2012年8月29日水曜日

原子力ムラの懲りない面々(続き)

 フクシマの瓦礫を全国に分配し、欲に釣られて、放射能にまみれた瓦礫を引き受けた自治体を礼賛する一方、フクシマ周辺の放射能汚染の影響を過小評価して立地自治体住民の帰村を促し、原発災害、高線度の放射能もれのせいで病む人、亡くなる人たちがあっても、直接の因果関係はないと断定し、原子力規制に規制をかけるに違いない、原子力ムラの村長級であった人物を規制委員会のトップに据える?

黒川清国会事故調査委員長は、人事決定のプロセスが不透明であることを指摘しているが、正気の沙汰とも思えない常軌を逸した人事である。。

「国民の安全が第一」などという弁明が空々しく、虚空に響く。。。

民主党閣僚もひどいが、未だに96%が、脱原発の必要性を認めず、財界と癒着する自民党のしろあり大軍団も大変罪深い。

金子勝氏のツイッターより

黒川国会事故調査委員長が、原子力規制委員会人事で候補者の決定プロセスが不透明、規制庁職員のノーリターン・ルールも曖昧と批判。原子力村をチェックする国会同意人事規定なのに、例外規定を使って野田め首相が決めるという動きもあるが、とんでもない。
2012年8月28日 - 22:16 ·

「国民の安全が第一」=田中氏が弁明書―規制委人事

政府が提示した原子力規制委員会の国会同意人事案で、初代委員長候補となった田中俊一前原子力委員会委員長代理は23日、衆院議院運営委員会理事会に弁明書を提出した。田中氏はこの中で、規制委の独立性・透明性の確保に全力を挙げる決意を示し、「国民の安全と健康を第一に考える原子力の規制を私の手で実現させる」と約束した。 

[時事通信社]


規制委人事、異論に困惑=野田首相

野田佳彦首相は1日夜、都内の日本料理店で民主党の大久保潔重、川上義博両参院議員らと会食した。大久保氏によると、新設される原子力規制委員会の初代委員長に田中俊一氏を起用する国会同意人事案に出席者が異論を唱えたのに対し首相は「経歴から問題ないと聞いた」と困惑した様子だったという。 

[時事通信社]

核燃サイクル:秘密会議問題 18弁護士、告発状提出 原子力委員長ら27人、文書漏えいで

毎日新聞 2012年07月19日 東京朝刊

 http://mainichi.jp/select/news/20120719k0000m040026000c.html

原子力委秘密会議:全国18弁護士が最高検に告発状

毎日新聞 2012年07月18日 18時41分(最終更新 07月18日 20時35分)

内閣府原子力委員会の近藤駿介委員長らを刑事告発するため、検事総長に告発状を提出後、会見を開く(左から)弁護士の高橋洋平氏、望月賢司氏、紀藤正樹氏=東京都千代田区の司法記者クラブで2012年7月18日、猪飼健史撮影
内閣府原子力委員会の近藤駿介委員長らを刑事告発するため、検事総長に告発状を提出後、会見を開く(左から)弁護士の高橋洋平氏、望月賢司氏、紀藤正樹氏=東京都千代田区の司法記者クラブで2012年7月18日、猪飼健史撮影

内閣府原子力委員会による秘密会議問題で、全国18人の弁護士が18日、最高検公安部に告発状を提出した。近藤駿介原子力委員長ら27人が、「表」の小委員会で使用予定の議案や原発反対派の作成した意見書など計32件402ページの文書を、電気事業者に漏えいした行為が国家公務員法(守秘義務)違反容疑などに当たるとしている。

 18人は「脱原発弁護団全国連絡会」に所属する北海道、東京、愛知、大阪、福岡など11都道府県の弁護士。

告発状は、近藤委員長を含む5人の原子力委員▽内閣府▽文部科学省▽経済産業省・資源エネルギー庁の各職員ら計27人が、昨年11月〜今年4月の秘密会議で、外部への配布が許されない「機密性2情報」と明記された文書などを事業者7人に渡したとしている。

 告発人の紀藤正樹弁護士は会見で「反対派を封じ込めるために秘密会議を開いていた。民主主義の根幹である『手続きの適正さ』にかかわる問題」と強調。望月賢司弁護士は「告発は5人の原子力委員を解任しない政府への抗議だ」と述べた。内閣府原子力政策担当室は「告発の有無を確認中で(現段階では)コメントのしようがない」としている。【核燃サイクル取材班】含む5人の原子力委員▽内閣府▽文部科学省▽経済産業省・資源エネルギー庁の各職員ら計27人が、外部への配布が許されない「機密性2情報」と明記された文書などを事業者7人に渡しhttp://mainichi.jp/feature/news/20120727ddm001010004000c.html

核燃サイクル:秘密会議問題 メール削除 司会役、隠滅の疑い

毎日新聞 2012年07月27日 東京朝刊

 内閣府原子力委員会が原発推進側だけで「勉強会」と称する秘密会議を開いていた問題で、司会役だった内閣府原子力政策担当室の職員(当時)が、パソコンから大半の関連メールを削除していたことが関係者の話で分かった。内閣府が設置した検証チームなどが2回にわたり関連資料の提出を要請した後に実行しており、意図的な隠滅の疑いがある。事態を重視した検証チームは、内閣府のサーバーからメールを復元する作業に乗り出した。

 この元職員は山口嘉温(よしはる)・上席政策調査員(当時)。秘密会議問題発覚後の事務局(原子力政策担当室)態勢見直しに伴い、6月末に内閣府を退職して7月1日付で出向元の「日本原子力発電」に戻った。

 最初に資料提出を求めたのは、原子力政策担当室の中村雅人参事官。6月上旬、同室職員に対し、自主的にパソコンを調べ関連するメールを発見次第提出するよう指示した。

 2回目は後藤斎(ひとし)・副内閣相をトップとする検証チームが要請。6月14日、秘密会議に出席していた近藤駿介・原子力委員長や原子力委員4人▽原子力政策担当室▽経済産業省・資源エネルギー庁▽文部科学省▽電力会社の各職員らにメールを含む全関連資料の提出を求め、秘密会議の実態解明を進めている。

  検証チームは6月11日、後藤副内閣相と内閣府職員の計7人(現在10人に増員)で発足。「内部調査に過ぎない」と厳しい批判を受けたため、今月13日、企業の危機管理に精通する国広正弁護士と高巌(たかいわお)・麗沢大経済学部長(企業倫理)を顧問に招いた。メールの復元は国広弁護士の指示で、来週末をめどに検証結果を公表する方針。

 山口氏は取材に対し「必要のないメールは消しており(担当室を)退職する時にも消した」と6月末に削除したことを認めた。「意図的な隠滅ではないか」とただすと「それはない。いらないと思ったから消した。第三者の指示は受けておらず、自分の判断で削除した」と話した。【核燃サイクル取材班】

2012年8月28日火曜日

原子力ムラの懲りない面々

 いつまでもお盛んなことでけっこうなことである。原発を推進してきた近藤原子力委員長に、委員長代理の田中俊一氏、それに国のほとんどの原発の安全審査に携わってきたという新潟県原子力安全対策課の技術委員の衣笠善博氏、皆さん現役で、今後の国の原子力政策を推進しようと頑張っておられるそうである。

3.11の反省も言葉ばかり。本当に責任を感じているのならば、フクイチの原発災害現場の最前線に毎日立って陣頭指揮をするか、その勇気すらなければ、黙って静かにお引き取り頂くか、どちらかにして頂きたいものである。

日本が周辺諸国に甘く見られるのは、国を牽引すべき立場におかれた政財官をリードする人間集団が国家の利益、公共の利益を一切省みず、既得権益を堅持するために、この期に及んでも、野放図に、こうした原子力ムラの懲りない面々を重用し続けようとしているからではないのか。  
以下、金子勝氏のブログ、毎日新聞、講談社の現代ビジネスからの記事を転載する。 


金子勝氏ツィッターより

【未来予想図1】業界・担当官庁を集めた原子力委員会の秘密会議問題で、原子力委員会事務局も資源エネ庁も「議事録はない」としていたが、内閣府の検証チームの報告が出た後に7回分を出した。ここでも検証を妨害?何たる隠蔽体質。事故はまた起きる…。
2012年8月25日 - 12:24 webから
【未来予想図2】近藤原子力委員長は、秘密会議を技術的会合にすぎないとしていたが、原発維持へ誘導を図っていた。新大綱策定会議の脱原発派委員が原発依存度ゼロを主張するが、両論併記にして、最後は原子力委員会が引き取って、コントロールすると。ゼロベースの見直しも嘘なぜ辞任しないのか
2012年8月25日 - 12:25 webから
【未来予想図3】かつて田中俊一も原子力委員長代理として、この種の秘密会議に出ていた。おまけに、新規制委員会の委員候補には推進側の原子力研究開発機の新旧役員がなる。福島原発事故にもかかわらず原子力委員会よりも委員構成が更に悪化。この問題は、新しい原子力規制委員会の未来予想図です。
2012年8月25日 - 12:28 webから

核燃サイクル:秘密会議問題 原子力委員長が主導 原発依存度「コントロールできる」

毎日新聞 2012年08月25日 東京朝刊

内閣府原子力委員会が原発推進側だけを集め「勉強会」と称する秘密会議を開いていた問題で、近藤駿介原子力委員長が有識者会議「新大綱策定会議」を巡り昨年12月8日、原発依存度について「最後はコントロールできる」と自ら原発維持の方向で取りまとめる方針を明らかにしていたことが分かった。毎日新聞の情報公開請求に対し、経済産業省資源エネルギー庁が24日開示した職員作成の議事メモに記載されていた。近藤委員長の発言内容が明らかになったのは初めて。(3面に解説と議事メモ要旨)

 秘密会議は昨年11月〜今年4月、計23回開かれ、近藤委員長は1回目から連続4回出席したことが判明している。近藤委員長はこれまで秘密会議への出席を認める一方「あいさつしただけ」とし監督責任にとどまるとの見解を示していた。議事メモによると、策定会議や核燃サイクル政策を議論する有識者会議(小委員会)の議題も指示しており、秘密会議を主導していた実態が判明した。

 エネ庁が公開したのは7回分計58ページの議事メモ。このうち昨年12月8日分に近藤委員長の発言があり、将来の原発依存度を話し合った策定会議について「円滑に議論は進まないかもしれないが、いざとなれば(原子力)委員会が引き取る。(議論がまとまらず、依存度ゼロかどうか)両論併記としても最後の打ち出し方はコントロールできる」としていた。当時、原子力委は策定会議の議論をベースに原子力政策全般を定めた「新大綱」を作成する方針で、「最後の打ち出し」は新大綱を指し、原発維持で結論づける姿勢を示した。

 同日分のメモによると、近藤委員長は「論点ペーパーをまとめてみたので、これをベースに大綱(策定)会議で議論してもらったらどうか」「(高速増殖原型炉)もんじゅについて(次の)小委員会で検討したらどうか」などと指示していた。

エネ庁、文部科学省、電力事業者らで開いていた秘密会議は5月24日、毎日新聞の報道で発覚。策定会議メンバーから批判が噴出し、同会議は5月29日を最後に開かれていない。原子力委はメンバー入れ替え後の再開を予定しているが人選が進んでおらず、新大綱作りはストップしたまま。近藤委員長は24日、取材に対し「(議事メモの発言は)自分にとってはあいさつの世界。委員長としての決意を語っただけ。(新大綱は)最後は私の責任でやる」と話した。核燃サイクル取材班】


http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33328              

現代ビジネス
「経済の死角」               2012年8月25日(土曜日)フライデー


現地徹底ルポ:危険地域への建設を黙認してきた国と御用学者の大罪を暴く:大飯・志賀原発を破壊する「M7級活断層」


「誰にも言わんけど、ホンネを言えばおっかないよ。活断層があるかも知れないのに、今も(原発は)動いてるんだから」

 緑が生い茂る山と、穏やかな海に囲まれたおおい町(福井県)で出会った老婆は、日差しの下で顔をしかめた。

 原子力安全・保安院は関西電力の大飯原発と北陸電力の志賀原発(石川県)の敷地の下に活断層がある疑いがあるとして、7月18日に両社に断層の再調査を命じた。しかし、大飯原発3号機と4号機はフル稼働中だ。政府は「念のための調査」であることを強調しているが、本当に念を入れるなら、運転を中止して調査をするのが筋であることは、子供でも分かる論理だ。言うまでもないが活断層は突然出現するものではない。再調査は立地時の審査では見逃されていた活断層を調べ直すことを意味する。

 一体なぜ、今になって活断層が〝発掘〟されているのだろうか。

原子力安全・保安院や原子力安全委員会は、原発を建てたいがために、『御用学者』に杜撰な審査をさせ、それを認めることで活断層の上にも原発を建ててきたんです。大飯や志賀以外の原発からも、これからボロボロ活断層が見つかる可能性がある。さしあたり危惧されているのは、大飯原発の2号機と3号機の間を横切る『F–6断層』です。私が5月に見た資料には、岩盤と岩盤が擦れた時にできる軟らかい粘土や、細かく砕かれた岩のスケッチが描かれていた。活断層であることを示す典型的な地層です」

こう警鐘を鳴らすのは、東洋大学社会学部教授の渡辺満久氏(55)。変動地形学の第一人者で、「原発ゼロの会」の議員が作成した「原発危険度ランキング」の活断層評価に携わり、大飯と志賀の再調査決定に大きく影響を与えた人物だ。

 球形の原子炉建屋の直下に、幾本も走っている

前述のF–6断層は、大飯原発から1kmの距離にあるFO–Aという海底の活断層と連動してズレる可能性が高い。その場合、M7.6~7.8クラスの揺れが原子炉を襲う可能性もあります。あろうことか、F–6断層の上には、原発の最重要設備である『Sクラス』に分類される『緊急用取水路』が走っている。なぜこんな審査が通ったのか、理解に苦しみます」

 大飯原発の3号機と4号機が営業運転を開始したのは'91年と'93年。志賀原発の1号機と2号機は、'93年と'06年だ。当時、両原発で恣意的に活断層が見逃された疑いは拭えない。

 大飯原発は毎秒80tもの海水を冷却のために要している。冷却システムが機能しなくなった時、非常用の冷却水を確保するための設備が緊急用取水路だ。その真下の活断層が動いた時に原子炉が冷やせなくなれば、メルトダウンの悪夢が繰り返されることになる。原子炉格納容器の元設計者で、原子力安全・保安院の「ストレステスト意見聴取会」の委員を務める後藤政志氏は次のように言う。

真下にある活断層がズレたら、原子炉はアウトです。大飯原発のようなPWR(加圧水型原子炉)の場合、格納容器の厚さは2m。地面が1mもズレたら、真っ二つに割れる。そうでなくても、地面がズレたら原子炉は自重を支えることはできません。仮に倒壊を免れた場合でも、原子炉が傾けば制御棒が入れられなくなると考えるのが自然です」

渡辺氏は「志賀原発もM7超の地震に襲われる可能性がある」と警告する。M7級は、阪神・淡路大震災に匹敵する規模の巨大地震だ

審査を骨抜きにする男

 再び冒頭の問いに戻る。なぜ、活断層の上に原発が建てられたのか。

 鍵を握るのは、旧通産省の工業技術院地質調査所に20年超も在籍し、原発の立地審査に携わってきた衣笠善博氏(67・東工大名誉教授)という人物だ。『福島原発事故の「犯罪」を裁く』(共著)などの著者で作家の広瀬隆氏は、衣笠氏が杜撰な審査を主導してきたと指摘する。

「私は福島第一原発事故を招いた当事者たちを、『業務上過失致死傷罪』で東京地検に告発しました(8月1日、受理)。その被告の一人が活断層の審査に携わり、活断層を短く見積もったり、なかったことにして審査を骨抜きにしてきた衣笠氏です。'09年に行われた福島第一原発の耐震安全性評価(バックチェック)をはじめ、彼は日本中のほとんどすべての原発の審査に関わっています」

 衣笠氏が審査に携わった東京電力の柏崎刈羽原発(新潟県)は、'07年に直下型地震に襲われ、放射性物質を含む水が漏れた。また、中国電力の島根原発3号機の設置審査の際、8kmと値切った島根原発周辺の活断層は、後に22kmに訂正されている。この審査で衣笠氏は中国電力を技術指導するとともに、国の審査にも関わっている。申請する側と審査する側の一人二役を務めているのだから、公平な審査など望むべくもない。

 また、衣笠氏は志賀原発の審査でもひとつながりの活断層を無理矢理3つに分けて評価し、想定地震規模を過小評価したと指摘されている。このため、'07年の能登半島地震では、志賀原発は〝想定外〟の揺れに襲われることになった。前述の島第一原発のバックチェックでは大津波の可能性を指摘する声を無視し、周辺の断層の長さを〝値切る〟ことに終始した。衣笠氏は、現在も新潟県原子力安全対策課の技術委員会のメンバーとして活動している。杜撰な審査を続けてきた衣笠氏をつくば市内の自宅で直撃した。

---フライデーですが、原発立地審査の件で質問があります。

「は? 一切、答えられませんよ!」

---活断層の評価について・・・・・・

「(カメラマンに向かって)あなたは現行犯で、私の肖像権を侵したんですよ!」

 実のある答えは得られなかった。

規制トップに原子力ムラの村長

原子力規制委員会のトップに就任すると見込まれている田中氏。長年、原子力ムラの〝村長格〟だった人物だ

 そんな中、政府が新設する原子力規制委員会のトップに、原発行政を牽引してきた原子力委員会の元委員長代理、田中俊一氏(67)を据えようと画策している。「原発ゼロの会」の中心的メンバーで、衆院議員の河野太郎氏が言う。

「細野豪志原発担当相は、『原子力委員会は極めて情報公開に後ろ向きで問題があった』と認めている。それなのに、その幹部に規制を任せるというのは、あり得ない話です。田中氏は完全に原子力ムラの人間。国民をバカにした人事です」

 また、田中氏は昨年原子力関連団体から、講演の謝礼として29万円を受け取ったことが判明している。本誌は田中氏を直撃したが、何一つ答えることはなかった。田中氏は8月1日、国会の所信表明で「活断層の評価で精査が不十分だった可能性がある」と語っているが、厳しい規制はできるのか。

 フクシマの教訓は何一つ生かされず、責任を取る者もいない。どの原発が第2のフクシマになろうとも、不思議ではない。

「フライデー」2012年8月24・31日号より

活断層カッターの異名を持つ衣笠氏を直撃。路上で声をかけると激高し、カメラマンを壁に押しつけてきた

2012年8月26日日曜日

この温度差!: 国民の声に耳を貸さない国会議員とは、これいかに?

 税金の無駄遣いにもいろいろあるが、なかでも、現存の国会議員の定数削減と大幅な給料削減こそ増税を課す前に日本政府がなすべき必至の課題である。

官僚、産業界と結託して既得権益を守ることしか頭にない議員はまさに百害あって一利なしである。

以下では、朝日新聞が行った国民と国会議員の原発に対する意見調査の結果をそれぞれ転載するが、10年以内に原発を廃止してもらいたいという国民が60%にも上っているというのに、議員では、30年以内に原発をすべてなくするという意見に賛同したものは、たった42%、自民党の議員にいたっては、脱原発を唱えた議員はわずか4%に過ぎなかった。

国民投票によって選ばれた議員が、民意など全く意に介さず、私利私欲に走っているか、この2つアンケート調査の結果を見ても、歴然としている。

もはや、国会議員に任せていては、中央官僚や大企業に阿った政治が行われるだけであり、現行のようなシロアリが既得権益を拡大するためにあるような日本の政治・行政システムを維持している限り、国は衰退の一途を辿るばかりで、未来への展望は何も開かれない。

政府は24日、閣議で原子力規制委員会人事案を原案通り決定し、原子力ムラの田中俊一氏を委員長に当てた。与野党からは人事案の差し替えを求める声が上がっているとはいうが、採決されない場合は、設置法附則に基づき、国会の同意なしで、野田首相の権限で委員長を任命することができるという。まさに今の日本は、国民の声を無視した、民主党による独裁政権による暴挙以外のなにものでもない。

かくなる上は、国の代表は直接的な選挙によって選ぶべきであるし(選ぶに足るような人材に欠くことが日本が抱える最も大きな問題ではあるが--)、一刻も早く、スイスのように国民投票制を導入し、原発の廃止、エネルギー、税金、基地、国防問題など、国民の安全、生命、生存に関わるような重要案件については、すべて国民投票で決定すべきである。日本の国民は、シロアリどもに心配してもらわなければならないほど、愚かではないのだから---。 

2012年8月26日3時2分

国会議員「原発ゼロ」支持42% 朝日新聞アンケート

2030年時点の原発割合など新しいエネルギー政策について、朝日新聞社は全国会議員を対象にアンケートを実施した。原発割合「0%」を支持する意見が全体の42%。民主党でも40%を占め、「脱原発」の志向が強まっていることがわかった。ただ、自民党はわずか4%にとどまった。

 7月下旬から衆参両院の721人に書面で質問し、25日までに記者会見などでの取材を含め計434人(60%)から回答を得た。

 政権が示した30年の原発割合をめぐる三つの選択肢では、「0%」が42%、「15%」が11%、「20~25%」が3%となった。東京電力福島第一原発事故を契機に、「原発ゼロ」への転換を目指す意見が目立つ。

図:2010年の原発比率は


2012年8月25日0時39分

脱原発「10年以内に」6割 朝日新聞世論調査

朝日新聞社が実施した全国世論調査(郵送)によると、今から10年以内に脱原発を求める人が6割に上った。政府は2030年の原発の割合を検討中だが、多くは「30年よりもっと早い時期に原発ゼロを」と考えているようだ。

 「原子力発電を全面的にやめるとしたら、いつごろが適当か」と7択で尋ねると、「すぐにやめる」16%、「5年以内」「10年以内」が各21%で、10年以内に脱原発を望む人が計58%となった。他の選択肢は「20年以内」16%、「40年以内」6%、「40年より先」2%、「将来もやめない」8%だった。

 併せて政府が検討している30年の電力割合3案について、再生可能エネルギーと火力発電の割合も示した上で考えに最も近いものを選んでもらうと、「原発0%案」が49%、「15%案」が29%、「20~25%案」が12%となった。

2030年の原発の割合は?

図:2030年の原発の割合は?拡大

2012年8月25日土曜日

Two lame ducks in Asia

 古今東西、政治家というものは自分の政治生命が危うくなると、メディアを懐柔し、ナショナリズムを駆り立てて、現政権への求心力を高めようとやっきになるものである。

隣国の代表がこの時期に領有権問題を激しく主張する、強硬かつ挑発的な行為に出た。これは、支持率が低下し、政権維持が危ういとされているLame Duckの起死回生の一手でしかない。

オリンピックも終わり、スポーツナショナリズムが一気に沈静化し、いよいよ国民の眼差しが原発再稼働反対、オスプレイ配備、増税など、国内問題へと向かいかけた頃合いに、計算したかのような絶妙のタイミングで、突然降って湧いた領有権問題。メディア各社は「待ってました」といわんばかりに一斉にそれに飛びつき、国民の眼差しを外に向けさせ、冷えかけたナショナリズムを再燃させようと余念がない。

平素は何があってもどこ吹く風とぬるりぬるり詭弁を弄するばかりで、自らが指名されても他の閣僚に答弁を任せることの多い日本のLame Duckだが、ここに来て領有権問題が出現した途端に勢いづき、異例のテレビ記者会見を開き、隣国の行為に我が国は淡々と冷静に対応すべきとはいいながらも、「我が国固有の領土でる離島の主権を確保するということは、海洋国家日本の「壮大なフロンティアを守るということにほかならない」などとナショナリズムをむき出しにし、具体性に欠いた意味のない長ったらしい演説を意気揚々と行った。

昨日の参議院予算委員会の最後のトリの質問は、与党の若い女性議員によるオリンピックのメダル数が最多でよかったというような、全くとるに足りないくだらない質問で終わった。スポーツ振興が悪いというつもりはないが、今は、こうした馬鹿馬鹿しい答弁に無駄な時間を費やすべき時であろうか。

可及的速やかに解決しなければならない深刻な国内問題が山積する中、領有権問題だの、オリンピックだのと政府も大型メディアもひたすら国民のナショナリズムをかき立て、関心を外にそらせることに熱心なのはなぜなのか。

玉川徹氏、金子勝氏のツイッターでは、領土問題の影でこそこそと、細野原発相が、反対の多い規制委員会の人事を強行突破するつもりではないかということを懸念している。

領土問題の高まりの陰で国内問題がないがしろにされないか危惧している。例えば各方面で拒否感の強い規制委人事案が今のまま採決されようとしている点だ。今日総理会見があるらしいが、対外強硬姿勢で国民の目を外に向けさせ、国内問題を処理しようという思惑があるとしたら…。うがちすぎだろうか

2012年8月24日 - 2:10 webから


金子勝氏ツィッターより


【原子力ムラ委員会3】この人、福島原発事故後も「謝罪」をしたが、何が悪かったかは具体的に言わない。反省したふりをして、東電救済のために福島を見殺しにしても平気。具体性のない「反省」を口にするだけの彼は、「政治家」であって科学者ではない。一番、委員長にしてはいけないタイプです。

2012年8月23日 - 17:01 webから ·


【原子力ムラ委員会2】田中俊一が「国民の安全を第一」にやるとの弁明書を提出。賠償費用削減のために、100mSv以下は健康に被害ない、20mSv未満は自主避難賠償せず、除染基準や食品安全基準の引き下げに反対した。どこが国民の安全が第一?

2012年8月23日 - 16:59 webから


【原子力ムラ委員会1】


電力不足の嘘で安全無視の大飯原発再稼働に続いて、民主党内部の反


対を押し切り細野大臣は約束を破って原子力ムラによる原子力規


委員会人事を強行するつもり。また最後は前原誠司に一


任?や、この党は壊した方がいい

2012年8月23日 - 16:56 webから



規制委人事に異論相次ぐ=採決で造反も-民主合同会議

 民主党は23日、環境部門・原発事故収束対策プロジェクトチーム合同会議を衆院議員会館で開き、政府が国会に提示した原子力規制委員会の同意人事案への対応を協議し、初代委員長候補の田中俊一氏について「ふさわしくない」との異論が相次いだ。
 規制委人事に関して政府が示した欠格要件には「直近3年間に原子力事業者等の役員等であった者」との項目があり、反対派は2009年末まで内閣府原子力委員会委員長代理だった田中氏はこれに該当するとしている。ただ、政府は人事案を変更しない方針で、近く行われる衆参両院本会議の採決では民主党から造反が出る可能性がある。(2012/08/23-19:58)

 

原発PT、環境部門合同会議で原子力規制委員会人事について、議論された。私は「このままでは、同意できない」とした、前回の合同会議の結論から、何らの前進もない。従って、同意できない。と発言。最後に、原発PT座長の荒井先生が「一任を」と、発言されたので、「一任しません」と、申し上げた。

2012年8月23日 - 16:50 Twitter for Androidから

2012年8月23日木曜日

コピペ: 核のゴミ




 核のゴミ:白紙に戻す覚悟で見直しを
 
  8月23日18時54分

原子力発電所から発生する高レベル放射性廃棄物を捨てる場所が決まらない問題を巡り、日本学術会議は、国が進める地下深くに数万年以上埋めて処分する計画は、根源的な課題で行き詰まっているとして、今の枠組みを白紙に戻す覚悟で見直すべきだとする提案をまとめたことが分かりました。
原発の使用済み核燃料から発生する高レベル放射性廃棄物を巡っては、国が地下300メートルより深くに数万年以上埋めて処分する計画を決めましたが、処分場の候補地選びは難航し、捨てる場所は決まっていません。
このため、国の原子力委員会は第三者からの意見を求めようと、科学者が集まる日本学術会議に提言を依頼し、NHKは学術会議がまとめた報告書の案を入手しました。
それによりますと、東日本大震災で、原子力政策そのものが大きく揺らいでいるなか、根源的な課題で行き詰まっているとして、今の処分の枠組みを白紙に戻す覚悟で見直すべきだとしています。
具体的には、地震や火山が活発な日本で、数万年以上に及ぶ長期にわたって安定した地下の地層を確認することは、現在の科学では限界があることを自覚すべきだとしています。
そのうえで、高レベル放射性廃棄物を数十年から数百年程度、地上や地下に暫定的に保管し、猶予期間を利用して技術の開発や国民的な合意の形成をすべきだと主張しています。
学術会議は、来週、報告書を原子力委員会に提出することにとしています。
原発は高レベル放射性廃棄物を捨てる場所がないことから、“トイレなきマンション”と批判されてきましたが、この提案は、これまでの国の方針に転換を迫る一方、問題の解決を先送りする内容ともいえ、今後、論議を呼びそうです。

核のゴミその課題

「高レベル放射性廃棄物」は、原発の運転に伴って発生する放射能レベルの極めて高い、いわゆる“核のゴミ”です。
日本では、使用済み核燃料を再処理し、プルトニウムなどを取り出す政策をとっていて、残った廃液をガラスで固めた直径43センチ、長さ1.3メートル、重さ0.5トンの円筒のものを「高レベル放射性廃棄物」と呼んでいます。
人が近づくと10数秒で致死量に達するレベルの極めて強い放射線が出ていて、その影響は数万年以上に及ぶため、処分にあたっては人の生活環境から隔離する必要があります。
経済産業省によりますと、高レベル放射性廃棄物は、表面から出る熱を冷ますために30年から50年程度、地上近くで冷却することになっていて、青森県六ヶ所村の施設に、昨年度末で1500本余りが保管されています。また、各地の原発の敷地内などに2万2000本余りに相当する量の使用済み核燃料がたまっています。その重量は合わせて1万2000トン余りに相当します。
高レベル放射性廃棄物を巡っては、国が平成12年に定めた法律に基づいて、電力会社が中心となって作った組織が、平成40年代後半の処分開始を目指し、全国の市町村から処分場の候補地となる調査地点を公募しています。
国は応募を積極的に促すために、最初の2年間だけで20億円という交付金を設けました。しかし、応募したのは平成19年の高知県の東洋町だけで、東洋町では賛否を問う町長選挙を経て町長が交代し、応募は撤回されました。

こうした背景には、住民の間に安全性に対する根強い不安があり、高レベル放射性廃棄物を最終的に捨てる場所は、国内では決まっていません。
高レベル放射性廃棄物の処分を巡っては、原発があるほかの国でも共通した課題で、フィンランドでは2001年に、スウェーデンでは去年、使用済み核燃料をそのまま地下に埋める処分場の場所が決まっています。
また、ドイツは1977年に地下の岩塩の地層に、アメリカは2002年、砂漠地帯の地下に使用済み核燃料などを処分する方針が一度は決まったものの、政権の交代で計画は撤回されています。
一方、カナダでは、今後60年程度、原発や専用の貯蔵施設で使用済み核燃料を一時的に管理しながら、最終処分のための準備を進めることになっています。

根本的に変える提案だ

日本学術会議がまとめた報告書の案について、福島第一原発の事故を検証した民間の事故調査委員会の北澤宏一委員長は「これまでの国の放射性廃棄物の処分に関する政策を根本的に変える提案だ」と述べました。
また、北澤委員長は「東日本大震災が日本人の楽観的な精神をひっくり返し日本のような地震国では、高レベル放射性廃棄物の処分で『安全はない』という前提を突きつけた」と指摘しました。
そのうえで、「暫定的な保管」という提案について、「放射性廃棄物の問題を一時的に棚上げするという批判は免れないものの、段階を踏みながら考えるという現実路線に沿った提案だ」と評価しています。
さらに、北澤委員長は「原子力は長期間消えない『放射能』という負の遺産を作り出し続けるという意味で、将来の子孫に迷惑を与えるエネルギーであることは紛れもない事実だ。日本のエネルギーをこれからどう転換するかという道筋を、国民全体で議論する大きな材料を与えてくれた」と話しています。

2012年8月21日火曜日

フクシマの事故で原発を廃止するのは、害のある政策か?

 何を言うのも言論の自由であるし、どんな国にも御用学者はいるものである。

原発災害発生後、日本の原子力ムラの住人の旗色は、フクシマ原発の隠蔽された事実が小出しに明るみになるにつれて、日々悪くなり、国民の反原発に向けての声は高まるばかりであり、メディアがどんなに情報操作をしようとしても、抑えきれない状況である。

そのような状況のもと、ここにきて、日本の脱原発に向けての舵取りをよしとしない米国の原発政策を支持する御用学者による、原子力ムラへの援護射撃が、20日、WSJによって行われたことは大変興味深いことである。

以下、竹内カンナという記者によって書かれた記事を転載するが、「比較的安全で地球環境に優しい原発」を廃して、「便利なものであっても、危険なものは認めない」という日本の一般市民の反原発を求める声が、あたかも、非科学的で、非経済的で、無知蒙昧な愚考であるといわんばかりの論調である。

これまでに、薔薇っ子は、このブログでなんども繰り返してきたが、それほど、「フクシマの原発災害による高線度の放射能漏れの人間の身体に与える健康被害が微小なものである」と豪語するのであれば、なぜに原子力ムラの御用学者らは、今すぐ東電のフクシマ第一原発の災害現場の最前線で、今すぐ現状改善のために自ら死力を尽くして陣頭指揮をとろうとしないのだろうか。日夜、フクイチの放射線管理地域に入って、原子力工学の、あるいは幻視力防御学の研究を行うべきではないのか。

フクシマの状況が「危険でない」、「影響がわずかである」と豪語するのなら、いつまでも遠いところから高みの見物を決め込んでいないで、自らフクイチの現場で廃炉にむけての作業の指示を行うことこそが、これまで何十年にもわたって、高い電気料金や税金から、多額の寄付や助成金を受け取り、電気事業者と結託して安全神話を作り上げてきた御用学者の、せめてもの国民に対する償いと考えるのは薔薇っ子だけだろうか。

すでに事故後、1年半近い長い時間が流れているが、原子力ムラの御用学者は一体、延べ何十時間、その現場の最前線に身を置いて視察・研究を行ったというのか。日本政府に買われた御用学者ならば、当然国民のために事故現場に出かけて、調査・研究を行うべき立場にあるのではないか。

彼等が、放射能汚染を恐れて、いつまでも高みの見物を決め込んでいる限り、放射能汚染の被害を過少評価する科学者のどんなご高説も、空疎にしか響かない。


フクシマの事故で原発を廃止していいのか=米科学者

東京電力福島第1原発の事故で放射線を浴びた人々への健康被害は、長い期間にがんになる確率を少し上げるといった形で表れるものであるため実感はない。だが、反原発を唱える数万人規模のデモが何度も国会や首相官邸を取り囲み、参加者は将来の世代のために原発を廃止すべきと訴えている。また多くの世論調査で、原発を廃止すべきと考える人が圧倒的多数を占めている。

Bloomberg News

こうした日本の現状に対し、カリフォルニア大で物理学を教えるリチャード・ミュラー教授は「未来の大統領のためのエネルギー政策(Energy for Future Presidents)」と題する新著で、原発事故後に広い地域の住民を長期にわたって避難させ、原発を停止させた日本政府の政策は、益よりも害の多い政策だったと批判している。

同教授はウォール・ストリート・ジャーナルへの寄稿で、過剰反応だったと考える根拠として、米コロラド州デンバーの住民は同地の花こう岩に含まれるウランが放出するラドンガスのため、常に多量の放射線を浴びているが、米国の他の地域よりも健康だという例を挙げている。

米国民が普通に浴びる放射線に加え、デンバーの住民は年0.3レム(人体への影響を示す古い単位:1レム=10ミリシーベルト)の放射線を余計に浴びている。だが、デンバーのがん罹患率は米国の他の地域に比べ低い。これを基に、低レベルの放射線は健康にいいと解釈している学者もいるという。ただ、ミュラー教授自身はこれをライフスタイルの違いではないかと考えているという。

デンバーに比べると、福島の原発事故で「ホットスポット」となった地域では放射線が0.1レム程度増えただけではるかに低い。

放射線は、年25レム浴びると、「自然な」理由によってがんになる確率である20%が1%上昇するという。放射線量が増えるに従ってがんになる確率も上がり、50レムなら2%、75レムなら3%増加する。こうしたがん罹患率の研究は広島、長崎の被爆者の研究によって確立されている。

最近、福島のチョウの研究で、放射線によって昆虫などの奇形が増えていることが確認されたが、ミュラー博士これは以前からわかっていたことで、広島、長崎での被爆者の研究で、人間のような高等動物に放射線によって奇形が生じたといった結果は出ていないという。

では、原発事故による被ばくで何人ががんになるのか。仮に被ばく量が2レム以上だった地域の約2万2000人が全員、最大レベルの22レム被ばくしたとする。原発事故がなくても、20%つまり4400人はがんにかかるが、放射線によってさらに194人が、がんになる、とミュラー教授は推定する。

ただ自然な原因でがんになった人々も、放射線でがんになったと思うだろう。広島・長崎の約10万人の被爆者のうち約2万人が自然な理由でがんにかかったが、原爆によってがんになったのは約800人だけだった。しかし、はるかに多くの人が自分のがんが原爆によるものだと考えていた。

福島の原発周辺の人口は約4万人。平均被ばく量は1.5レムだった。放射線でがんになる人は24人ということになる。

こうしたところから、ミュラー教授は、放射線によるがんで死亡する人の数は津波による死者に比べはるかに少ないと指摘し、これが原発政策上、中心的な論点になるべきではないと主張する。

また、教授は、原発は想定可能なものすべてに耐えられるように設計されなければいけないものだろうかと問題提起する。小惑星や彗星(すいせい)が地球に衝突する危険もあるし核戦争の危険もある。

その上で、ミュラー教授は、福島の最大の悲劇は日本が原発をすべて停止してしまったことによる影響や経済的な損失だとしている。住民のためを思った策ではあったが比較的安全で豊富、かつ、ほかのエネルギー源に比べ地球環境に優しい原子力の将来が危うくなってしまったことを考えると益よりも害の多い政策だったと述べている。

同教授のような主張は、日本でも産業界や科学者には多い。世の中には危険ではあるが便利なものだとして存在を許されているものがいろいろある。だが、経済や科学に基づいた原発擁護は、圧倒的な反原発の声にかき消されてしまっている。


2012年8月20日月曜日

Teleconference in the 1st days of the crisis at Fukushima Daiichi

 以下は、NY Timesに転載されていたフクイチ原発災害発生時の東電のテレビ会議の記録であり、東電の手によってわずか150時間分を84分間に大幅に修正、カット、公表されたいわくつきの映像資料である。これを見てもわかるように、モザイクや音声カットなど、修正箇所があまりにも多すぎる。

 フクイチ原発災害は人類が体験したことのない組織的な人災によって引き起こされた未曽有の大災害である。故に当事者である東電、原発ムラ、保安院、安全委員会、首相官邸の政治家の対応については一部の修正もなくすべてを全世界に公開し、人類共通の負の遺産として、各国語に翻訳して大切に共有・保管すべき重要な資料として扱うべきものである。

 少なくとも、東電は顧客である消費者や、経営を支え続けている納税者に対して、いつ、どこの誰がどのような局面において、どこでどんな判断・対応をしたのか。それによって、かくも甚大な被害を日本全国に拡散させるような結果になってしまったのか、すべてを白日のもとに晒すべきであり、個人情報の保護などの屁理屈による情報の隠蔽、資料の隠匿など許されるべきではない。

N.Y. Timesの記事にそういった情報公開に対する批判的な観点がないのは残念なことである。

東電を含めた原発を有する地域独占の電力会社は、これまであちこちから訴訟の対象となってきたが、べらぼうに高い電気料金を聴取して、辣腕の顧問弁護士団を雇入れ、既得権益のために係争することを当然のこととしてきたが、そのこと自体が大きな了見違いである。

東電を含めた電力会社は、消費者を欺き、第一義とすべき安全でコストの低い電力供給を行う努力を怠り、ひたすら暴利を貪ってきた。本来ならば、政府は速やかに発送電分離を行い、電力の自由化を進めるべきであるし、地域独占を行ってきた電力会社の経営陣は総辞職して消費者に償いをすべきである。

活断層や原発の老朽化が専門家によって指摘され、原発の危険性がこれほどまでに叫ばれ、多くの市民が脱原発の声を上げ続けている。にもかかわらず、馬耳東風で大きな顔をして原発推進を固持する、関電の八木会長をはじめとする、「消費者の安全を守る」というもっとも基本的な、モラルが完全に欠落した、危険極まりない経営者は速やかに退場すべきである。

また、今後、日本の地域独占の電力会社が原発廃炉、廃棄物処理の多額の費用を捻出するためにも、経営陣の徹底的な所得カットに加え、電力会社は持ち回りの国選弁護人で、すべての訴訟事件に臨むべきであると考えるのは、至極当然のことではないのか。

Video Shows Fukushima Crisis Talks

Video excerpts from teleconferences between Tepco managers and engineers recorded from March 12-15, 2011, as they tried to deal with the stricken nuclear plant at Fukushima.

As Hiroko Tabuchi reports in Friday’s New York Times, the Tokyo Electric Power Company released 150 hours of video this week that was recorded during teleconferences last year in the first days of the crisis at the utility’s nuclear plant at Fukushima.

The recordings offered the Japanese public new glimpses of how managers and engineers responded to the catastrophe that began on March 11, 2011, when the plant’s reactors were crippled by an earthquake and tsunami.

After Tepco posted almost 89 minutes of the video, showing parts of the crisis talks on March 12, 14 and 15, on its Web site, a video blogger who has created a YouTube archive of all the footage released by the company posteda copy on the video-sharing site.

The video excerpts posted online by Tepco show some of the discussions that took place between engineers at the plant and managers at the company’s headquarters as the crisis worsened. More than an hour of the footage was released without sound, including a portion that shows Naoto Kan, the prime minister during the episode, visiting the company’s crisis center.

According to a shot list posted on Tepco’s Web site, the footage shows:

:00 – :20
Sample of teleconference at headquarters (with sound)

:20 – :35
Sample of teleconference at Fukushima Daini nuclear power station (no sound)

:35 – 2:40
March 12, 3:36 p.m. Hydrogen explosion at Unit 1 Reactor Building (no sound)

2:40 – 5:50
March 12, 7:23 p.m. Seawater injection at Unit 1 (no sound)

5:50 – 10:31
March 14, 11:01 a.m. Hydrogen explosion at Unit 3 Reactor Building (with sound)

10:31 – 22:33
March 14, 4:12 p.m. Pressure reduction utilizing SR valve at Unit 2 (with sound)

22:33 – 24:36
March 14, 7:28 p.m. Withdrawal (1/3) Managing Director, Komori (with sound)

24:36 – 25:11
March 14, 7:54 p.m. Withdrawal (2/3) Fellow, Mr. Takahashi (with sound)

25:11 – 29:48
March 14, 8:15 p.m. Withdrawal (3/3) President, Shimizu and Fellow, Mr. Takahashi (with sound)

29:48 – 1:06:53
March 15, 5:36 a.m. Former Prime Minister Kan visiting Tepco (no sound)

1:06:53 – 1:28:58
March 15, 6:14 a.m. Impulsive sound and shake at Fukushima Daiichi NPS (no sound)

Among other things, the video shows that Tepco managers knew hours after the crisis began that multiple meltdowns were likely, even though they tried to convince the public that such a catastrophic nuclear accident was not probable.

Responding to pressure to be more transparent about the efforts to contain the damage at the plant, Tepco now regularly posts photographs and video clips on the work there on a section of its Web site documenting the work at Fukushima.

This week, in addition to the teleconference video, the company posted a series of photographs online, shot inside the ruined building around Reactor No. 1 on Wednesday, after engineers released a balloon equipped with a camera into the badly damaged structure.

A balloon equipped with a camera, which was used to investigate the damaged interior of a reactor building at the Fukushima Daiichi nuclear plant on Wednesday.A balloon equipped with a camera, which was used to investigate the damaged interior of a reactor building at the Fukushima Daiichi nuclear plant on Wednesday.
Engineers used a balloon equipped with a camera to photograph the interior of the ruined building around Reactor No. 1 at the Fukushima Daiichi nuclear power station on Wednesday.Tokyo Electric Power CompanyEngineers used a balloon equipped with a camera to photograph the interior of the ruined building around Reactor No. 1 at the Fukushima Daiichi nuclear power station on Wednesday.

Last month, Tepco also posted a brief video clip recorded at Fukushima’s Reactor No. 3 building on July 11.

Video showing what remains of the northwest part of the third reactor building’s operating floor at the Fukushima Daaichi nuclear plant.