自民党よりも官僚寄り、財界寄り、アメリカ寄りの現政権、それが多くの国民が求めた「変革」だったのだろうか。
ごく一部の富裕層とエリート官僚、年金を滞納していた主婦や、まともに農業に専念しない農家、働かない人たちに甘く、汗水たらして懸命に働く人間からは、ただ税金をむさぼるだけの政治。
働く人たちに何のインセンティブも与えない政治を助長する限り、働くことの意欲がどんどん殺がれ、学校を卒業しても、親に頼って働かない若者は、ますます急増することだろう。
多国間協定は、何の策もないまま、乗り遅れた船に飛び込むように拙速に乗り込むようなものではない。大国の思惑がどこにあるのか、それに対して日本はTPP参加によって、具体的にどんな利益を得るつもりなのか、その利益を確保するために、どんなストラテジーで交渉を進めていくのか、権謀術策の大国のアウトスポークンな外交家に対峙して、しっかり国益のためならば、どこまでも引き下がらず、場合によっては席を蹴っ立てて降りる決断ができるような交渉力のある人間は現政権のどこにいるのか。それらについて明快な答えが出ない限りは前にも書いたが飛んで火にいる夏の虫である。
これまでこの国の貿易協定の在り方について、無策のままで今日に至った経産省の責任者には退職金や給料の全額を国庫に返還しても余りある。
古賀茂明氏はTPPに賛成しているようである。彼のような国益のためにNOということを辞さない勇気ある官僚が経産省で、あるいは現政権のブレーンとしえt重用されているならば、TPPのテーブルについてもよいかもしれない。しかしそんな彼を異端視して追い出してしまうような霞が関や現政権に私たちは何を期待することができるだろうか。
ドジョウ氏の強行突破で、医療にも共済にも金融の分野にまでアメリカ企業が参入し、食品安全規制もアメリカン・スタンダードに変更することを余儀なくさせられ、ウォール街の失策の尻拭いのために、日本は超大国にぎりぎり攻めこまれ、食いつぶされて終わってしまうだけではないのか。
こんな民主主義の何たるかもおわかりになっていない危うい舵取りをする首相に対して、不信任案ひとつ突き付けられない国会議員とは何なのか?
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920014&sid=axZ6xiuStit8
野田首相:TPP交渉参加、きょうにも政治決断-党は慎重判断求める
11月10日(ブルームバーグ):野田佳彦首相は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加問題について10日にも政治決断する。民主党の経済連携プロジェクトチームは9日、党内の反対意見が多いことなどを踏まえて慎重に判断するよう求める提言をまとめており、首相が参加表明に踏み切れば党内の反対派から反発を受けそうだ。
提言は、交渉参加をめぐるこれまでの党PTでの議論について「時期尚早・表明すべきではない」と「表明すべき」の両論があったが、「前者の立場に立つ発言が多かった」と慎重・反対論が多数であったことを指摘。その上で、「政府には、以上のことを十分に踏まえた上で、慎重に判断することを提言する」と明記した。
ただ、前原誠司政調会長は記者団に対し、「党としてはこの文章をそのまま首相に伝える。そして最終判断は首相が行う」と説明しており、野田首相の判断を縛るものではないとの認識を示した。
党PTの提言を受け、野田首相は近く政府・民主党3役会議、包括的経済連携に関する閣僚委員会などを開き、TPP参加問題について決断。 12、13両日には米ハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席する。
慎重に考える会
TPP交渉参加問題をめぐっては民主党の山田正彦前農水相が会長を務める「TPPを慎重に考える会」のメンバーらがPTの会合などで、 国内農業などへの打撃を懸念する立場から反対の論陣を張ってきた。同会の原口一博元総務相はAPECでの参加表明に200人以上の与党議員が反対しているとして、「期限を切る意味は全くない。200人を超える与党議員がやめてくれというのを押し切ったら、重大な結果をもたらすと思う」と指摘していた。
一方、連立を組む国民新党の亀井静香代表も8日、野田首相との会談で「前のめりに交渉参加というようなことはおやりにならない方がいい」と慎重な対応を求めている。
内閣府によると、TPP参加によって関税が撤廃されることで日本の実質国内総生産(GDP)は2.7兆円、0.54%押し上げられるという。
TPP交渉には米国、オーストラリア、ニュージーランド、ベトナ ム、チリなどを含む9カ国が参加。高いレベルの貿易自由化を目指して 「物品市場アクセス」「金融サービス」など21分野24の作業部会を設置し、協議を進めている。米国商務省のクマール次官補は10月21日、 ブルームバーグ・ニュースのインタビューに応じ、TPPの参加国はAPEC首脳会議までに大枠で合意する予定で、交渉は1年以内に妥結することを米国は希望していると述べている。
9カ国
仮に日本が参加を表明しても、9カ国の同意取り付けが必要となる。 外務省の資料によると、米国は政府が新規参加国との交渉開始の少なくとも90日前までに議会に交渉開始の意図を通知する制度になっているほか、 通知前に議会との調整・協議をする時間も必要になるという。外務省は米国をはじめとする参加国の同意取り付けに要する時間について「現段階で確固たることを予想することは困難である」と指摘している。
菅直人前首相は1月4日の年頭会見で、6月ごろをめどに交渉参加の是非を判断する意向をいったん表明したが、3月11日の東日本大震災発生を受けて結論を先送りしていた。
記事についてのエディターへの問い合わせ先:東京 大久保 義人 Yoshito Okubookubo1@bloomberg.net香港 Peter Hirschbergphirschberg@bloomberg.net
更新日時: 2011/11/10 06:10 JST
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