2012年1月11日水曜日

まともな議論ができるのは、外国人ジャーナリストだけですか?

薔薇っ子は幸いにして、元日海外にいたので、年明け早々から、マグニチュード7の地震に遭遇することはなかった。しかし、原発ムラの住人にとっては、まさに冷や汗のでる瞬間だったのではあるまいか。

にもかかわらず、読売新聞は、政府の原発廃炉40年宣言に対して、原発擁護の立場から、これに真っ向から異論を唱えている。さすがは日本の原発政策を推進した正力松太郎氏の読売新聞だけのことはある。

正月以降の報道に注目しているが、細野氏の突然の廃炉宣言と中間貯蔵地を地元浪江町に依頼したというニュース以外、原発問題、エネルギー問題に関する言及は、とみに少なくなっている。

そのなかで、今日はブルームバーグのペセック氏の記事を転載する。こういうまともな議論を堂々と公然とやってのけることができるジャーナリストは、一部の海外ジャーナリストだけなのだろうか。

もっとましな議論が国じゅうのジャーナリストや有識者の間で、湧き上がっておれば、あえて素人の薔薇っ子のような名もない一市民が、こんなブログを書き綴って、ごまめの歯切りをする必要もなかっただろうに。。。

安全神話も、コスト安の神話も崩れ去った後、何かと言うと、安定した電力供給ができるのは、唯一原発だけであるというところに話は収斂する。しかし果たしてそうだろうか。代替エネルギー資源開発を阻み、電力の自由化やそれを促すようなシステム作りに歯止めをかけようとする見えざる手が大きく作用しているから、そうならざるをえないだけのことではないのか。

従来日本は何かと言うと欧米に追従し発展成長してきた。特にここ60数年間はアメリカ追従傾向が顕著で、原発もまさにアメリカ直輸入の技術であったわけだが、日本は、トイレのないマンションをこれからも永々と作り続け、廃棄物をあちこちに投棄することができる広い国土を有する国の猿真似をすることからそろそろ卒業し、地震国でもないのに、フクシマを教訓にして、果敢にも脱原発を宣言し、それに向かって突き進んでいるドイツを見習うべきではないのか。

世界トップレベルの安全性を備えた原発の新設をすればいいなどと気安く言うが、僅かなミスでこれだけの甚大な放射能汚染を広げる深刻な事故を引き起こした上、すでに事件後10ヶ月にもなるというのに、フクシマでは未だ4つの原子炉内の詳しい状況すらまともに把握できない、そのような惨憺たる日本の原発技術のレベルでは、いくら世界トップ水準などと豪語してみせたところで、いかほどのものでもないことは、素人目にも明白である。

そんな高い安全性を確保できるような技術が日本にあるというのならば、優秀な技術者の知恵を結集して、明日にでもすべての人がフクシマに戻り、安心して暮らせるような状況に戻して頂きたいものである。事故が起きても、すぐまた元の安全な状態に戻すことができる技術が伴ってこそ、初めて安全性が確保できると言えるのではないか。

以下、ブルームバーグの電子版と読売新聞の社説、電子版,NYTの関連記事を転載する。


http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LXAW9H0D9L3501.html

【コラム】元日の地震で考えた政府と国民の深い断絶-W・ペセック

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  1月5日(ブルームバーグ):元日の地震ほど驚かされるものはない。1月1日に起きたマグニチュード(M)7.0の地震で祝日のまどろみを破られた時、多くの東京都民がそう考えた。
  2011年が終わって喜んでいる先進国があるとすれば、それは日本だ。デフレの深刻化、国債の格下げ、5年間で5人目の首相辞任、世界中の投資家を動揺させたオリンパス問題などがあったものの、3月の大震災と津波、それによって引き起こされた放射能汚染危機は1年で最大のニュースだった。
  12年最初の日に地震が起きた時、すぐに心配になったのは東京電力福島第一原発だ。ありがたいことに、今回、地震は新たな被害をもたらすことはなかった。
  だが、次回はどうだろうか。6月の朝日新聞の世論調査では、74%が全国の原発を段階的に減らし将来は廃止することに賛成と答えている。野田佳彦首相が4日の記者会見で示しているように、政府の対応はそれとは反対のことが進んでいることを示唆している。国民は将来の脱原発を望んでいるのに、政府は電力業界を甘やかす姿勢に戻っている。
  どうしてこんな断絶が起きているのだろうか。日本の原子力産業共同体は、米国の企業と軍とのつながりと全く同じぐらい強力だ。大金が絡んでおり、日本の「原子力村」も守りを固めつつある。菅直人前首相は原子力業界と官僚の癒着を抑える計画を発表したが、その時に菅氏の首相としての政治生命は終わった。
  日本国民に対しもっとふさわしい対応があってしかるべきだ。また、全国の原子炉54基のうち6基しか稼働していない現状についても考えてみるべきだ。苦しい状況が予想され、政府は原発が経済に不可欠だと主張しているものの、日本は原発なしでもそれなりにうまくやっていけることを証明している。
  日本がこれほどの地震大国でなければ、原子力は効率的で費用効果が高く、クリーンだという主張にも、もっと説得力があるかもしれない。原発を全て停止しろとは誰も言っていない。技術者が原子炉を強力な緩衝装置の上に設置するなどしてテロをはじめとするあらゆる潜在的リスクに対応しない限り、原発中心の政策からの脱却が日本の指導者にとっての最優先課題になるだろう。
日本が成長産業を求めているのなら、原発に代わるものを探すことに新たなアイデアや技術革新、投資を集中させるべきではないだろうか。(ウィリアム・ペセック)
(ウィリアム・ペセック氏はブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
記事に関する記者への問い合わせ先:
記事に関するエディターへの問い合わせ先:
更新日時: 2012/01/05 13:57 JST

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120107-OYT1T00941.htm


原発の新規制 唐突な「40年で廃炉」の方針(1月8日付・読売社説)

原子力発電所の運転は原則40年以上は認めないことなどを柱とする、原子力安全規制の新方針を政府がまとめた。
これを盛り込んだ原子炉等規制法の改正案を、新たな原子力規制組織である「原子力安全庁」(仮称)の設置法案などとともに、今月召集される通常国会に提出するという。
東京電力福島第一原発の事故の後、福井県など立地自治体から、原発の老朽化を問題視する声が出ていることを重く見た。
海外では、脱原発を掲げる国を除き、法律で原発の「寿命」を規定する例はまれだ。今後の電力供給の在り方を巡る政府内の議論も続いている。唐突すぎないか。
国内では、廃炉となる福島第一原発の4基を除く50基のうち、15基が、すでに運転30年を超えている。うち2基は40年以上だ。原発は急速に減ることになる。
延長申請があれば、老朽化を評価したうえで認める場合もあるとしているが、細野原発相は「極めてハードルが高い」と言う。
事故前、原発は電力供給の約3割を担っていた。それを何で代替するのか。風力発電や太陽光発電では、まだ力不足だ。
廃炉に伴う課題も多い。政府は廃炉費を1基約500億円と試算し、電力会社による費用積立制度も設けている。だが、積み立てが本格化して約10年のため、廃炉が相次ぎ廃棄物が増えると賄えない。専門の人材も少ない。
さらに野田政権は原発輸出を目指している。原発が次々消える国では国際的信用も得られまい。
原発の寿命を定めるのなら、新設に向けた政策を、将来のエネルギー政策と絡め検討すべきだ。世界トップクラスの安全性を備えた原発に置き換えればいい
それまでは、既存の原発を、安全性を十分確認したうえで利用していくことはやむを得ない。
今回の新たな規制方針にも、その条件は盛り込まれている。
まず、原発で大きなトラブルが起きても重大事故につながらないよう、法律で電力会社に対策を求める。最新の安全基準や技術を、既存の原発に、迅速に反映させることを義務づける「バックフィット」という仕組みも導入する。
これらは従来、電力会社が自主的に取り組んできた。だが、それが今回の事故の要因となった。
すでに国内の原発は定期検査で次々に停止しており、再稼働のめどが立っていない。新たな規制方針が、これをさらに遅らせることのないようにしてもらいたい。
(2012年1月8日01時07分  読売新聞)



WORLD BRIEFING | ASIA

Japan: New Limits on Reactors

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Japan said Friday that it will set more stringent age limits on nuclear reactors and require operators to prepare for severe accidents as part of legal changes in the wake of the nuclear crisis at Fukushima. The age limit could also be a step toward fulfilling a government promise to eventually phase out nuclear power in the quake-prone nation. Japan already requires utilities to conduct safety checks on reactors at 30 years, and again at 40 years, to stay in operation. Fresh legislation will set the legal lifespan of reactors at 40 years, though the government will still approve extensions on a case-by-case basis. Excluding the six damaged reactors at the Fukushima Daiichi plant, 13 others in Japan will hit the 40-year limit in the next decade, according to the Ministry of Trade.

2012年1月10日火曜日

原発40年動かしていいルールの妥当性は?

原発廃炉40年ルールについて、新聞各紙の記事を転載した。政府に迎合しているのか、スポンサーの目が怖いのか、甘い、実に読みが甘いのだ。

神戸新聞などは一方では、安全に津波や地震の知見を入れる事の重要性認めながら、40年廃炉ルールが適用され、2050年に原発が全てない国になればいいなどと夢物語のようなことを言っている。今後30年以内に震度8クラス以上の地震が起こる可能性がないと言いきれないような極めて地盤の不安定な国で、これから先、まだ20年も30年も原発を走らせるようなことを認めて評価するというのか。

正常に運転しているものを停止して廃炉にするのと、福島のようにメルトダウンで水素爆発を起し、ぼろぼろになってしまった原子炉を廃炉にするのとでは、かかる費用も、それに従事する人々のリスクも、労力もはるかに違うといわれている。なのに、国や電気会社は、大地震で壊れるリスクを無視して、原発から甘い汁をとことん吸い続けようというのか。

京大の小出氏は、30年だからいいとか、40年だからいいというものではなく、今すぐに廃炉にすべきだと言う。彼の主張は決してぶれない。彼の説明は、いつも理にかなっており、どんな偉い大学教授よりも造詣が深く、的確である。

以下、小出氏のインタビューと各紙の報道を転載する。


http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/01/10/tanemaki-jan9/?utm_medium=twitter&utm_source=twitterfeed
1月9日 4号機倒壊の危険性と40年原則廃炉について 小出裕章(MBS)

2012年1月9日(月)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。


(略)

水野「はい。そしてですね。次に伺いたいのは、あのー、原発の稼働40年とする。で、40年経ったらおしまいにする、廃炉にすると、いうことを法で決めますと、いう方針を細野原発大臣が発表いたしました」
小出「はい」
水野「で、国が原発の運転の期間を法で定めるのは、これが初めてということ、なんですね」
小出「はい」
水野「ただこれ、例外で、延長もありうるんだというふうに文言がついております。」
小出「だそうですね」
水野「ええ。これについては小出さんはどんなふうに見ていらっしゃいますか」
小出「えー…私は…もうこの番組でもなんども聞いていただきましたけれども。全ての原子力発電所を、即刻止めるべきだと、言ってきたわけで」
水野「はい」
小出「え…40年経ったからとめろとか、30年でとめろとか。え……そういうふうに言ってきたつもりは、ありません
水野「はい」
小出「新しく動き始めた原子力発電所でも全て止めなければいけないと、私は言ってきたわけですから政府が40年で止める、それも例外を認めるなんて話はですね、私から見ればもう言語道断なことだと思います」
水野「はあー……」
平野「ふんふん。」
水野「あのー、この…例外はね、じゃ、どんなふうに認めるというふうに、ま、今、言ってるのかといいますとね」
小出「はい」
水野「え…電力事業者から申請があったとき、はですね、え…施設自体の老朽化…と、施設を保全できる技術的能力について審査をして、問題がない限り延長を、承認する、ということなんですね」
小出「はい」
水野「で、これ…あの、小出先生からご覧になったら、まあ、小出先生はもう大前提からしておかしいというお考えでは」
小出「そうです」
水野「ありますが」
小出「はい」
水野「本当にこういうことの法…的にね、GOしたときにですよ。え…審査する基準は施設自体が老朽化してないか、そして、え…施設をちゃんとやっていける技術的能力があるかどうか。それで問題がなかったら、っていう、前提なんです。これはどれくらい科学的なものなんですか」
小出「え…福島第一原子力発電所に対しても、国は厳重な安全審査をして、東京電力に技術的な能力がある、老朽化の問題もない、といってお墨付きを与えながらきて、事故になっている、のです」
水野「そうか…はい」
小出「それをいまさらまた偉そうに、国が審査をして安全であることを認めてやるというようなこと言ってるわけで。まずはあなたたちに、全てやめたほうがいいんじゃないですかと私は言いたくなります。
水野「うーん…。あの、これ逆に言うと……ザル法といいますかね」
小出「はい」
水野「あの、例外規定もありますので」
小出「はい」
水野「意味がなさないというようなおそれもあるんじゃないかと」
小出「私から見ればそうですけれども。まあ40年という年限を切ったということが、まあ、みなさんにとっては、真新しく見えるかもしれませんし、まあそれなりの1つのステップを踏んだということは確かにあるとは、思います。でも本当はそんなことではないんだということを、あの、みなさんに分かって欲しいのです」
平野「そうですねえ」
小出「はい」
平野「先生あの、美浜の関電の1号機とか、敦賀の日本原電の1号機の、これもう41年
小出「そうです」
平野「なってるわけですよねえ。」
小出「そうです(※聞き取れず)」
平野「だから40年と本当に切ってやる気があるんであれば、これはもう、先生の先ほど言われた即刻」
小出「そうです」
平野「あの…廃炉ですよね」
小出「そうです」
平野「で、それをやる、なんか覚悟みたいなものがまったくこう、無さそうですし」
小出「はい。また、なんか例外で、生き延びさせようというふうにしてるんだろうなと思いました」
平野「だからまあ逆に言うとまあ再稼働への地ならしみたいな」
小出「はい」
平野「あの…延長容認でですね」
小出「はい」
平野「やる、なんか気配が濃厚ですよね」
小出「そうですね。」
水野「これだって新しい原発も作れそうに、読めますが」
小出「もちろんですねえ」
平野「ええ、まあまあそうですね」
小出「40年間つく…動かしていいよというそういう宣言をしているわけですね」
水野「うーん。今まででもう30年経ったら、10年ごとに運転の延長を国に申請して寿命を伸ばしてきたんですよね。」
小出「はい」
水野「で、これ、法律では決められてはいなかったけど」
小出「はい」
水野「現行はそうだったんですね」
小出「はい」
水野「……ということはなんか逆に30年で申請しなくて、40年まで申請しなくてもいいというふうに私は(笑)、素人ながら読んだんですけど」
小出「まあ…どんなふうにも読めるだろうし、え、国のほうがどんなふうに運用しようと思うかによってすべてが決まってしまうということだと思います」
水野「うーん…。それからこの老朽化ということのメカニズムについて伺いたいんですけどね」
小出「はい」
水野「あの、福島第一原発では運転40年が経過して1号機…」
小出「はい」
水野「の建屋吹っ飛びましたよね」
小出「はい」
水野「水素爆発で」
小出「はい」
水野「しかしながら、東電や保安院は、あの、こう言ってます。老朽化で事故が拡大したというような影響はなかったと」
小出「はい」
水野「いうんですね」
小出「はい」
水野「その、原発ってのは老朽化してもやりよう次第で安全を確保できるんですか」
小出「…えー……、ん、事故というものは、老朽化によって起きる事故もあるし
水野「もあるんですか」
小出「はい。あの、老朽化とも全く関係なく起きる事故も、あるわけですね」
水野「あっ、はい」
小出「例えば。え……人間が遭遇した最大の原子力発電所事故はチェルノブイリ原子力発電所の事故、でしたけれども。あの原子炉はソ連きっての最新鋭の原子力発電所で、2年しか運転していませんでした」
水野「2年でしたか」
小出「はい。で…チェ…その前には米国のスリーマイル島の原子力発電所が事故を起こしたのですが。あの原子力発電所は動き始めて3ヶ月でした(苦笑)。」
水野「…三ヶ月……」
小出「はい。ですから別に老朽化なんてこととは全く関係なく、事故は起きる、のです」
水野「はい」
小出「で…そうではなくて老朽化が原因で起きるということもありまして。え…例えば美浜3号機で、
平野「ふむふむ」
小出「え……2次系の、配管が…破断して…」
水野「はい」
小出「5人の作業員が熱湯を浴びて死ぬというようなことがありました」
水野「はい」
小出「…けれども、アレは、あの…まさに老朽化。え…パイプが、あの…削り取られていって破断をしたということ、でした」
水野「何で削り取られるんですか?」
小出「えーと、これはですね、大変難しいんですけれども」
水野「あ、すいません」
小出「あの…流量を測るためのオリフィスという、そういう測定器があるのですが。そのオリフィスの下流に、冷却水が…渦を巻くんですね。で、その、渦を巻くことによって、え…配管が、まあ、炭素鋼ですけれども、それがあの削り取られていって。えー、どんどんどんどん薄くなっていって、ある時点で耐えられなくなって敗れたというのがあの事故」
水野「はあーー」
小出「でした。ですからそれはまさに、あの、年月の戦いだった…のですけれども。まともな検査もしていなか…いないまま、その…破れるにまかせてしまったという、そういう事故でした」
平野「うん…」
水野「そうか事故はあたらしくても起こるし」
小出「はい」
水野「古くてもまた違う意味でまた起こると。」
小出「そうです。」
水野「はあ」
小出「え…福島第一の場合に老朽化という問題がどこまで、寄与したかということは、え、今のところよく分かりませんし。え、残念ながらそれを調べることもできない
水野「できないですか?」
小出「ようするに近づくことがもうできませんので。事故原因も調べることもできません…できないというそういう状態になっていますので。え…福島に関しては多分わからないまま行くだろうと思います


http://www.47news.jp/47topics/e/224353.php

2012年1月9日月曜日

小さな声でもサポートします!

 以下は1月7日の古賀茂明氏のブログである。薔薇っ子も1月6日の報道ステーションを見た。あの日の古舘氏はいつものように奥歯にモノが挟まったような中途半端な物言いではなく、いつになく、電力改革に向けて力強いコメントを行ったと思う。


日本の週刊誌も、元気がよかったのは震災後数カ月間だけで、電力会社から手が回ったのか、もっと大きな組織からのプレッシャーがかかったのか、ほとんどすべてのテレビ報道同様、原発問題、電力会社の地域独占の問題については、臭いものには蓋をして沈黙するようになったが、そのなかにあって、1月6日の報道ステーションの古舘氏の態度は見上げたものだったと感じたのは薔薇っ子だけではあるまい。


新春のほろ酔い気分で、嫌なことからは目を逸らし、低俗極まりないバラエティを見て、あはは、あははと馬鹿笑いをし、鬱陶しいことはできるだけ忘れて毎日を過ごさないと憂鬱になってしまうと思っている人間も少なくないし、確かに今の日本政府やドジョウ内閣の対応は正視に耐えられるものではない。


しかし、黙って認めていてはいけないものは、いけない。様々な軋轢に耐えながら、声をあげようとする勇気ある少数派の人たちを、斜に構えたまなざしで、ジロッと黙って、看過ごすのではなく、どんなに小さな声であっても、発信していくべきである。それがこの時代に大人としての判断力を備えて生きている人間が、次世代のために果たしていくべき一番大きな使命ではないのか。


以下に転載するように、電力総連と政治家との癒着は甚だしい。電力会社の社員から集めた献金というけれども、彼らの高い給料は我々が何十年にもわかって黙って支払わされてきた高い電気料金から支払われて来たものであり、メディアを通して、原子力安全神話を流布し、都合の悪いニュースの流失を抑えるために使われてきたその宣伝料広告料もすべて電気料金のうちである。


今更、無駄に使われてきた電気料金を返せとは言わないが、せめて電力会社や原発関連会社から、寄付や献金を受けた政治家は、御用学者同様、地元交付金の恩恵も何も受けずに、職を失い、故郷を追われた、本当に気の毒な被災者に還付してもらいたい。それを主張する権利は、高い電気料金を払わされてきた我々消費者にある。
 
古賀茂明
昨日の報ステ、橋下市長の弁舌はいつも通りだか、驚いたのは古舘さんの勇気あるコメント。関電名指しで橋下電力改革を既得権益との戦いだとしてエール。テレビMCが初めてタブーに自分の言葉で触れた。テレ朝やABCにすごい圧力がかかるかも。みんなの声がサポートになるはず。


                                                                                               2012年1月8日5時0分

東電、10議員を「厚遇」 パーティー券を多額購入


東京電力が電力業界での重要度を査定し、自民、民主各党などで上位にランク付けしてパーティー券を購入していた計10人の国会議員が判明した。電力会社を所管する経済産業省の大臣経験者や党実力者を重視し、議員秘書らの購入依頼に応じていた。1回あたりの購入額を、政治資金収支報告書に記載義務がない20万円以下に抑えて表面化しないようにしていた。
また、東電の関連企業数十社が、東電の紹介などにより、多数の議員のパーティー券を購入していたことも判明した。
複数の東電幹部によると、東電は、電力業界から見た議員の重要度や貢献度を査定し、購入額を決める際の目安としていた。2010年までの数年間の上位ランクは、いずれも衆院議員で、自民では麻生太郎、甘利明、大島理森、石破茂、石原伸晃の5氏、元自民では与謝野馨(無所属)、平沼赳夫(たちあがれ日本)の2氏。民主では仙谷由人、枝野幸男、小沢一郎の3氏だった。
http://www.asahi.com/national/update/1201/TKY201111300881.html
2011年12月1日10時0分

「脱原発は困る」 電力労組、民主議員に組織的な陳情

全国の電力会社や関連企業の労働組合でつくる「電力総連」が、東京電力福島第一原発の事故後、原発存続に理解を得るための組織的な陳情活動を民主党の国会議員に展開していたことが分かった。2010年の政治資金収支報告書によると、全国の電力系労組13団体が組合員らから集めた「政治活動費」は総額約7億5千万円。この資金は、主に同党議員の支援に使われ、陳情活動も支援議員を中心に行ったという。
同党の有力議員の秘書らは「脱原発に方向転換されては、従業員の生活が困ると陳情を受けた」「票を集めてくれる存在だから、選挙を意識して対応せざるを得ない」と証言。電力総連関係者は「総連側の立場を理解してくれた議員は約80人」と見積もる。豊富な政治資金を持つ電力総連が、民主党側に影響力を行使する実態が浮かび上がった。
収支報告書などによると、全国の電力10社と関連3社の各労組の政治団体は10年に、組合員ら約12万7千人から会費などの形で約7億5千万円の「政治活動費」を集めた。うち計約6400万円が、電力総連の政治団体「電力総連政治活動委員会」に渡っていた。
活動委は同年、東電出身の小林正夫・民主党参院議員(比例区)の関連政治団体と選挙事務所に計2650万円、川端達夫総務相の政治団体に20万円などを献金。小林議員は同年の参院選で再選を果たした。

2012年1月8日日曜日

原発危機に対する危機感落ちていませんか

今年の1月1日の朝日新聞の第1面のトップ記事は秀逸だった。普通ならば正月らしい記事に彩られるところだが、正月早々、原子力安全委員会委員長の斑目氏をはじめとする委員、審査委員だった24人が過去5年間電力会社や原子力関連企業から約8500万円の寄付を受けていたというのである。

このたび明らかにされたのは、過去5年間のデータにすぎないから、御用学者たちが過去何十年にもわたって、我々が支払わされてきた高い電気料金から、もっと巨額な資金を黙って受けていたことは、想像に難くない。

斑目氏は「便宜図っていない」というが、多くの国民の命に関わるような原発の安全審査に関わる国の要にいる人達が、企業と金のパイプで堅く結びついているなどというようなことが黙って許されていいのだろうか。

朝日新聞には斑目委員長と代谷京大原子炉実験所長の他9名ほどの名前が挙げられていたが、本来は全員の名前を記すべきであるし、どんな研究支援を受けた某が、審査の場や、原発再稼働に関する議論の場で、これまでどんな審査・発言をしてきたか白日のもとにさらし、その彼らが今後どのような立場でどんな審査・発言をするのか、メディア各社は、目を光らせ、しっかり報道すべきである。

このニュースが報道されてから、日本のメディア各社の動向に注目してきたか、いずれも黙認したままである。以下は、京大小出氏の原発安全収束宣言に対する発言である。

原発を支えてきた御用学者たちはせめてもの罪滅ぼしとして、これまで企業から供与された寄付金全額をフクシマの被災者支援のために返還して当然であると考えるのは、薔薇っ子だけだろうか。

http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/12/31/tvasahi-dec29/#more-2759
12月29日 私から見ると今現在、戦争が続いているのです 小出裕章(そもそも総研)

12月29日(木)、テレビ朝日モーニングバード「そもそも総研」に小出裕章氏がVTR出演されました。録画情報をstakさま、しんちゃんさまより教えていただき、文字おこしをしんちゃん様よりご提供いただきました。
今回のテーマは、「そもそも今年のキーパーソン2人は日本の危機をどう捉えているのか?」で、出演者のもうお一人は古賀茂明氏です。
録画
内容文字おこしは以下の通りです。(小出裕章氏の発言箇所周辺のみ)

=====
「反原発訴え続け40年 ”冷温停止”はもうできない」

玉川「原発のリスクについては小出助教にうかがっています。VTR

小出「私から見ると今現在、戦争が続いているのです。」

ナレーション:12月16日、政府による事実上の原発事故”収束宣

言”が出されました。あたかも原子炉の状況がこれ以上悪くなること

ないとでも言いたげな印象を与えました。しかし、原発の危険性

を訴え続けてきた小出助教は、いまだ私達が安心できる状況に

ないと警鐘を鳴らします。

玉川「原子力の専門家の方々の中では”冷温停止”というのは何を

指す言葉なのですか?どういう状態をいうのですか?」
小出「原子炉圧力容器という圧力釜が健全で、中に水がたまると、

穴が開いていないというそういう状態で、炉心がその水の中に浸

かっている、そしてその水の温度が100℃を超えないというの

が”冷温停止”という概念。」

玉川「ということは、圧力容器をもう破って、格納容器すら破ってい

るという状況の中で、もう”冷温停止”っていう言葉自体が本当は

かしいわけですね。」

小出「そうです。そんな言葉を使うこと自身がもう著しくおかしい

し、工学的に言うならば、常識をはるかに逸脱したことを言って

るわけです。

玉川「政府が言っている”冷温停止”を解釈するとですよ、何をもっ

て”冷温停止”しているという言い方になっているわけですか?」
小出「少なくとも”冷温停止”という概念が適用できないということは

確実なんですけども、政府や東京電力はもう仕方がないから”冷温

停止相当”のというような、まあそういうような表現にしているわけで

すが、圧力容器もまあ100℃を超えていないで蒸気がどんどん噴

き出してくるような状態ではないということをもって”冷温停止”と。」

ナレーション:小出助教は、1号機で落ちた燃料の高熱によってコ

ンクリートが65㎝溶けている可能性があるという東京電力の見解

も、科学的にはなんら証明されたものではないと言うのです。

小出「皆さん想像してほしいんですけれど、コンクリートの床があっ

てですね、その上に2800℃を超えた瀬戸物の・・溶けた瀬戸物

が落ちてくるわけです。その溶けた瀬戸物がコンクリートを溶かし

ながら今下にめり込んでいっていると言っててるわけですね。東京

電力もそう言っている。その時に、水を例えば上からかけたとして

も、瀬戸物の表面は冷やすことが出来るだろうけれども、コンクリー

トの中にめり込んでいっているその溶けている塊はもう冷やせない

わけですよ。」
玉川「ということは、そのままもっとめり込んでいっていることが・・」
小出「多分めり込んでいっているんだろうと思っているのですね。

それがもうすでに突き抜けているのかもしれないわけだし、誰もそ

れを確認することができないという状態。」

=====

「収束はしていない原発に潜むさらなる”危険性”」

ナレーション:さらに彼の心配は原子炉以外にも及んでいます

小出「今現在、4号機のプール等が崩壊するかもしれない。」

ナ:福島第一原発で過酷事故を起こした4つの原子炉。その中で

原発2基分の使用済み核燃料を今も冷やし続けているのが4号機

の燃料プールです。
玉川「4号機のプールの崩壊というのは、例えば新たな地震とかそ

ういうふうなものでということですか?」
小出「はい。私が怖れているのは、”地震”ですし、多分東京電力も

それを怖れていて、4号機のプールが崩壊をしてしまうかもしれな

いということで、プールを支える柱とか壁とかの補強工事を、かなり

長い時間をかけてやったと思います。プール自身が崩壊するよう

なことになれば、水はもちろん流れちゃうわけですし、燃料棒とい

うものが空気中に剥き出しになりますので、そうなれば溶けてしま

います。」
玉川「使用済みだけど冷やさなきゃ、やっぱりそれでも溶けるんで

すね。溶けてしまえば・・」
小出「飛び出てきてしまいます。」
玉川「あーっ」
小出「4号機はかなりあの際どい状態に私はあると思いますし、そ

のプールを崩壊させないようなことはやらなければいけない。」

=====

「反原発訴え続け40年”学者としての責任”」

ナレーション:事故の第一義的な責任はもちろん東京電力にありま

す。しかしこの事故の背景には、何が何でも原子力政策を推し進

めたかった政府と官僚の思惑があり、そしてその思惑を裏から支

え続けた大学の研究者たちの存在がありました。

玉川「今回ほどいわゆるその学者の責任が問われたことはない

じゃないかと思うんですが、いわゆるまあ御用学者というよう

な人たちの存在がずいぶんあのクローズアップされたと思うんで

すけれども、そういう人たちの存在をまあ対極にいらっしゃった立

場としてはどういうふうに見ますか?」

小出「自分が何か間違いをすれば自分で責任を取るしかないと思


いますし、原子力を推進してきた人たちだって、自分がこれまで

ってきたことの意味というのをちゃんと自分で考えてそれなり

の責任を明確にする、そして責任を取るということをやるべきだ

と私は思っているのですが、残念ながら誰一人としてやらな

い。チャップリンが(殺人狂時代という)映画を作った。えー、その

中で「一人殺せば殺人者だけれども、100万殺せば英雄だ」という

言葉を言わせているんですね。もし私が誰かに被ばくをさせる、法

律を超えて被ばくをさせるようなことをすれば、私は犯罪者として

国から処罰をされたはずだと思いますけれども、その国、あるいは

まあ巨大産業である東京電力は、何百万人の人に今被ばくをさ

ているわけですね。それでも誰も責任を取らない。ぬけぬけ

とこのまま逃げおおせるというようなことは、私は許したくないと

思います。」

ナレーション:廃炉まで少なくとも数十年。次の世代まで引き継が

れるあまりに重いこの現実。最後に私はこの問いを投げかけた

玉川「ずっと今まで小出先生が主張してきたことが、事故という形

で正しいということが立証されてしまったわけですよね。それにつ

いてはどうですか?」
小出「言葉に尽くせず無念ですね。もう最終的な敗北を私はさせ

られたと。」

スタジオ玉川「敗北したと。この敗北は小出先生だけじゃなくて日

本人全体の敗北だと思いますけど。」

玉川まとめ「私が一番心配してるのは、そういう危機に対する関

がですね、この原発に関してもやっぱり落ちてきているんで

よ。これが一番危機だと思います。


===文字おこし以上です===