東日本大震災:議事録未作成 政治透明化どこへ 弁護士・小町谷育子氏の話
◇法規定なくても決定過程、記録を
中央省庁等改革基本法(98年施行)は有識者で構成される政府の審議会ですら「会議又は議事録は公開することを原則とし、運営の透明性を確保すること」と明記している。今回の原子力災害対策本部や政府・東電統合対策室は国家行政組織上に明記された機関ではないかもしれないが、法律がなければ、やらなくていいということにはならない。
そもそも議事録の公開の趣旨は、政府の説明責任にあり、重要政策の決定については、公文書管理法があろうとなかろうと、議事録や議事録に代わる何らかの方法で政策決定過程を明らかにしておくことが必要だ。法律の規定がなければやらない、あるいは記録しないことは違法でないという姿勢は問題だ。真に、市民のための政治をしようとする政党・政府であろうとするならば、のちにその政策決定過程をたどることができるように、記録を残しておくことが不可欠だ。
毎日新聞 2012年2月4日 東京朝刊
議事録未作成、究明に着手=公文書管理委が会合
内閣府の公文書管理委員会(委員長・御厨貴東大教授)は3日午前、同府で会合を開き、東日本大震災の対応に当たった政府の10会議で議事録が作成されていなかった問題について、原因究明と改善策の検討に着手した。今春をめどに取りまとめる方針だ。
公文書管理を担当する岡田克也副総理があいさつし、「二度とこういうことが繰り返されてはならない。政府の信用、信頼に関わる根幹の問題だ」と指摘。議事録がなければ大震災や東京電力福島第1原発事故への対応を検証する上で支障を来しかねないとして、再発防止策の検討などを要請した。同委は近く、議事録未作成の理由などについて、関係省庁から事情を聴く。
同日の会合では、出席者から、議事録作成に関する指針作りや、会議の録音を検討すべきだとの意見も出た。
大震災や原発事故関連15会議のうち、原子力災害対策本部(本部長・首相)など10の会議が議事録を作成していなかったことが、これまでの調査で判明している。
[時事通信社]
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