2012年8月6日月曜日

不透明な討論型世論調査と意見聴取会とパブリックオピニオン募集:「国民の意見」を、誰がどうまとめて結論を出すの?

 2030年の電源構成の選択肢を決めるための討論型世論調査(DP)が4日から始まった。電話によって6849人を無作為抽出したというが、その調査は一体何曜日の何時頃に実施されたのだろうか。また、そのなかから希望者286名がDPに参加したというが、この時期に3日間も他府県にでかけて議論などしていられるような(議論ができるような立場にある)参加者とは一体どういう人々なのだろうか。そのような人々が、果たして国民の意見を代表する人たちであるのかどうかということもよく考えてみるべきではないのか。

それにDPでは討論の前に事前に資料が配布されているというが、それは誰が作成した、どんな資料で、グループの意見をまとめる人間はどのように選出され、彼・彼女は一体何を基準にグループの意見をまとめるのか、参加者の質問に回答する専門家4名というのは、一体誰によって、どのような選定基準で選ばれた、どのような人物なのだろうか。これまでの公聴会や秘密会議の手法などから判断すれば、哀しいかな、また国民の目を欺くような姑息な手段で、やらせの人選、意見誘導がなされているのではないかといった、下衆の勘ぐりをせざるをえない。

参加者や専門家を選定するまでの手続き、参加者に事前配布された資料の中身や資料作成者の氏名が事前に公表され、全体会議や議論のすべてが、きちんと国民の目がとどくような場で、公正に行われない限り(公共放送機関が、のど自慢やオリンピックのくどい再放送などを中止して、中継放送をすれば済むことである)、このたった200数十人程度の人間の意見が、どう変わったかその変化をどのような観点からどう分析し、そこからどんな結論を導くのか、誰の目にも納得いくようにしっかりと説明をしない限り、DPも所詮は、パブリックオピニオンの募集や聴取会同様、わずかな人間が意見を述べ立てる場を設けたという既成事実を作るための体のいい通過儀礼なのではないかと言われても、反論の余地はない。

そもそも、一体なぜ2030年なのか?討論テーマ、3つの選択肢そのものがナンセンスである。
政府、官僚は2030年の電源構成の選択肢というが、2030年にしなければならない根拠が全く定かではない。地震のないドイツでさえ、2022年ですべてほ原発を停止すると宣言しているのである。原発災害を引き起こし、世界を騒がせた日本は、意見聴取会に出席した福島県民が主張するように即刻原発を廃止すべき立場なのではないのか。

この先少なくとも18年間、日本が激震に揺さぶられることも、沿岸地域が巨大津波に襲われることも、あるいは別の人為的なミスで深刻な原発災害が引き起こされることは絶対にないという、100%確実な御神託でもあるのならば、いざしらずーーー。しかし、「運転停止中だから安全」としきりに言われていた4号機ですら、あの惨状なのだから、原発は、ただ再起動せず止まってさえいれば、電源を喪失しようがなにがあろうが、安全だなどという神話はとっくに瓦解している。

とすれば、悠長に構えて、18年も先のことについて議論をしているような場合だろうか。

次の大惨事が起るまでに一刻一秒を争って、代替エネルギーの開発や、電力会社の自由化に、放射性廃棄物の処分について、政財官が一丸となって死力を投入すべき時期にあるのではないのか?

パブリック・オピニオンの募集についても、大型メディアはほとんど全くといっていいほど、国民に対してしっかりとした広報活動を行なってはいない。消費税問題も、原発問題も今はすべて、オリンピック報道にかき消されてしまっている。20も、30も金メダルをとって浮かれているスポーツ大国ならば、あるいは原発災害も、原発のために家を追われた避難民もない広い平和な国ならば、まだしも、今の日本は国民がオリンピックに浮き足立っていてよいような状況だろうか。

政府がパブリック・オピニオンを求めていることすら、オリンピック報道にかき消されて、国民には十分に周知されているとは言いがたい。パブリック・オピニオンの締切り日を8月13日にしたのは、オリンピックの閉会式が12日であり、オリンピックに乗じて目眩ましを図ろうというような意図があまりにも見え透いていると思うのは薔薇っ子だけだろうか。

「国民に意見を求めたが、わずか数万人しか意見を述べる人がいなかった。多くの日本国民は野田政権に絶対的信頼をおいていて、特に自身の意見など持たない烏合の衆ばかりだから、政府が15%程度の原発の存続を、国民に代わって決めてやらなければ仕方ないんじゃないか」などと言った幕引きになるのでは? 


脱原発 民意明確に 67%「ゼロ」選択

2012年8月5日 07時09分

 将来の原発比率をどうするか、政府が国民から意見を聴く会が四日、高松市と福岡市で開かれ、すべての日程が終わった。全国十一会場で参加者が突きつけた声は、70%近くまでが原発ゼロだった。細野豪志原発事故担当相が「最も重要な聴取会」と述べた福島市の会場では「すべての原発の即廃炉」が圧倒的だった。東京電力福島第一原発の事故を受けて明確に示された「脱原発依存」の民意。政府はその声をしっかり受け止め、政策に反映させていくことが求められる。

 聴取会は七月十四日にさいたま市でスタートし、仙台、名古屋、富山など十一都市で開かれた。運営をめぐっては、原発比率の選択肢が0%、15%、20~25%の三つしかない点や、政府が15%を落としどころにしたがっている意図が見え隠れする点をはじめ、さまざまな問題点が浮かび上がった。

 0%の選択肢について発言を希望した人の割合は67・9%に達した。三つの選択肢以外の発言を求めた人も、会場での声を聴くと「二〇三〇年に0%では遅すぎる」など、もっと切実な0%論を展開する人が多かった。

 15%を選んだ人の中には、本当は0%を選択したいが「当面は代替エネルギーの確保が難しいだろうから」とする消極的な15%論が多かった。

 選択肢ごとの発言枠を設けなかった福島市の聴取会では、発言した三十人のほぼすべてが0%を主張し、そのほとんどが即廃炉を求める内容だった。

 政府は聴取会のほか、インターネットやファクスなどで意見を募るパブリックコメントを、今月十二日まで実施中。集計はまだされていないが、事務局によると、既に三万件超が寄せられ「0%が多い」という。

 問題なのは、こうして示された民意を、政府が今後のエネルギー政策にどう反映させるかだ。政府は今月中にも新たな方針を打ち出す予定だが、「九月の民主党代表選で争点にしたくないだけ」と見透かす発言も、聴取会では多かった。使用済み核燃料や放射性廃棄物の最終処分が白紙状態であることを懸念する声も目立った。

 「国民的議論」をすると言いながら、政党の都合で民意を無視し、十分な検討もせず、重要なエネルギー施策を決めるとしたら、国民の強い批判を招くことになるだろう。

(東京新聞)





金子勝氏ツイッターより

8月4日の福岡、高松でエネルギー選択肢に関する意見聴取会が終わったが、7割が「0%」シナリオでした。それでも発言機会が制限されているのが、今の国民世論を無視する日本の状況を反映しています。パブコメでも電力・原子力ムラに負けてはいけません。
2012年8月4日 - 14:02 webから

猛暑ですが、7月から電力使用率90%を超えた日はわずか2日間。火力発電を止め、中部電力その他から電力を買っている。大飯再稼働をする時はこんな電力構成ではなかった。節電効果だけでなく自家発電も含めて、インチキはきちんと検証すべきです。
2012年8月4日 - 15:03 webから

原子力ムラは既成事実化を狙っています。政府のエネルギー政策決定を待って、電源開発は大間原発工事を再開するという。政府は一体、意見聴取会をどう反映するつもりなのか。このまま原発再開に突っ込む大間町長はまぐろ漁を守るつもりはあるのでしょうか。
2012年8月4日 - 14:50 webから








新型世論調査、2日目の討論開始 意見の変化を探る

(08/05 11:01、08/05 12:18 更新)

新たなエネルギー・環境政策の決定に向けた「討論型世論調査」の小グループでの討論=5日午前、東京都港区

新たなエネルギー・環境政策の決定に向けた「討論型世論調査」の小グループでの討論=5日午前、東京都港区

 政府は5日、新たなエネルギー・環境政策の策定に向け、討論や学習による意見の変化を探る「討論型世論調査」の2日目の議論を東京都内でスタートした。将来の原発比率などをめぐり、約280人が4日と同じく、小グループでの討論と専門家を含めた全体会議をし、最後に参加者へのアンケートを実施。

 2日目のテーマは「2030年のエネルギー選択のシナリオを考える」。参加者には、討論型世論調査の前後で、将来の望ましい原発比率など同じ質問を計3回繰り返す。国の政策形成に討論型世論調査を活用するのは世界初とされ、調査結果をどう政策に反映させるかが焦点とな


脱原発依存へ国民論議スタート エネルギー選択の聴取会

(07/14 18:38、07/14 18:49 更新)

新たなエネルギー・環境政策に関する第1回の意見聴取会であいさつする枝野経産相=14日午後、さいたま市

新たなエネルギー・環境政策に関する第1回の意見聴取会であいさつする枝野経産相=14日午後、さいたま市








 政府は14日、新たなエネルギー・環境政策に関する第1回の意見聴取会をさいたま市で開いた。東京電力福島第1原発事故を踏まえ「脱原発依存」に向けた将来像を選ぶ国民の議論がスタートした。

 聴取会での意見を参考に、政府は2030年の原発比率を盛り込んだ新戦略を8月にまとめるが、国民の議論が約1カ月間と短く、選択肢が限られている点に批判も出ている。原発活用をめぐる対立も根深く、政府の意見集約は難航しそうだ。

 14日の聴取会では、枝野幸男経済産業相が「今回の選択は将来世代と国際社会に大きな影響を及ぼす。国民の声にしっかり耳を傾ける」とあいさつした。

                                                 

7割が原発比率「0%」

  

 政府は4日、将来のエネルギー・環境政策について国民から直接意見を聞く意見聴取会を高松市と福岡市で開き全国11都市でのすべての日程を終えた。意見表明を希望した計1447人(福島市を除く)のうち、約7割に当たる983人が2030年の原発比率(総発電量に占める割合)「0%」に関する発言を求めた

 一方、政府は4日、参加者が議論し、意見の変化を探る「討論型世論調査」を東京都内でスタート。意見聴取会とともに、新たなエネルギー・環境政策の参考にする。

ただ結果をどのように反映させるか明らかにしておらず、大詰めを迎えた「国民的議論」の行方は不透明だ。

2012年8月5日日曜日

東電、原発事故直後のテレビ会議の公開のあるべき姿

 東電は、震災直後のテレビ会議の映像に加工を加え、映像公開するにあたって、メディアにさまざまな規制を加えようと言う。国民に絶大な被害をもたらした原発災害を引き起こしながら、公的支援のおなさけで、かろうじて露命を繋いだような不良企業に対して、政府やメディアはどこまで弱腰で迎合・譲歩し続けるのか。

 社員のプライバシーもへったくれもあったものではない。大災害を引き起こす危険性を十分に認識しながら、何ら危険性を最小限にするための手を打たず、人災を引き起こした会社や加害者は、バス会社であれ、飲食店チェーン店であれ、何であれ容赦なくマスコミの徹底的な取材攻撃のもとプライバシーを洗いざらしにさらけ出され、厳しい社会的な審判を受けるのが、世の常ではないのか。どうして電力会社の社員にだけ、日本のメディアは例外を認め、そんなに甘いのか?

日本の大型メディアは、オリンピック報道一色。
国民の間で反原発の抗議行動が広がっているにもかかわらず、彼等は原発問題にはほとんど触れずして、悠長にスポーツ・ナショナリズムを駆り立てることに懸命である。

少なくとも国民の受信料で成り立っている公共放送は、国民の知る権利を尊重し、東電のテレビ会議をノーカットの編集なしで、毎夜連続で報道すべきではないのか。事実上国営化された東電の原発事故直後のノーカットの映像全面公開すら、経産大臣が命令できないとは、一体どういうことなのだろうか? 


社説:東電テレビ会議 報道規制は筋違いだ

毎日新聞 2012年08月04日 02時32分

 福島第1原発事故が発生した直後の社内テレビ会議の映像を6日から東京電力が報道機関に公開する。映像は、社員のプライバシーに配慮して、一部を加工したものだ。

 公開に当たり、東電は報道側にさまざまな条件を突きつけている。公開映像の録音・録画を禁止した。東電の事故調査報告書に記載されていない一般社員名の報道もしないよう求めた。さらに報道側が映像を独自に入手した場合の報道も禁じた。

 従わないメディアやフリージャーナリストは、視聴室からの退出を求めたり、今後の会見参加を拒否したりする可能性も示唆している。

 映像の持つ公共的な意味合いと、「国民の知る権利」、取材・報道の自由の原則に照らしても、規制は筋違いだ。東電には硬直的な対応を取らないように強く求めたい。

 公開されるのは、昨年3月11日の震災発生から同15日までの150時間分の録画映像だ。東電本店と発電所のやりとりが録画されている。

 この間、1、3、4号機で水素爆発が起き、一部原子炉建屋が吹き飛んだ。2号機も冷却機能が失われ、1〜3号機で海水注入が行われた。そんな中、15日早朝に当時の菅直人首相が東電本店を訪れ、「原発からの撤退はあり得ない」と責した。

 http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/120708/cpb1207080749000-n1.htm

東電、テレビ会議の録画映像 「プライバシー」盾に公開拒否 記録消失恐れ                 2012.7.8 07:47


福島第1原発事故で、東京電力が録画していた福島第1原発と東京の本店などを結ぶテレビ会議の録画映像を公開するよう求める声が強まっている。事故解明の“一級資料”とされ、その一端は5日に公表された国会の事故調査委員会の報告書で明らかにされたが、東電は「プライバシーの問題がある」と映像の公開を拒否したままだ。(原子力取材班)

 生の声を収録

 「こんな悠長でいいのか」「物だけもらっても人がいない」-。5日公表された国会事故調報告書に盛り込まれたテレビ会議の記録は、事故対応に追われ、官邸の介入で混乱する現場の声を生々しく再現した。

 政府と東電で主張が対立している東電社員の全面撤退問題について、国会事故調が「菅直人首相(当時)が『全面撤退』を阻止した事実は認められない」と結論づけた根拠のひとつも、テレビ会議の映像だった。

 映像には菅氏の東電本店での“叱責”や、政府・東電統合対策本部での政治家の発言も残されているとされ、事故対応の検証に欠かせない重要資料だ。

 枝野幸男経済産業相も「なぜ公開しないのか意味不明だ」と公開を求めているが、東電は「社内資料でプライバシーの問題がある」と拒否し続けている。

 ルール定めず

 そもそも、東電のテレビ会議システムはどういうものなのか。東電によると、テレビ会議システムは東電本店と第1原発のほか、第2原発やオフサイトセンター、柏崎刈羽原発などに設置されている。画面は分割され、発言があるとその部分が強調されて情報共有できる仕組みという。

 ただ、映像は自動的には記録されない。東電本店での録画が始まったのは、事故翌日の昨年3月12日午後11時ごろから。東電は「担当者が機転を利かせて録画を始めた」としており「非常時にテレビ会議を録画するルールを定めていなかった」と釈明する。

 さらに、15日午前0時ごろ、本店の録画装置のハードディスクの容量がいっぱいになり、16日午前3時半ごろまで録画は中断した。

 一方、第2原発では11日午後6時半ごろから録画を開始。だが、担当者が「音声録音の設定を失念した」(東電)ため、音声なしの録画が17日午前まで続いたという。このため15日早朝の菅氏の映像は、第2原発の録画で音声はないと東電は説明しており、「本店と第2原発以外の録画は存在しない」としている。

 「国民の共有財産」

 東電が公開を拒み続け、貴重な記録が失われるとの懸念も広がっている。

 原発事故をめぐる東電株主代表訴訟の株主側は6月29日、「国民全体の共有財産だ」として、録音、録画記録の証拠保全を東京地裁に申し立てた。

 株主側は、公開の可否が東電に委ねられている現状を「異常だ」と指摘。政府と国会の事故調査が終了した後に「東電が責任回避のため記録を消去する危険性が大きい」と危惧している。

 映像に登場する菅氏も公開を強く要求している。国会事故調の官邸対応などの評価が「私の理解と異なる」と反論する菅氏は「事実関係を明らかにするため、東電のテレビ会議など客観記録の公開が不可欠だ」と強調している。

 これに対し東電新社長に就任した広瀬直己氏は6月28日の会見で、「(公開の)リクエストが強いのは理解している。まず見て、プライバシーの問題がどの程度か判断したい」と述べた。

 東電の情報公開は複数の事故調でも批判され続けてきた。批判を真摯(しんし)に受け止め、事故の真相解明に向き合えるか、新生東電の姿勢が問われている。





2012年8月3日金曜日

原子力規制委員会の人事、何がベストな陣容ですか、細野さん?

 原子力規制委員会の人事案について、民主党内でも、超党派でもさまざまな物議を醸しているようだが、当然なことである。全く理解できないのは、原子力ムラの大ボスのような人物をトップに推挙し、原子力事業団体と利益相反のあるムラ人を委員とし、ベストな陣容などと嘯いている細野原発担当相の発言である。

 田中氏が、「どんなに反省しても反省しきれない、立地地域のために身を投げ出したい」と本当に思うのならば、静かにムラを去り、昼夜フクイチの最も危険な原発の作業現場の最前線にでかけ、作業員の被爆を最小限にするために身を呈してでも、自らの専門性を生かし、最大限の尽力をすべきである。断じてクーラーのよく利いた都心のビルの原子力規制委員会の委員長の椅子にふんぞりかえるようなことがあってはならないのである。

 田中氏の委員長人事については、小出裕章氏や金子勝氏がいかに不適切であるかを十分に指摘している。以下に転載しているし、金子氏は以前からツイッターで何度もつぶやかれている。 

改めて、毎日新聞に掲載された田中氏の所信表明を読んでみると特に3点大きな問題が指摘できる。

①まず第一に「なぜ事故を起こしてしまったのか」とおっしゃっているが、まるでひとごとのようである。
原発にさまざまな危険があることを以前から指摘され、それだけの専門性がおありになれば、原発事故のあらゆる可能性を察知し、十分な対策をとることを積極的に政府に提言できる高い立場にありながら、それを敢えて怠ってきた当事者が、この期に及んで「なぜ起きてしまったのか?」などと発言すること自体がすでにおかしいと言わざるを得ないのではないか。

酒に弱いことを十分に知りつつ、飲酒運転をして大事故を引き起こした人間が、大勢の被害者を前に「なぜ事故を起こしてしまったのか」と言うのと何も変わらない。このような発言を所信表明で行うような人物を委員長に抜擢し、これを「ベストな陣容」などと断言する細野氏の見識を根本から疑いたい。

②大飯の原発に活断層があるかどうか、事業者任せにせず「自分も行って調査に加わる」とおっしゃっている。しかし、破砕帯があるかどうかの調査は地層学者の領域であり、放射線物理がご専門の田中氏が地層調査に加わって一体何がどれほどわかるというのか。しかもその調査に当たる事業者というのは、金子氏のツイッターによれば、かつて大飯の原発プラントの設置工事を請け負った三菱重工の系列会社であるという。

ウソで固めた安全神話でほぼ半世紀にわたって国民を煙に巻いてきた原子力ムラのことである。活断層の上に原発を設置した事業者が、今更「そこに活断層がありました、破砕帯がありました」などと正直に報告することなど、これまでの彼等の行動様式から判断して、到底考えられない。

その事業者に地層学の素人である田中氏がお墨付きを与えるようなことをして、一体何が原子力規制なのか。規制委員長や委員にどれだけの給料や手当を支払うのか知らないけれども、税金の無駄遣いは、ほどほどにしていただきたいものである。

③田中俊一氏をはじめ、規制委員会の5人中4名が、原子力関連団体から報酬を得ていたことも、明らかになっている。田中氏は、「あまり事業者との付き合いはない」といいつつも、フクイチ原発災害後も関連団体から報酬を受け取っており、そのことについて、福島の除染や放射線対策の講演をした対価だと主張している。

しかし、あれだけの大災害を引き起こした責任が本当に自分にあると氏が本心から反省しているならば、住む場所を失い、賠償も受けられていない避難住民が多くいる中、そのような報酬を当然のように受け取ることなどできるものだろうか。

問題は金額の大小ではない。事業者や原発推進関連団体と利益相反の関係にあるような人物を、規制委員会のメンバーに据えておきながら、それを「ベストな陣容」などと言い切る政治家の神経である。

国内になり手がいないというのであれば、NRCを辞任したヤツコ元委員長にでも、入ってもらえばどうなのか。国連大使を委員に据えるよりはるかに適材適所のよい人事なのでは?

以下関連記事、Youtubeを転載する。



規制委候補4人に原子力マネー 経歴調査資料で判明

2012年7月31日 21時51分

 政府が国会に提示した原子力規制委員会の委員長・委員候補5人のうち4人が、原子力関連会社などから報酬を受け取っていたことが31日、政府の経歴調査資料で判明した。 資料によると、委員長候補の田中俊一・前原子力委員会委員長代理は2011年度に原稿料や講演料として、原子力の啓発活動などを行う日本原子力文化振興財団から20万円、放射線関連商社、日本原子力産業協会から受け取っていた。

 委員候補の更田豊志・日本原子力研究開発機構副部門長、中村佳代子・日本アイソトープ協会主査、島崎邦彦・地震予知連絡会会長の3人も振興財団から講演料を得ていた

(共同)

金子勝氏のツイッターより

【インチキ所信表明1】
田中俊一氏の国会での所信表明。さっそく40年廃炉ルールは

「機械的に適用するわけではない」と発言。規制委が「厳しい

バリアーになる」というが、嘘反省の人がバリアになるはずが

なく、40年廃炉ルールは空洞化する事は確実。2012年8月1日 - 19:37 webから

【インチキ所信表明2】田中俊一氏は大飯原発3,4号機について「活

断層があるとなれば、当然止める」と発言。が、破砕帯調査は

原子炉メーカー三菱重工の系列企業「ダイヤコンサルタン

ト」、大飯原発建設時と同じ企業です。自分で自分の間違いを

認める?
2012年8月1日 - 19:53 webから

【インチキ所信表明3】
田中俊一氏はじめ規制委員候補4人が原子力関連団体からお金

をもらっていました。原発マネーで皆「お仲間」ですから当

然。そもそも原子力ムラから規制委員を選ぶこと自体が問

2012年8月1日 - 20:08 webから

民主党内で、原子力ムラ官僚主導の原子力規制委員会人事の差し替

え要求が強まっています。荒井元国家戦略相、岡崎トミ子元少

子化担当相、近藤昭一、橋本勉、大河原雅子議員らが記者会

見。鳩山グループも差し替えを要求。前原、輿石両氏が抑えに

懸命です
2012年8月2日 - 22:55 webから

【こんな人が…13】
「就任前直近3年間に原子力事業者等及びその団体の役員、従

業者等で あった者」は欠格者だが、更田豊志氏は高速増殖炉

もんじゅと東海再処理施設を持つ原子力研究開発機構幹部、中

村佳代子氏が属する日本アイソトープ協会で規制委員会の規

制・監督下に入る。完全な利益相反です。
2012年8月2日 - 23:06 webから ·


原子力規制委:人事案「ベストの陣容」…細野原発事故相

毎日新聞 2012年07月26日 21時28分(最終更新 07月26日 22時20分)

細野原発事故担当相=西本勝撮影
細野原発事故担当相=西本勝撮影

 細野豪志原発事故担当相は26日、記者会見し、原子力規制委員会の人事案について「この5人がベストの陣容だ」と述べた。]

委員長とした田中俊一氏については原子力の専門家としての経歴に加え、東京電力福島第1原発事故後、「数いる専門家で最も深い反省をした人物」と評価した。

 また、原子炉の専門家である更田(ふけた)豊志氏を「研究者として脂の乗った現役」と指摘し、緊急時に即断できる能力を重視したと説明した。

 中村佳代子氏については福島第1原発事故後、放射線の健康相談などに携わり、情報発信能力があると評価したと明かした。大島賢三氏に関しては国連大使時代の実績のほか、幼少時に広島で被爆体験があることも考慮したという。島崎邦彦氏は福島第1原発事故が起こる前から政府の地震・津波対策の不備を指摘していたことを踏まえ、起用したという。【笈田直樹】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120802-00000003-mai-pol

<田中氏所信>「40年廃炉、厳格に」 原発事故で反省の弁

毎日新聞 8月2日(木)0時35分配信

<田中氏所信>「40年廃炉、厳格に」 原発事故で反省の弁
拡大写真
衆院議院運営委員会で原子力規制委員会委員長候補者として所信を述べる田中俊一・高度情報科学技術研究機構顧問=国会内で2012年8月1日、藤井太郎撮影

 政府が新設する原子力規制委員会の初代委員長候補、田中俊一・高度情報科学技術研究機構顧問(67)は1日、衆参議院運営委員会の所信聴取で「原子力ムラの住人」だったとの指摘に反省の弁を繰り返し、官民の「なれ合い」懸念の払拭(ふっしょく)に努めた。活断層が新たに確認された原発は停止させ、「40年廃炉ルール」を厳格に適用すると強調。ただ、野党には田中氏を含む規制委員候補5人の人選に異論が根強く、民主党は議論を慎重に進める方針だ。

【田中氏の所信】規制、厳格適用の意向

 「どんなに反省しても反省しきれない。避難者が早く古里に戻れるようにと取り組んでいる」。田中氏はこう述べ、東京電力福島第1原発事故を踏まえ、厳格化させる安全規制を達成できない事業者には原発の運転を認めない姿勢を強調した。

 内閣府原子力委員会の委員長代理を務めるなど、「原発推進」の立場にあったとの批判があるためだ。

 田中氏は再稼働したばかりの関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を挙げ、「事業者任せにせず(新たな活断層の)調査に加わる。活断層があるとなれば、当然止めていただく」と明言。40年廃炉ルールは「機械的に適用するわけではない」としつつも、規制委が「厳しいバリアー(防壁)になる」と訴えた。

 政府が同意人事案を国会に提示した後、「脱原発」を唱える各党議員や市民団体などからは田中氏の適性を疑問視する声が相次ぐ。このため田中氏は「原子力委員会の時から推進と規制は明確に分けるべきだという見解だった」と釈明。11年度に原子力関連団体から受け取った約29万円の報酬は、原発事故後、避難者に除染・放射線対策の講演などをした対価だと説明した。

 政府は規制委の発足を急ぐが、民主党内では鳩山由紀夫元首相が田中氏起用に「再考を求める」と表明。同党の池口修次参院国対委員長は1日の記者会見で「いろいろな意見がある。相当厳しい人も多いだろう」と述べざるを得なかった。

 一方、規制委設置法の成立に協力した自民、公明両党。公明党は規制委の早期発足を重視し人事案を受け入れる方向だ。自民党内にも「バランスは取れている」と容認論はあるが、党政調の1日の協議では賛否が割れた。【笈田直樹、念佛明奈】

 規制委員長候補の田中俊一氏への所信聴取の要旨は次の通り。

 【就任の決意】

 原子力に関わってきた個人として、なぜ事故を起こしてしまったのか、福島の皆さんに申し訳ないとの思いが交錯してきた。悩んだが、日本のため立地地域のために身を投げ出すべきだと決心した。

 【規制行政】

 科学的・技術的見地から安全規制や指針を徹底して見直す。技術は日々進歩しており、日々見直す姿勢を貫く。現行の安全基準には明らかに不備がある。

 【40年ルール】

 古い原発の安全確保に必要な制度だ。40年を超えた原発は厳格にチェックし、要件を満たさなければ運転させないとの姿勢で臨む。

 【原発再稼働・大飯3、4号機】

 規制委は再稼働させるか、判断する立場にないが、安全性は厳しく判断する。新たな活断層の影響があるとなれば、原発の運転停止を求めるべきだ。大飯原発は事業者任せではな自らも調査に加わって判断し、活断層があれば止めてもらう。

 【原子力ムラ批判】

 経歴で言われれば(原子力ムラの住人ではないと)否定するすべはない。ただ、私は研究所が長く、あまり事業者と付き合いはない。独立性、透明性を守ることで、事業者と一線を画した規制行政ができる。

http://mainichi.jp/select/news/20120801k0000m010069000c.html

原子力規制委:人事案「再考を」…超党派の国会議員の会

毎日新聞 2012年07月31日 21時08分

 超党派の国会議員で構成する「原発ゼロの会」は31日、国会内で記者会見し、政府が国会に提案した原子力規制委員会の同意人事案について「『利用と規制の分離』『原子力ムラとの決別』をうたった規制委設置法の趣旨を大きく逸脱している」として、再検討を求める声明を発表した。

 「ゼロの会」は民主、自民、公明など8党の議員10人が世話人を務める。声明は、規制委員長候補の田中俊一・高度情報科学技術研究機構顧問について「電力事業者との『秘密会議』が常態化していたと指摘される原子力委員会の委員長代理だった」と指摘。原子力委員会のあり方についての総括▽委員長候補と秘密会議の関与▽委員候補を含め、過去の発言に対する見解など人選に関する政府の考え方−−の3点について、説明責任を果たすよう求めた。

 また、同会の声明とは別に、民主党の鳩山由紀夫元首相は31日、鳩山グループ会長として、原子力規制委の同意人事案に関し「再考を求める」とする声明を発表した。声明は田中氏について「『ミスター原子力村』の人物。国民の期待に応えるものになっていない」と批判した。【笈田直樹、木下訓明】

2012年7月22日日曜日

国のエネルギー政策のための意見聴取会、パブリックコメント募集は、単なる通過儀礼?

 国のエネルギー政策を決定するための意見聴取会、パブリックコメントの募集といえば、聞こえがいい。意見聴取会は電力会社の本店所在地に偏った場所選びに不信感を持ったが、案の定開いてみたら、実態は電力会社、原発プラント関係者の動員の場となり、やらせ、通過儀礼の域を超えるものではないことが露呈した。東京新聞が言うように、電力会社の幹部や社員が、国民の意見に真摯に耳を傾けるのが、意見聴取会の意義である。

電力会社はこれまでの何十年間、高い電気料金を広報につぎ込み、あるいはメディアを巧に操って、原発がなければ、安定した電力供給はできない、原発こそがもっとも安価で安全なエネルギーであることを、もう十二分に国民に刷り込んできたではないか。関電社長八木氏はそれでもまだ足りない、電力会社の社員が意見聴取会にまで首を突っ込み、発言することのどこに問題があるのかと強気の発言をするのである。この電力会社トップのセンスといい玄海原発のやらせ事件の際の九電幹部の対応といい、このような反省のない連中に原発の操業を任せていると思うだけで、背筋が凍る。

パブリックコメントの募集などということさえ、大々的に宣伝されていることではない。原発問題自体が、オスプレイといじめとオリンピック報道にかき消されている。こんな形で募集をやったところで、動員によって必死になってコメントを繰り返すのは、電力会社の社員や原発プラントと利害関係にある人間に偏ってしまうことは想像に難くない。

最初からシナリオが決まっている通過儀礼であるならば、内閣府に反原発のコメントなど出しても、逆にどこの誰がコメントをしたか追跡され、ブラックリストに載せられるだけでは分に合わないと考える国民も少なくないのではないか。

これまでの現政権のやり口を見れば、増税にせよ、基地問題にせよ、オスプレイの導入にせよ、TPPにせよ、そして原発問題にせよ、彼等が提供する「民主的なプロセス」など絵空事にすぎないことは自明である。原子力ムラの要となる人物を「しがらみのない実務派」として、新しい原子力規制委員会の委員長に据えるということからして、3.11の教訓が何も生かされていないことは歴然としている。

原発意見聴取会 国民的議論に値せず

 福島原発事故を経て、私たちは変わらなければならないはずだ。国民的議論の上で未来のエネルギー政策を決めるというのも、その一つ。だが、政府も電力会社も、その体質は変わっていない。

 これが、国民的議論の実態なのだろうか。

 仙台市で開かれた二回目の意見聴取会から、迷走が始まった。東北電力の執行役員が「会社の考え方」として、堂々と原発推進論を開陳した。翌日の名古屋でも、中部電力原子力部の課長が「放射能の直接的な影響で亡くなった人は一人もいない」と述べた。

 聴取会は二〇三〇年の原発依存率について、あらかじめ政府が提示した0%、15%、20~25%の三案を支持する応募者の中から、各三人ずつを選んで意見を聞く。両会場とも、発言を希望した人は、0%支持者が圧倒的に多かった。

 全国十一カ所の意見聴取会は、普通の人の声を聞く貴重な機会であるはずだ。

 電力会社の幹部といえば、意見を聞いて参考にする立場である。それが、真顔で「会社の考え」を述べるとは、考え違いも甚だしい。消費者の心の内などわきまえない巨大電力会社の実態が、透けて見えるようではないか。

 選んだ政府も政府である。このように疑問と不信を招く聴取会にしたことに、政府の不実、不熱心すら想像される。電力会社の本店所在地に偏った会場の選び方といい、はじめに結論ありきの「やらせ」、あるいはただの「通過儀礼」ではないのかと、疑問を持たれても仕方がない。

 九州や北海道で開かれたプルサーマル発電の導入をめぐる公開討論会やシンポジウムなどに、電力会社社員が動員されたやらせ問題は、まだ私たちの記憶に新しい。

 そもそも、全国で百人足らずの意見を各八分間、しかも三者択一で聞いて、一国のエネルギー政策を決めようという基本姿勢に無理がある。同時に募集中のパブリックコメント(意見公募)が、どのようにいかされるのかも定かでない。

 政府は今後、電力会社の職員は意見表明をできなくし、発言者の数を若干増やす。だが、その程度では、もう国民の多くは納得しない。

 国民的議論と言うのなら、今は結論を急がす、原発推進、反対、中立などさまざまな主体が運営する議論の場をもっと数多く開催し、不信の溝を丁寧に埋めていくしかない。

http://www.47news.jp/CN/201207/CN2012072201001627.html

電力関係者の辞退相次ぐ 札幌、大阪の意見聴取会


 大阪市内で開かれたエネルギー・環境政策に関する意見聴取会=22日午後

 政府は22日、今後のエネルギー・環境政策について国民から直接意見を聞く意見聴取会を札幌市と大阪市で開いた。大阪では抽選で発言者に選ばれた関西電力の社員2人が、札幌でも電力関連会社の社員1人が、運営の改善策に沿った事務局の要請で参加を辞退した。

 利害関係者である電力会社社員の意見表明を認めないなどの改善策を政府が決めて以来、初めての開催で、電力関係者の辞退が相次ぐ事態となった。繰り上げで発言者が補充されたが、両会場で1人ずつが欠席した。

 2会場の発言者計22人中12人が、30年の原発依存度を三つの選択肢のうちで「0%」案を明確に支持した。

2012/07/22 18:31 【共同通信】



関電社長『問題ない」聴取会の電力会社社員発言(7月20日)

将来の原発の比率などをどうするか国民に聞く政府の意見聴取会で電力会社の社員が発言したことについて、電気事業連合会の八木会長は「問題ない」という認識を示しました。

 電気事業連合会・八木誠会長(関西電力社長):「電力会社の社員というだけで、個人の意見表明まで自粛しなければならないのは違和感を感じる
 八木会長は「エネルギー政策は国を支える重要な基幹政策だ」と指摘し、意見聴取会のあり方について、国民各層の意見を聞いてバランスの取れた議論をするべきだと主張しました。さらに、「国民の一人として電力会社の社員が自主的に意見を申し上げることは問題と考えていない。会社としての発言でも問題ない」という認識を示しました。政府は、やらせ批判も出た意見聴取会の改善策として、電力会社の社員に発言させない方針を決めたばかりです。今回の八木会長の発言は、政府の方針と対立する形となっています。

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ここまでやるか!電力会社のやらせと隠蔽

2012年7月19日 掲載

この国で原発稼動はもうムリだ

<出てくる、出てくる…>

 原子力安全・保安院が18日、北陸電力「志賀原発」(石川)と関西電力「大飯原発」(福井)の敷地内の断層の再調査を電力会社に指示した。原発の耐震指針では、原子炉などの重要施設を活断層の上に設置できない。仮に再調査で活断層の存在が判明すれば即アウトだ。他の原発にも再調査の波紋が及ぶ。やっぱり、この国で原発はムリなのだ。

 再調査のキメ手になったのは、17日に開かれた「地震・津波に関する意見聴取会」だ。会合では、志賀、大飯両原発の掘削資料などを見た専門家から、活断層を疑う意見が続出。中でも、志賀1号機の原子炉建屋の南西に走る「S―1断層」については、今泉俊文・東北大教授が「典型的な活断層。よく審査を通ったな」と呆れていた。
 一方、大飯原発は、2号機と3号機の間を南北に走り、3、4号機の非常用取水路の下を通る「F―6断層」の掘削写真が部分的にしか示されず、委員から「質が悪い」などの声が出た。
 専門家が“隠蔽”を疑ったのだが、これが電力会社の“体質”なのだろう。将来の原発稼働率を決める聴取会でも電力会社社員のヤラセまがいの発言が相次いでいる。今回の活断層“隠蔽疑惑”といい、ますます、国民の不信感が高まっている。
 保安院の意見聴取会で委員を務める遠田晋次・京大防災研究所准教授はこう言った。
「関電が提出した大飯原発の断層写真には、ブルーシートやパイプで隠れた部分があり、肝心な所は見えませんでした。関電に詳細な資料を求めましたが『ない』と言われました。ふつう、電力会社はこうした掘削調査はコンサル会社などに委託する。細かなスケッチを残し、数多くの写真を撮り、保存するものです。それが『ない』というのは考えられません。関電の説明通りなら、ずさん管理だし、あるのに提出しないということであれば疑心暗鬼を招く。これでは、活断層であるか、そうではないかの判断ができません。再調査をしても同じような資料しか出てこなければ、白黒をつけられない。同じことの繰り返しになります」

<再調査指示した保安院のいい加減>

 つくづく、原発の「安全神話」はいい加減だったことが分かる。
 そんな電力会社にお墨付きを与えていたのは、原子力安全・保安院だ。再調査を指示し、当事者でないような顔をしているが、活断層の存在を指摘されながら無視し続けてきた張本人である。大飯原発敷地内の活断層の可能性を訴えてきた渡辺満久・東洋大教授はこう言う。
「再調査を指示したということは、保安院は原発の安全性に疑義があると認めたこと。それなのに、予定通り、再稼働させるというのが全く理解できません。意見聴取会で、過去の事業者の報告や国の審査がいかにずさんだったかがハッキリした。この前提に立ち、あらためてすべての原発を再調査するべきです」
 関電「美浜原発」(福井)、北海道電力「泊原発」(北海道)、東北電力「東通原発」(青森)……。志賀、大飯以外にも活断層の疑いがある原発はゴロゴロある。地震大国の日本にしょせん原発はムリなのである。

原発推進世論操作マニュアル: コピペ

 
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-07-02/2011070203_01_1.html
2011年7月2日(土)「しんぶん赤旗」

原発推進へ国民分断、メディア懐柔

これが世論対策マニュアル


 原子力発電を推進するために学校教育や報道機関に情報提供を行っている日本原子力文化振興財団がまとめた「世論対策マニュアル」があります。原子力発電所の相次ぐ重大事故、度重なる事故隠しやデータ改ざんによる国民の不安感や不信感の広がりに対処するため国民を分断し、メディアを懐柔する指南書の全容とは―。(清水渡)

写真
(写真)日本原子力文化振興財団が1975年に朝日新聞に掲載した10段広告
 「停電は困るが、原子力はいやだ、という虫のいいことをいっているのが大衆である」
 日本原子力文化振興財団が作成したマニュアルは国民をさげすみ、愚弄(ぐろう)する姿勢をあけすけに示しています。この文書は1991年に科学技術庁(当時)の委託を受けてまとめられた「原子力PA方策の考え方」(91年報告)です。電力業界や政府機関への提言となっています。
 91年報告は、さらに「繰り返し繰り返し広報が必要である。新聞記事も、読者は三日すれば忘れる。繰り返し書くことによって、刷り込み効果が出る」と、原発容認意識を国民に刷り込む施策を求めています。
 また、「原子力に好意的な文化人を常に抱えていて、何かの時にコメンテーターとしてマスコミに推薦出来るようにしておく」などと文化人、マスメディア取り込み作戦も具体的に提起しています。

事故は広報の好機

 91年報告は事故をも「広報のチャンス」とします。「事故時を広報の好機ととらえ、利用すべきだ」「事故時の広報は、当該事故についてだけでなく、その周辺に関する情報も流す。この時とばかり、必要性や安全性の情報を流す」「夏でも冬でも電力消費量のピーク時は話題になる。必要性広報の絶好機である」と指摘しています。
 原発反対派とのつながりも強調し、反原発の国民意識を分断させるシナリオも指南しています。マスメディア関係者との関係は、「会って一緒に食事をすることばかりではない」などと述べています。
 原子力の必要性については「電力会社や関連機関の広告に、必ず“1/3は原子力”を入れる。小さくてもどこかに入れる。いやでも頭に残っていく」「放射能があることは誰も知っている。原子力がなければどんなことになるのか、例をあげて必要性を強調するのはよい」など、脅しめいた手法も紹介しています。
 91年報告で指摘されている各種の手法は、東京電力福島原子力発電所の過酷事故を受けて原発反対の世論が広がるなか、原発推進のために各メディアが行っているやり方に通じています。

 PA 「パブリック・アクセプタンス」の頭文字をとったもので、「社会的受容性」とも訳されます。円滑に企業活動や事業の展開ができるように、社会において企業活動の理解促進を図る活動をさします。

マニュアル作成の原子力文化振興財団

税金で「安全神話」PR

 原発「世論対策マニュアル」をつくった日本原子力文化振興財団の活動費の3~4割は税金で賄われています。
 2009年度決算では、文部科学省の「教育支援用情報提供」や経済産業省の「核燃料サイクル講演会」など10事業、3億2200万円を受託しており、年間収入の34・1%を占めます。
 電源立地推進事業としてとりくまれた講師派遣では、年間136回の講演で、旅費606万円、講師謝礼591万円が税金から支出されています。
 同財団の理事長は三菱マテリアル名誉顧問の秋元勇巳氏です。10年8月27日段階の役員名簿によると、理事には八木誠関西電力社長のほか清水正孝東京電力社長(当時)、玉川寿夫民間放送連盟常勤顧問、加藤進住友商事社長、庄山悦彦日立製作所相談役、佃和夫三菱重工会長、西田厚聡東芝会長、林田英治鉄鋼連盟会長などの名前が並びます。
 1969年に設立された同財団の目的は「原子力平和利用に関する知識の啓発普及を積極的におこな」うというもの。ホームページには小中学生・高校生向けの原子力発電所見学会や高校生対象の放射線実習セミナー、報道関係者のための原子力講座、原子力やエネルギーに関するシンポジウムなどの事業が掲載されています。
 放射線実習セミナーを受講した生徒からは「身体の中にも、食物や大地にも放射線があることを知って、放射線が恐ろしいものという固定観念がなくなった」などの感想が寄せられています
 税金で原発「安全神話」を国民に刷り込み続けたのです。
 こうした「刷り込み」は、自民党政権下にはじまり、民主党に政権が代わっても続けられました。歴代政権の責任が問われます。

原発推進マニュアル明記の主な「方策」

国民向け

繰り返せば刷り込み効果

・人気タレントが「原子力は必要だ」、「私は安心しています」といえば、人々が納得すると思うのは甘い。やはり専門家の発言の方が信頼性がある。
・繰り返し繰り返し広報が必要である。新聞記事も、読者は三日すれば忘れる。繰り返し書くことによって、刷り込み効果が出る。いいこと、大事なことほど繰り返す必要がある。
・政府が原子力を支持しているという姿勢を国民に見せることは大事だ。信頼感を国民に植え付けることの支えになる。
夏でも冬でも電力消費量のピーク時は話題になる。必要性広報の絶好機である。広告のタイミングは事故時だけではない。
不美人でも長所をほめ続ければ、美人になる。原子力はもともと美人なのだから、その美しさ、よさを嫌味なく引き立てる努力がいる。

文科系は数字をありがたがる

泥遊びをすれば手が汚れるが、洗えばきれいになる危険や安全は程度問題であることをわれわれはもっと常識化する必要がある。
・戦争でも状況判断ができれば、あわてなくてすむと聞く。軽重の判断をするには基礎知識が欠かせない。文科系の人は数字をみるとむやみに有難がる。
原子力がなければどんなことになるか、例をあげて説明するのがよい。
停電は困るが、原子力はいやだ、という虫のいいことをいっているのが、大衆であることを忘れないように。
・ドラマの中に、抵抗の少ない形で原子力を織り込んでいく。原子力関連企業で働く人間が登場するといったものでもよい。原子力をハイテクの一つとして、技術問題として取り上げてはどうか。

マスメディア対策

良識的コメンテーターの養成

原子力に好意的な文化人を常に抱えていて、何かの時にコメンテーターとしてマスコミに推薦出来るようにしておく(ロビーの設置)
・数名からなるロビーをつくり、コメンテーターの養成に努める役所でレクをするときに、意識的に良識的コメンテーターの名前やそのコメントを出す。
ロビーづくりは無理にしなくとも、記者クラブや論説委員との懇談会を利用したらよい。常設せずとも、必要があれば主婦連の人を集めて意見を聞くなど、臨機応変に対応したらよい。
いいスポークスマンは役所のプラスイメージになる。新聞記者が積極的に彼の意見を求め、記事の中に引用するようになる。そうすると、スポークスマンの考え方が新聞記者間に浸透するようになる。一種のマスコミ操作法だが、合法的世論操作だ。

テレビディレクターに知恵を注入

マスコミ関係者は原子力の情報に疎い。まじめで硬い情報をどんどん送りつけるとよい。接触とは会って一緒に食事をしたりすることばかりではない。
関係者の原子力施設見学会を行う。見ると親しみがわく。理解も深まる。
・テレビ局と科学技術庁のむすびつきは弱い。テレビディレクターに少し知恵を注入する必要がある。
人気キャスターをターゲットにした広報を考える。事件のない時でも、時折会合をもち、原子力について話し合い、情報提供をする。
人気キャスターを集めて理解を求めることが出来るなら、これが最も効果的で、いい方法である。うまくやれば可能だ。それを重視させ得る知恵者を日頃からつかんでおく必要がある。

学校教育

厳しくチェック

教科書(例えば中学校の理科)に原子力のことがスペースは小さいが取り上げてある。この記述を注意深く読むと、原子力発電や放射線は危険であり、できることなら存在してもらいたくないといった感じが表れている。書き手が自信がなく腰の引けた状態で書いている。これではだめだ。厳しくチェックし、文部省の検定に反映させるべきである。さらに、その存在意義をもっと高く評価してもらえるように働きかけるべきだ。
・教師が対象の場合、大事なのは教科書に取り上げることだ。文部省に働きかけて原子力を含むエネルギー情報を教科書に入れてもらうことだ。

原発反対派対策

★つながりをもって

反対派リーダーと何らかの形でつながりをもったらどうか(討論会の開催など)。