おいしいカリフォルニア米や乳製品が安くで食べられるようになるぞ、なんて喜んでいる場合ではない。
政府筋やコメンテーターの皆様方は「早く加盟しておかないと、出遅れると、すでに枠組みができた中に参入せざるをえなくなり、付帯条件がつけられず,不利になる」などとおっしゃっているが、カナダは乳製品を外してもらいたいという条件をつけたばかりに、TPPへの参加加盟を拒否されている。アメリカにとって都合のよくない条件をつけるような国はTPPへの参加は認められないのである。
いってみれば、アメリカは自国の利益をなんとか増大させるために、内弁慶で、欧米に対しては、決してNoとはいえない弱腰の官僚や政治家に圧力をかけ、参加要請をしているのである。
フクシマ原発で、農業・畜産業が致命的な状況にある日本とこのタイミングでTPPを提携することは、米、小麦、牛肉、乳製品などの大量輸出をもくろんでいるアメリカやオーストラリアにとってこんなに美味しい話はない。
原発による汚染がなくても、そもそも日本の乳製品は高いばかりでまず過ぎるし、普段我々一般庶民がスーパーなどで購入し口にしているような米は、美味しいカリフォルニア米には到底太刀打ちできない。
この条約を締結すれば産地表示が義務付けられることにもなるだろう。
原発災害前の日本であれば、東北米の産地表示はブランドにもなったろう。しかし今や、たとえ輸出商品に対して全量検査を実施し、関税がOになったとて、日本の農作物はこれまでの政府のいい加減な原発対応が災いし、安全:安心のイメージはとっくに地に落ち、日本の食品輸出は、致命的なダメージを蒙ることは間違いない。
むろん今、農業の自由化を実施し、アメリカやオーストラリアからコメや小麦や乳製品が大量に流入すれば、たしかに我々一般消費者は、どれだけ放射能物質で汚染されているのかもわからない危うい食品を黙って口に運ぶしか選択の余地はないといfう状況はかろうじて回避できるかもしれないがーー。
しかし、東谷暁氏によれば、TPPでアメリカがターゲットにしているのは、日本の農作物や畜産物どころではなく、金融(簡保)、投資、郵政、共済、農地買収、政府調達、医療分野への進出、労働者輸出にまで広く及ぶという。
TPPへの参加によって、日本の輸出産業は潤うとしきりに言われているが、TPPでは関税5パーセント以下のものは適応外になるらしいと海江田前経産相が漏らしたらしく、その基準が適用されるとすれば、現在2,5パーセントの関税をかけられている自動車や、5パーセントの液晶テレビなどは、TPPの恩恵をまったく受けないことになりかねないという。
もしそうだとすれば、TPPのメリットは一体全体何なのか?
日経は、韓国と比べて日本の貿易自由化は遅れており、開国をしなければ世界に出遅れるといわんばかりの論調を繰り返している。しかし、東谷氏は、韓国は7つしか協定を結んでいるにもかかわらず、日本はすでに12もの二国間協定があり、日本が韓国と比べて、出遅れているなどということは事実とは異なると述べている。
また東谷氏は、TPPには国家間の安全保障条項は外されており、TPPを結んだからといって、日本の安全が保障されるという議論も全く当たらないとはっきりと言い切っている。
2/8【TPP】 東谷暁氏 「ちょっと待てTPP」【Ch桜 栃木】
http://www.youtube.com/watch?v=Djx0bToyCMA&feature=autoplay&list=PLE857160F16CEDF3B&lf=results_main&playnext=10
では、なぜこのタイミングでTPPなのか?
結局、斜陽で再選の望みが薄いオバマ政権が、日本をTPPに参加させることによって、アメリカの貿易輸出の推進、失業者の海外移出、日本への金融、投資、郵政、共済への進出、自由な農地買収への道を開いたということを11月のOPECハワイ会合で、アメリカ国民に強くアピールし、何とか来年の大統領選挙への道を打開しようとしていることがわかる。
田原総一郎は、TPPの反対派は既得権益のある団体であるが、TPPは損得の問題ではなく、アメリカの対中を視野にいれたアジア戦略であるとし、アメリカとの安全協定がある日本は当然これに与するべきといわんばかりの主張を展開している。る。http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20111018/287801/?ST=business&P=4
しかしTPPの賛成派の財界や政府や官僚、メディアは既得権益のない人々であると言えるのだろうか。
田原氏は安全保障と経済協定の問題をセットとして考えているが、オバマ政権は今、対中戦略をうんぬんしていられるような状態であろうか。アメリカは、リーマンショック以来、失業者の救済は一向にはかどらず、経済不況から立ち上がれない。
若者たちはアメリカ全土でデモを繰り広げ、ついに石油利権のあるイラクからも完全撤退の宣言を行い、自国の経済問題の火消しに回らねばすまされないほど追い詰められた状況にある。TPPの締結で、日本はそんなアメリカのターゲットになる。
もちろん、日本がアメリカの食い物となり、属国と化し骨ぬきになったときに、中国から攻め込まれば、アメリカは多額の投資をした属国の安全を守らざるをえない立場になることであろうが、それが本当に我々の望む日本の姿なのだろうか。
以下ではこの問題についてさまざまなURLを張り付けておられるブログを転載させていただいた。
http://oujyujyu.blog114.fc2.com/blog-entry-1778.html
賢明な韓国はTPPを拒否しFTAを選択、愚かな日本は危険なTPP参加検討
米国の上下両院は12日、議会での批准承認が大幅に遅れていた韓国との自由貿易協定(FTA)の実施法案を可決する見通し。
TPPは2国間の協定(FTA)よりもハードルが高い=TPPはFTAより危険。
韓国は不利なTPPを避けて、2国間の協定(FTA)を結ぶことに成功。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201110/2011101200652
米韓FTA批准へ=オバマ政権、輸出倍増に弾み-日本企業の脅威に
【ワシントン時事】米国の上下両院は12日、議会での批准承認が大幅に遅れていた韓国との自由貿易協定(FTA)の実施法案を可決する見通しだ。同時に可決予定のコロンビア、パナマとのFTAと併せ、発効すれば輸出が年間130億ドル(約1兆円)増加すると米政府は試算しており、大統領が掲げる輸出倍増計画の実現へ大きな弾みとなる。一方、日本企業にとっては韓国勢の米市場での競争力強化が脅威となりそうだ。
三つのFTAはブッシュ政権下の2006~07年に政府間で合意したものの、当時は野党だった民主党の反対で批准手続きが停滞。オバマ政権下で修正合意した韓国製自動車に対する輸入関税撤廃の先送りや、輸入品との競争激化に伴う失業増への対策整備などを経て、超党派の支持を獲得するに至った。
オバマ大統領はFTAについて、「米国製品の輸出を促進し、数万人の雇用を下支えする」としており、法案が可決されれば直ちに署名する方針。特に三つの中で最も規模が大きい米韓FTAの批准は、国賓として訪米している韓国の李明博大統領とともに米韓両国の協力強化をアピールする絶好の機会となりそうだ。(2011/10/12-18:04)
TPPの交渉に参加しただけで絶対に抜けられなくなる理由
日本企業にとってはFTAで韓国勢の米市場での競争力強化が脅威となりそうだ。
FTAを推進しているから韓国が急成長しているという嘘
一旦TPPの交渉に参加してから、TPP参加拒否はできない。
TPP を推進する行政刷新会議の描く日本の暗い未来
TPPは被災した東北地方の農家を廃業に追い込む。
TPPに入れば日米の安全保障が強化されるという嘘
アメリカ以外の国が日本がTPPに入ってくることを熱望する理由
カナダの農業はTPP=NAFTAでアメリカ企業に乗っ取られた。
TPPは「平成の開国」→現在を明治維新、戦後の改革に続く「第三の開国」という嘘
TPPに早く参加すれば、日本に有利なルールが作れるという嘘
アメリカのTPP戦略
アメリカが農業以上に関心があるのは郵貯や簡保
TPP参加で押しつけられるアメリカの基準ー志位和夫委員長
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