応に、組織存続への自信を深めている様子が浮かび上がった。(小沢伸介)
 本紙は、十四日に政府のエネルギー・環境会議が新戦略を決めたのを受け、二十団体に質問票を送り、十八団体から回答を得た。
 回答は十九日に新戦略の閣議決定が見送られた後に届き始め、三つの団体からは「原発ゼロ方針は政府決定ではないと認識しています」という趣旨の回答が寄せられた。原子力関連の広報事業などを手掛ける日本原子力文化振興財団は「仮定の質問にはお答えできません」と続けた。
 一方、新戦略に「昨年の原発事故の経験と教訓を世界と共有することにより、世界の原子力安全の向上に貢献していくことはわが国の責務」と国際協力の重要性がうたわれたことを受け、海外関連の団体は生き残りに自信を深めた様子だ。
 海外の政府、機関との情報窓口となる原子力国際協力センターの回答は「日本の技術に対する海外からの信頼と期待は、福島事故を踏まえても大きなものがある」と強調。「国内、国際機関ともよく協調して活動を進めていく必要がある」と回答した。
 もっと余裕の雰囲気なのは、放射性廃棄物の処理などに関連する団体だ。超長期の安全管理が求められるだけに、放射性廃棄物がある限りは、自らの組織も必要-との理屈だ。使用済み核燃料の再利用を目指す核燃料サイクル政策が、多大の問題を抱えるのに当面は現状維持とされたことも大きい。
 再処理と最終処分のため電力会社などが積み立てた三兆円を管理する原子力環境整備促進・資金管理センターは、各原発にたまる使用済み核燃料の深刻さがクローズアップされてきたことを逆手に取って「処理処分については、従来以上にその必要性が増してきた」と強調。「核燃サイクル維持方針が示され、大きな影響はない」と回答した。

橋下市長は「脱原発」を捨てたのか!?


エネルギー戦略会議,脱原発
9月17日、大阪市内で委員たちが自主的に開いた「エネルギー戦略会議」
橋下徹・大阪市長のエネルギー問題のブレーンが集結、大飯原発再稼働に反対するなど原発推進の政府に対抗するシンクタンクとして機能してきた「大阪府市エネルギー戦略会議」が突然、休止に追い込まれた。大阪府から「違法の疑いがある」として、「9月17日の会議を中止する」といきなり通告されたのだという。

 戦略会議は、今年2月27日から9月4日まで20回開催。政府よりはるかに厳しい「原発稼働八条件」を突き付けたり、「再稼働なしで夏をしのぐ電力需給計画策定」に取り組み、最近は脱原発を実現するための移行方法など中長期のエネルギー戦略の議論を開始、11月に取りまとめを出そうとしていた。

 委員の一人である「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長はこう訴える。

「政府は、遅くとも泊原発が止まって全原発停止となる5月5日までに大飯原発再稼働をするつもりでした。エネルギー戦略会議が注目されることで、原発再稼働の安全性の根拠も電力需給不足の根拠もいい加減であることを世に知らしめた。松井知事と橋下市長に提言を出すだけではなく、日本全体のエネルギー政策を動かしているという自負を委員全員が持っていました」

 そんな戦略会議がなぜ休止に至ったのか? 事務局の大阪府環境農林水産部は、こう説明する。

「今年春、府人事課が庁内の会議の調査を行い、『条例に基づかない会議が行政の付属機関に該当する場合、住民訴訟で敗訴の恐れがあるので条例で定めよう』ということになりました。戦略会議も付属機関と見なされる恐れがあると判断。議会で設置条例が成立する11月頃まで休止することにしました」

 だが、「我々には一言も相談がなかった」「今が重要な時期で休止は大阪だけでなく、日本全体の損失」と考えた委員たちは9月17日、大阪市内で自主的に会議を開いた。無報酬で交通費も自腹、会場費は参加者から集めた500円を当てた。そして手弁当で駆け付けた委員からは休止への怒りが噴出。

 元経産官僚の古賀茂明氏はこう訴えた。

「矛盾だらけの脱原発政策を出す政府に対し、戦略会議が異論を唱えるのは非常に重要。違法の恐れの話は5月に出ていたが、大阪市は『付属機関ではない』と判断して活動を継続していたのに、急に大阪府が中止の通告をしてきた。仮に訴えられても『違法ではない』と主張、勝訴すればいいだけの話です

 同じく委員の河合弘之弁護士も「我々の意見に反感を持つ勢力が『止める方法はないか』と仕掛けてきたのだろう」と語った。

「休止は素人の法解釈です。地方自治体の会議全てが条例の議決が必要な付属機関ではなく、判例を見ると、具体的な業務執行をする場合に限っている。例えば、ゴミ処理場を建設する業者や民間委託業者の選定を任す委員会は付属機関と見なされた。しかし我々の戦略会議は、日本のエネルギー戦略について議論していただけで、知事や市長の具体的な業務執行を補助する付属機関ではない」

 
不可解なのは、同じ弁護士である橋下市長の言動だ。「大いに疑問なところはある」と言いつつ行政である以上、『法律を守らない』とは言えない。だから議会で環境整備(条例成立)をする」と休止を受け入れたのだ。

橋下徹
橋下市長は、自らつくりあげてきた大阪府市「脱原発」の流れを止めようとしている?
 かつて長野県で環境保全研究所所長を務めた東京都市大学名誉教授の青山貞一氏は、こう話す。

「具体的な権限や権益と関係がない会議体は議会で議決を経ずに、行政の要綱で設置しても問題はありません。実際、私たちも田中康夫知事(当時)の依頼で条例案について要綱設置の会議で何回も検討をしましたが、県議会からの文句はゼロでした。ただ報酬は議会の議決が必要な予算の一部のため、知事と対立していた県議会に否決されました。そのかわり、勤務時間当たりの賃金(アルバイト代)が県から支払われ、会議が休止することはありませんでした」

 9月9日の「日本維新の会」の公開討論会で「2030年までの原発ゼロを達成する具体策を専門家に検証していただいている」と明言した橋下市長。しかしその直後、脱原発の実現方法を議論していた戦略会議が休止となった。しかも会見では「11月に取りまとめるという予定は変わらないのか」との質問に対し、「基本的には戦略会議で決めてもらう」とトーンダウン。他人任せの官僚答弁に終始した。

 橋下市長は、訴訟リスクの“幻影”に怖気づいたのか。それとも、「脱原発への熱意」自体を失ってしまったのだろうか……? <取材・文/横田一>


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