2011年6月4日土曜日

かんちゃんとポッポくんのクラス日誌  千代田区永田小学校 3年B組

「かんちゃんが委員長では、クラスが全然まとまらないし、何もきまらないよぉ」
「そうだ、そうだ。」という声がクラスの中で、だんだん強くなってきた。

「なんとかしなきゃ、どうしよう?」
「大人はこういうとき、内閣不信任決議っていって、皆で投票して,決めるみたいだよ。」「へぇ~~」
「よ~~し、僕たちもそれやってみよう!」

いよいよ投票の日になった。
予想では賛成派、反対派のどちらが勝つか分からなかった。

そこで、前の委員長のポッポくんとそのお友達は考えた。
せっかく投票しても僕らが負けちまったら、かんちゃんの続投が続いちゃう。かんちゃんの方だってここで負けたら惨めだし、そんな惨めな結果になるのは嫌だと思っているに違いない。

ポッポくんが言った。「ここは何とか、かんちゃんが自分から辞めるように、僕が選挙前に、もう一回、かんちゃんと話しあってみるよ。」

かくして、かんちゃんとポッポくんは選挙の朝、会って相談をすることになった。
かんちゃんはポッポくんに「夏祭りの準備のめどがついたら委員長をやめる」って口約束したらしい。

その話し合いの後、投票の直前になってホームルームでかんちゃんは言った。
「クラス行事のめどがつくまで僕が責任をもってやり、適当な時期が来たら次の委員長にバトンタッチするから。」

そのあと、みんなで投票した。

ポッポくんとその仲間たちは、最初は委員長おろしに票を投じるつもりだったし、他の子たちにもそう明言した。しかし、かんちゃんの「夏祭りの準備のめどがたったら辞める」という言葉を信じて、委員長おろしに賛成しなかった。いろんな理由で投票を棄権した子も何人かいた。

「かんちゃんはどうせあと1~2ヶ月で辞めるんだから、わざわざ今引き下ろすようなことをして、かんちゃんたちのグループに恨まれるようなことは避けたい」と思った子、この忙しいときに、かんちゃんを引き下ろしたり、委員長選挙をして役員を変えたりするのは億劫だと二の足を踏む子、「新しく選挙をし直したあと、今就いている役得のある役から外されては大変だ」と心配する子たちは、かんちゃんの不信任決議案に反対票を投じた。

投票の結果、不信任決議は否決され、かんちゃんは委員長を続投することになった。

ところがその直後、かんちゃんは言った。「運動会とか学園祭とか大事なクラス行事の準備のめどがつくまで、僕はクラス委員長として責任をもって頑張り、それから辞めます。」ポッポくんは怒り狂って「委員長のくせにうそつき、ペテン師」とかんちゃんを罵ったけど、かんちゃんの子分のエダリンくんは「かんちゃんは一度も『すぐ辞める』なんて言ってないよ」とかんちゃんを弁護した。

学校の規則で、この投票は1年に1度しかできない。ホームルームが紛糾して、収拾がつかなくなっては困るから、他のクラス委員から、「かんちゃんとぽっぽくんは、もう一度二人でよく話し合ってみたら」と言われている。

同じようなことを震災や原発事故の収拾もつかない状況のもと、1日億単位の税金を使ってやっている大人たちが何百人もいる。みんなこの国の代表者と言われる立派な大人達である。それどころか、その前は何も大切な事を決めないで「誰が水を入れた、止めた、止めない」で丸1週間、責任のなすりあいに明け暮れていた。

国会中継でテレビに映っている皆さん、子供や孫があれば、聞いてもらいたい。彼らはお父(母)さんやおじい(ばあ)ちゃんたちが繰り広げるこんな茶番劇を一体どのようなまなざしでみているのかと。

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