福島ではあちこちで獲れる米からセシウムが検出され、高濃度の汚染水の海への漏出が報告されているというのに、福島の自治体には未だに、放射能の線量を測る線量計が数えるほどしかないという。
そんな中、フクシマから200キロの埼玉県で製造された粉ミルクからセシウムが検出された。驚かされたのは11月に市民から持ち込まれた粉ミルクの線量を測り、結果を発表し、企業が自主回収するまでに、1週間の日数を要していること、そして消費者が自主的に線量計測をして、指摘しなければ、大企業でさえ、ろくな検査もせず、黙って乳児が口にするようなものを流通させてしまう危険性があるということである。
国民の健康、食の安全を考えるならば、国や自治体が率先して、東日本で生産された食品の全量検査をするための予算措置を第一に行うべきであろう。
しかし、民主党政権は、そんなことには目もとめないで、福島の再生支援のために、税制上の特例優遇措置をとり、福島県民にのみ原発の賠償金一律8万円(子どもや妊婦は40万円)を支給するという。
本来、原発災害による周辺の企業や被災者への償いは東電が債務超過になろうが、破綻しようがとことん責任をもってなすべきことである。その上、これまで何十年にもわたって原発の恩恵を受けて生きてきた地方自治体や地元住民をこれ以上優遇する必要はない。迷惑料はすでに何十年にもわたって、国民の税金や、高い電気料金から十二分に支払われてきたのである。
確かに故郷を追われることは悲劇である。しかし、考えてみれば明治以降の日本の大都会、とりわけ東京は、田舎では生きていけず、故郷を捨てて都会に移り住むという人生選択をした数多くの国民によって成り立ち、繁栄してきたのである。
それをなぜ福島原発の放射能汚染が問題になってから、突然のように東北の人々が故郷に留まることばかりがメディアによって美化され、奨励され続けるようになったのか。それは、原発災害の被害を極小化し、できるだけ賠償金を安く抑え、東電を、原子力政策を守り続けるための姑息な措置であることは疑いもない。
本来国がやるべきは、、スピーディのデータを速やかに公表して、放射能物質が飛散した広範囲にわたる地域を立ち入り禁止区域として指定し、東電や原発関係者以外の過疎地に住んでいた人々を安全な地に恒久的に集団疎開させ、新天地での生活を促進させ、雇用を速やかに斡旋することであったと思う。
そうすれば、放射能で汚染された農産物や水産物が日本全国にばらまかれるというような事態は、もっと軽減されたはずであり、被曝(外部と内部)を最小限に留めることもできたはずである。
むろん、住み慣れた故郷を追われる高齢者は災難である。しかしそれは、安全神話の名のもと、地震大国の海外線上に何基もの原発を設置し、老朽化した原発のメンテナンスも、津波、地震への安全対策も不十分なまま、政官学民と結託して、暴利を貪ってきた電力会社のせいであるが、その恩恵に黙って浴してきたことにも大きな責任の一端はある。
3.11以降これ程、酷い状況を目にしても、欲に目が眩んでか、未だに原発の増設や再稼働に熱心な自治体や、推進派の首長を選挙で選ぶ地元住民もいる。彼らは皆、ハイリスク・ハイリターンという言葉を噛み締めるべきである。
そういう意味からも原発の恩恵に浴さず、高い電気料金を支払わされ、フクシマ第一からの放射能物質の飛散によって、高濃度汚染に見舞われた他県の自治体の住民にこそ、多くの賠償金が支払われてしかるべきなのではないか。
税金の運用の仕方、どこか狂っているのではと思うのは、薔薇っ子だけだろうか。
http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20111202ddlk07040178000c.html
東日本大震災:被災者向け貸付金、暴力団員が不正利用--県社協調べ /福島
◇170人に2500万円
東日本大震災の被災者向け貸付金制度が暴力団に不正に利用されていることが、県警と県社会福祉協議会の調べで分かった。県内では、約2500万円が暴力団組員約170人に不正に支給され、県警は、資金源となっている可能性もあるとみて警戒を強めている。県社協は速やかな返還を求めている。
県社協によると、暴力団組員に支給されたのは、国と都道府県が被災世帯に対して最大20万円を貸し付ける「緊急小口資金貸付制度」。手続きは市町村で行われる。福島や郡山、いわき市を中心に4月4~28日の受付期間中、約2万5000件約3億5000万円が貸し付けられた。窓口では職員が被災状況や暴力団組員かどうかを尋ねるが、見た目では判断できず、証明書も必要ないため「困っている」と言われれば貸し付けるほかないという。
県警は9月28日、暴力団組長であることをを隠して金をだまし取ったとして、福島市浜田町、会社役員の男(66)を詐欺容疑で逮捕した。その後、9月末から10月初旬までに、40件(約400万円)の返還があった。
県社協の高岡寿哉・生活支援室長は「当時は想像しがたい混乱状況で、一人一人に十分な対応ができなかった。国や県にも相談したが、困っているなら貸し付けるよう言われた。暴力団組員かどうかも文書では確認できなかった」と話した。【長田舞子】
http://cgi2.nhk.or.jp/nw9/pickup/?date=111201_2
被災地に補助金が届かない│NHKニュースウオッチ9 ピックアップ
2011年12月1日(木)放送
被災地に補助金が届かない
被災地の復興のためにと、国が予算に盛り込んだ被災企業に対する補助金。実際にはまだほとんど届いていない実態が明らかになりました。797社のうち、まだ2社にしか支払われていません。補助金制度が出来たのは、半年以上前のことし5月。その使い勝手の悪さに苛立ちが募っています。
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/jiji-06X801/1.htm
自主避難、賠償額は8万円=子ども、妊婦は40万円―原発紛争審
2011年12月6日(火)20時12分配信 時事通信
東京電力福島第1原発事故の賠償範囲を検討する原子力損害賠償紛争審査会(会長・能見善久学習院大教授)は6日の会合で、避難指示などが出ていない地域から自主的に避難した住民への賠償額を一律8万円とする新たな賠償指針を決めた。放射線による不安や影響が大きい18歳以下の子どもと妊婦については40万円と認定した。
対象は福島市、郡山市など、これまで賠償の対象地域とされてこなかった福島県内23市町村の住民。避難せず住み続けていた滞在者についても「被ばくへの恐怖や不安は無視できない」として、自主避難者と同額を賠償する方針を決めた。
自主避難者らの賠償指針策定は初めて。ただ、賠償額や対象区域の根拠は不明瞭で、傍聴した被害者らから「実費で賠償しろ」などの怒号が飛び交い、会合は一時騒然とした。
能見会長は会合後の記者会見で「金額が少ないという不満があるのは当然だが、実費の賠償は請求側にとって負担になるし、ある程度共通の損害としてこの金額にした」と指摘。今後、対象区域を拡大する可能性にも言及した。
福島全域で税制優遇措置 政権方針、産業の再生支援へ
野田政権は原発事故が起きた福島県向けの税制上の特例措置を設ける方針を固めた。警戒区域などの指定を解除した後に企業が被災者を雇った場合、復興特区を上回る税額控除が受けられることが柱だ。
「福島復興再生特別措置法案」(仮称)に盛り込み、年明けの通常国会に提出する。「原子力災害により深刻かつ多大な影響を受けた福島の復興は、その特殊な諸事情を踏まえて行われるべきだ」と明記。他の被災県よりも手厚い対策を取る必要性を強調する。
参院で審議中の復興特区法案では、国の審査を受け特区に認定された地域に税制優遇を認めている。特措法では福島県全域で一定の税制優遇を認める。復興特区内の企業が被災者を雇用した場合、法人税額全体の2割を上限に人件費の10%を税額から控除する特例があるが、福島県内の警戒区域や計画的避難区域などでは区域指定が解除された後、復興特区の倍となる20%を税額から控除する。
農産物検査、福島県の信頼失墜し
- (河北新報) 2011年12月06日 08時15分
福島市と伊達市のコメから国の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出され、両市で農産物の放射性物質検査の申し込みが殺到している。福島県による「コメ安全宣言」の後に汚染が発覚し、県の調査の信頼が失墜して食への不安が一気に高まったためだ。ただ測定機の数が足りず、かなりの順番待ちになって市民をいらいらさせている。福島市は11月14日、放射線モニタリングセンターを開設し、測定機3台で市民が持ち込むコメや自家栽培の野菜、井戸水の検査を始めた。市内のコメから基準値を超える放射性セシウムが検出されたのは、2日後の16日。それから申し込みが急増し、連日250件前後に達した。センターへの電話がつながらず、「3時間以上かけ続けた」と言う人もいたという。
センターの検査能力は1日30件と少なく、今月1日現在で積み残しは1500件を超えた。これから申し込んでも、検査は来年2月以降になってしまう。
福島市は先月28日、市給食センターの測定機2台も利用することにしたが、同じ日に伊達市内でもコメの基準値超えが明らかになり、検査依頼が再び殺到。28日以降の4日間に、モニタリングセンターを除き700件を超えるコメの検査申し込みがあった。
福島市農政課の担当職員は「住民は自分の健康を自分で守ろうとしている。(検査対象外の)スーパーで買ったコメを持ってくる人もおり、県の調査が信用されていないのは明らかだ」と話す。
福島市は当初、コメの検査は同市産に限っていたが、伊達市産のコメの依頼も多く、対象を周辺自治体に広げている。放射線モニタリングセンターの鴫原和彦所長は「市町村では検査の件数に限界がある。全県的に態勢を整備する必要がある」と訴える。
測定機6台で農産物の放射性物質検査をしている伊達市でも、約1週間待ちの状況。検査を受けた同市の農業高野富造さん(62)は「県の調査は対象点数が少なすぎて、抜け落ちるコメがあると思っていた。順番を待っても、自分で食べるコメは検査して安心感を得たい」と言う。
県消費生活課は「不安解消のため、福島、伊達の両市には重点的に測定機を配備していきたい」と話す。今後、県から福島市に3台、伊達市に1台が回される予定だが、時期は今月下旬以降になり、混雑状況は当分、解消されそうにない。福島原発の汚染水漏れに抗議=全漁連
2011年12月5日(月)19時1分配信 時事通信
全漁連は5日、東京電力福島第1原発で汚染水が建屋外の側溝に漏れ海に流出した恐れがある問題について「許し難い行為だ。全国の漁業者は強い怒りと憤りを抱いている」とする抗議文を発表した。また、国と東電に対し、徹底した原因究明と抜本的な対策を早期に明らかにすることも求めた。
粉ミルクにセシウム 明治40万缶交換
粉ミルク国内最大手の明治は六日、生後九カ月以降の乳児向け粉ミルク「明治ステップ」(八百五十グラム缶)の製品の一部から一キログラム当たり最大三〇・八ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。国の暫定規制値(同二〇〇ベクレル)は下回っており、厚生労働省は「健康に影響はない」としている。同社は約四十万缶を無償交換する。東京電力福島第一原発事故後、粉ミルクからのセシウム検出は初めて。これまで厚労省や自治体が行った食品の抽出検査では、粉ミルクは対象となった三十二検体全てで検出限界値未満だった。同省は食品中の放射性物質の規制値見直しの中で、粉ミルクなど乳幼児用食品についても、新たに規制値の設定を進めている。同社の粉ミルクは、埼玉工場(埼玉県春日部市)で製造している。交換対象となるのは、賞味期限が二〇一二年十月三~六日と、同月二十一~二十四日の製品。加工されたのは今年三月十四~二十日で、原料などを溶かした水に熱風を当てて乾燥させた際、大気中のセシウムが混入した可能性が高いという。熱風は、異物を取り除くためのフィルターを通して外気を取り込んだ後、そのまま高温にしている。原発事故の後、関東の大気中の放射線量が最も高かった三月二十一日の製造分を検査したが、不検出だったため「すべての粉ミルクでも不検出と判断した」(広報部)と説明している。対象の製品は四月中に缶に詰めて出荷。十一月下旬になって自主検査をした購入者から「放射性物質が検出された」と指摘を受け、同社で検査したところセシウムが確認された。原料の脱脂粉乳などは、大半を米国や豪州などから輸入しており、一部が北海道産だが、いずれも東日本大震災前に生産。製造過程で使う水からも放射性物質は検出されておらず、同社は製造段階が原因とみている。問い合わせは同社お客様相談センター=フリーダイヤル(0120)077369=へ。
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