日本の実業家はまことに吝嗇である。一等地の大邸宅で暮らし、贅沢三昧の暮らしをしていても、彼らは自分たちの儲けをほとんど社会に還元しようとはしない。孫正義氏がこのほどの震災で100億円の義援金を出したことは大きな話題になったが、会社や団体の義援金はあっても、企業家の中で個人で1億以上の義捐金を出したのは、薔薇っ子の知る限りでは、ファーストリテーリングの柳井氏と、楽天の三木谷氏、ニトリの似鳥氏のみである。
アメリカなどでは、一定の収入を得ている企業家たちは、多額の寄付をすることによって、自らが得た利益を社会に還元するのが当然とされ、何もしないことのほうが異常視される。それに引き換え、現代日本の企業家や富裕層たちは、我が身と家族さえよければそれでよいという方々ばかりで、およそノブレス・オブリージュなどといった言葉からは程遠い存在のようだ。
東電は社長交代案を提示したが、役員報酬だけでも7200万円と言われる大企業の役員や管理職の退職金や企業年金が満額支払われた場合、一体いかほどになるのだろうか。
彼らは一般庶民とは異なり、今更退職金や企業年金などに頼らなくても、過去何十年にもわたって、分不相応で、償還しても、余りあるほどの報酬を得ているはずである。
品性のかけらもない彼らに今更ノブレス・オブリージュを求めても所詮無理な話だから、政府がリストラ案の中に盛り込み、そぎ落とす以外はない。
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