2012年1月21日土曜日

東電さん、社外の取締役を過半数にするって、また天下りですか?

東電は着々と電気料金の値上げの権利を行使し、いよいよ各家庭にも値上げの要請が忍び寄ってくるようである。オオカミ少年の脅し文句のキーワードは、「来年夏の電力不足」だろうか。まことに持って、うんざりさせられる。

日本政府には一刻も早く、電力の自由化を行い、東電から電気を買わなくても、生きていけるような社会を作ってもらいたいものである。

増税と電気料金値上げのダブル収入を得て東電は、ぬくぬくと生き残りを図り、原発再稼働のチャンスを虎視眈々と狙っている。会長も原発所長も罰せられることすらなく、何が悪いといわんばかりの態度で、のうのうと大手を振って生きている。それを政府も、司法もみんな黙認しているのだから、結構な話である。日経や、産経、読売などの大型メディアは、露骨に再稼働を促進するような記事を満載し、今も新聞購読者を洗脳し続けている。

フクイチの災害は、津波で引き起こされた悲劇でも、1人2人の人間のミスで引き起こされた大惨事でもない。したがって東電の技術者が原発の弁の仕組みをきちんと理解し、しかるべき装置に電源を入れ、電源装置を山の上に確保したからといって、そんなもので原発の安全は、保証されない。

安全性を全く無視して経済性しか優先させない電力会社(東電に限ったことではない)経営陣の価値観、トップが責任をとらない無責任体質、隠蔽体質、天下りによる生じる行政との癒着体質、科学者でありながら安全神話の中で安穏とし、甘い汁ばかりを吸ってきた原子力ムラを存続させている、産官学の歪んだシステムが根本的に一掃されない限り、原発災害はまた繰り返されることであろう。

その一方で、幼稚園に待機させておくよりも、良かれと思ってわざわざ混乱の中、子どもたちをバスで安全な場所に避難させようとしたが、不幸にして津波が避難した場所の方に押し寄せ、子どもたちを飲み込んでしまったがために、訴えられている幼稚園経営者もいると聞く。誰が悪いとも言えない、不可抗力としかいえないような悲劇である。もし、幼稚園に待機させてそちらの方に津波が押し寄せていれば、今度は適切な場所に避難させなかったことで、訴えられるのであろうか。

同じ国にあっても、小さい経営基盤のものは厳しく業務上の過失を責め立てられ、巨大なゾンビのような会社の経営陣に対しては、司直の手が全く及ばない、こういう不公平なことがあってよいものだろうか。

毎日新聞によれば、原子力損害賠償支援機構は、今後東電の取締役の過半数を社外から起用するという。今の取締役たちは、我々の税金や高い電気料金から多額の退職金をもらって、悠々自適の一生が保障されるのだろうか。そして、過半数は社外からの起用ということは、さらなる天下りで人員が補填されるというのだろうか。

電力の安定供給を行うと豪語している東電は1月に入ってから停電などトラブル続きである。
たるんでいるのか、停電すれば、どれだけ困った状況になるか、東電のありがたみをちらちら仄めかしているのかは、知るところではないがーー。

以下、迅速かつ的確な情報やメッセージを精力的に発信されている慶大金子勝氏のツィッターからの引用と、家庭用電気料金の値上げ、昨今の東電のトラブルに関するウエブニュースの記事を転載する。

金子勝氏のブログより


東電と支援機構が3月に策定する「総合特別事業計画」の原案では、10年間の国有化で株主責任問わず、原発再稼働に電気料金値上げで黒字化して賠償を支払う予定。福島第2,活断層のある柏崎刈羽、被災した東通も動かすの?電気料金値上げは誰が払うの?
6時間前 webから

国策としての原子力産業推進に「議論なし、批判なし、思想なし」の「三さい主義」がはびこり、自己検証はなく、やがて情報隠しからデータねつ造になっていく。技術者像が壊れる状況に、高木氏は「最悪の事故のようなものが避けられないかもしれない」と警告しています。改めてすごいと思いました。
5時間前 webから



http://mainichi.jp/select/biz/news/20120120dde001020013000c.html

東京電力:家庭向け値上げ、最大10% 支援機構が素案提示
 原子力損害賠償支援機構は20日までに、3月末までに策定する東京電力の「総合特別事業計画」の素案をまとめ、主要取引銀行に提示した。公的資金投入による東電の実質国有化が柱で、収支改善策として最大10%の家庭向け電気料金の値上げなどを想定。金融機関からの融資の調整を進めるが、東電は実質国有化への抵抗感が強いほか、家庭向け電気料金の値上げには認可が必要で、枝野幸男経済産業相は慎重姿勢を崩していない。
 素案は機構が1兆円規模の公的資金を投入し、取引金融機関が1兆円規模の追加融資を実施することが柱で、今後10年間の資金計画を示している。12年夏ごろに家庭向けの電気料金を最大10%引き上げるなどして、収益改善を図ることを想定。10%引き上げが実現すれば、標準的な家庭で月600~700円の値上げになる計算だ。
 また経営監視を強化するため、過半数の取締役を社外から起用、東電を経営陣の人選や報酬を決定する「委員会設置会社」に移行することも検討する。
東電は火力発電の燃料費増大が経営を圧迫。廃炉費用などの負担で債務超過に陥る可能性があるため、金融機関は東電への追加融資の条件として、収支の改善を求めている。
東電は認可不要の企業向け電気料金を4月から平均で17%引き上げることを発表済み。
毎日新聞 2012年1月20日 東京夕刊

http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012011801000838.html

東電、広範囲で瞬間停電 送電施設トラブルで

 17日午後4時10分ごろ、福島県田村市にある東京電力の送電施設でトラブルがあり、関東地方を中心に広い範囲で瞬間的な停電があった。
東電によると、停電があったのは茨城、栃木、群馬など1都7県の供給エリアと、東北の一部。東電福島第1、第2原発や東北電力女川原発の使用済み燃料プール冷却システムなども一時停止した。
トラブルがあったのは、発電所から送られる電力をコントロールする「南いわき開閉所」。電圧が一瞬低下し、すぐに復旧したという。

2012/01/18 05:34   【共同通信】


http://sankei.jp.msn.com/science/news/120117/scn12011723190002-n1.htm


工場生産ストップ、蛍光灯点滅…東電設備トラブルで影響相次ぐ

2012.1.17 23:18
17日午後4時10分ごろ、福島県田村市にある「東京電力南いわき開閉所」の設備でトラブルが発生、北関東などの広範囲で電圧が一時的に低下し、工場のラインが停止するなどの影響が出た。東京電力で原因を調べている。
電圧低下の影響で福島第1原発と第2原発では、使用済みの燃料貯蔵プール冷却や汚染水浄化システムの一部が一時停止した。第1原発の原子炉注水や放射性物質のモニタリングには影響がなく、東京電力では「冷温停止状態に問題はない」としている。
東北電力の女川原発1号機(宮城県)でも午後4時すぎ、使用済み燃料プールを冷却するポンプが43分間停止した。電圧低下の影響とみられる。プールの水温は上昇しなかったという。
家庭や工場でも影響が出た。東京電力群馬支店によると「蛍光灯が点滅した」などとする問い合わせが午後6時半現在で75件以上も相次いだ。
日産自動車栃木工場(栃木県上三川町)では午後4時すぎから2時間近く操業を停止。富士重工業の群馬製作所(群馬県太田市)も、工場管理システムのコンピューターがダウンし、約40分間、生産ラインが止まった。車体塗装ラインにある車は、スクラップにする必要が出るなど影響は大きいという。
東京電力では16日夕にも変電所の設備トラブルに起因したとみられる停電が発生。東京都江戸川区で、約5万9000世帯への電力供給が停止した。

http://www.47news.jp/47topics/e/201888.php

【1月17日現在】
◆福島、電圧低下でプール冷却停止 原子炉注水に影響なし
 東京電力は17日、送電設備で同日午後4時10分ごろにトラブルが起き、電圧が一時的に低下して福島第1原発と第2原発の使用済み燃料プール冷却や、汚染水浄化システムの一部が停止したと発表した。
 第1原発の原子炉注水やモニタリングには影響がなかったが、「冷温停止状態」の維持に不安が残る状況。東電は設備を点検し、復旧を急いでいる。………(2012/01/17 19:20)【共同通信】<記事全文>

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120117-OYT1T00888.htm

福島第一・第二のプール冷却停止…送電トラブル

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17日午後4時10分ごろ、福島県田村市にある東京電力の電力中継基地「南いわき開閉所」でトラブルが発生し、電力供給網の電圧が一時的に低下した
この影響で、東電福島第一と同第二原子力発電所の使用済み核燃料一時貯蔵プールの冷却が停止した。原子炉の冷却や放射線観測装置などは正常に作動しているという。東電は燃料プールの冷却設備の復旧を急ぐとともに、トラブルの原因を調べている。
(2012年1月17日18時20分  読売新聞)

2012年1月19日木曜日

保安院さん、密室会議で安全評価ですか?:ストレステスト

18日、専門家の意見聴取会議が開かれ、保安院は、関電のストレステストの結果を認め、福井県大井原発の再稼働は妥当であるという素案を示したという。

一般市民が傍聴を求めたが、会議は、警察を投入して傍聴希望者を閉めだし、密室の中で行われた。後藤氏ら、心ある2名の専門家の委員は、「傍聴を認めないのはおかしい、密室の場でやるような議論には参加しない」と会合を欠席したという。

以下はこのニュースに関するTBSと朝日新聞のウエブニュース、慶大の金子勝教授のブログを転載する。

ストレステストの妥当性については、これまでこのブログの中でも、何度も議論してきたし、保安院や保安院を支える専門家集団、ストレステストを実施する電力会社の面々が、いかに信頼のおける優秀な集団であるかについて、十二分に語りつくしてきた。

またこのストレステストの結果を最終チェックすることになっているIAEAという組織が、客観的な立場から各国の原発の設置状況を判断するというわけではなく、アメリカやヨーロッパ及びそれに追従する国々の原発については、手放しで歓迎するような原発ありきの国債組織にすぎず、国民の安全や健康という見地から電力会社のストレステストの信頼性や妥当性を抜本的な見地から検証し、客観的な判断を下してくれるような有り難い組織ではないことも、すでにブログの中に記してきた。

このような集団によって、示される原発再稼働のGOサインを誰が認めることができるのだろうか。
しかも、一端再稼働を認めれば、60年の延長が認められるのである。仲間内でかたまって、密室で会議をしなければ、結果も示すことができないようなテストとはいかほどのものなのだろうか。

テストは誰が見ても妥当であるからこそ、実施する意味があるものなのではないのか。ドイツが脱原発に至るまでには、テロや航空機事故があったときに対処できないということがひとつの大きな論点になったと思うが、日本のストレステストはそもそもそういったテスト項目が作られているのだろうか。多分、あの想像力に乏しい既得権益しか眼中にない面々がやることだから、そういった項目は「すべて想定外」になっているに違いない。

もはや安全でも安価でもない原発を再稼働させ、取り返しのつかない災害が発生したとき、電力会社は責任放棄をし、国は何もしてくれないばかりか、むしろそれを口実に国民に重い税を課すのみであるということを、我々はこの10か月間に十二分に思い知らされてきたのではないか。

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4930748.html

大飯原発安全評価、傍聴締め出す形に

福井県の大飯原発の安全評価に関する専門家会議が反対派の反発で大混乱となりました。結局、一般傍聴者を締め出す形で会議は行われましたが、出席予定だった委員からも、おかしいとの声が上がっています。

 「ぜひ開かれた議論を行っていただけませんか?」
 「傍聴者の締め出しをやめてください。なぜ密室で議論するのか?

 職員らに押さえられる男性。プラカードには「原子力さようなら」の文字が。18日、原子力安全・保安院が開催した会合は、傍聴を求める人と保安院側が対立。警察が出動するなど大混乱となりました。

 そもそも18日の会合では、大飯原発3・4号機について、安全性は確保できているとした関西電力のストレステストの評価に対し、「妥当だ」との判断を示す予定でした。ストレステストの評価結果について保安院が判断を示すのは、これが初めてです。

 傍聴を認めない保安院に対し、反発する反対派の市民ら。結局、会議は別の部屋に移動し、およそ3時間半遅れで始まりました。

 枝野経産相も緊急会見。

 「こうした場がこうした形で平穏に開催されない状況にあるのは、私の立場から到底容認することはできません」(枝野幸男経産相)

 しかし、騒ぎはこれだけにとどまりません。

 「とんでもないですよ! 私も委員として責任を負っているんです」(委員の1人)

 2人の委員が「傍聴を認めないのはおかしい」として、会合を欠席したのです。

 「密室の中でやるような議論には参加しません」(芝浦工業大学非常勤講師 後藤政志委員)

 保安院は18日の会議をふまえ、結論を来月以降に出したいとし

ています。果たして議論は尽くされたと言えるのでしょうか。
(18日22:58)


大飯原発の耐性「妥当」 保安院素案 意見聴取会は混乱

定期検査で停止した原発を再稼働するための条件とされるストレステスト(耐性評価)について、経済産業省原子力安全・保安院は18日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の1次評価を妥当とする審査結果の素案を専門家の意見聴取会に示した。審査結果を示すのは全原発で初めて。
関電は、東京電力福島第一原発事故後に、電源車の配備などの安全対策をとった結果、大飯原発では想定していた地震の揺れに対する余裕が事故前の1.75倍から1.8倍に、津波は1.6倍が4倍に増えたと評価した。素案では、一部に修正を求めたがおおむね認める内容だった。
意見聴取会には開催前から原発反対を訴える市民らが詰めかけ混乱。約3時間半後に再開した。この間に枝野幸男経産相は2度の臨時会見を開催。「一部の妨害で開催されないことは筋が違う。再稼働を急ぐ気持ちは全くない」とした。

金子勝氏 ブログより


原子力安全・保安院が、関電・大飯原発の2基について「ストレステストの方法は妥当だ」とする評価を今日示す。だから危ない!電力会社・保安院・安全委員会の「やらせ3兄弟」による馴れ合い体質こそが事故を生んだのに、何の反省もなし。壊れた国です。 
17時間前 webから

細野環境大臣は原発40年廃炉が後退、例外規定がどんどん膨らむ。さらに20年延長可。たった1回きりって、60年も動かすつもり?明朝、原子力委員会がありますが、原子力ムラが多数を占め、事務局も原発維持路線で暴走しています。頑張ってみます。 
1月17日 webから


2012年1月18日水曜日

収束宣言、アメリカの大使は危機去ってないと言っていますがーー?

昨年12月16日、政府はフクシマ原発災害の収束宣言を行ない、県議会が宣言の撤回を求めるなど物議を醸した。

収束宣言をめぐっては、東電、政府の発表がいかにご都合主義の、国民の安全を全く考慮しない科学的根拠に欠くものであるかは、毎日ウエブ版の中西拓司氏の記事や、週刊金曜日ニュースのウエブページ、現代ビジネス:経済の死角のサイトに、詳しいので、以下、転載する。

聞くところによれば今、東電の経営陣の間では、フクシマ第2原発の再稼働に余念がないそうだが、中西氏の記事を読めば、第2原発もはラッキーとしかいいようのない偶然の重なりIあいと、たまたまその日原発の現場にいた下請け会社の作業員の人たちの働きによって、辛うじて大災害をまぬがれただけにすぎなかったという事実が明らかになるであろう。

決してフクイチだけが問題であったわけではなく、それ以外の原発でも「安全性が確保されている」などと冗談にでも言えたものではなく、安全性からは程遠いお粗末な状況にあることがよくわかる。未曽有の大災害とされるフクイチでさえ、ラッキーな偶然の重なりによって、もっと悲惨な大災害を辛うじてまぬがれたにすぎないことについても、明らかにされている。何が原発の再稼働か、何が避難民の帰宅、地元の復興か、ずぶの素人でさえ疑義を抱かざるをえないような気休めにすらならない宣言をすることで、国の威信や信頼を自ら貶めていることに、東電・政府の人間はどうして思い至らないのだろうか。

さて、駐日アメリカ大使ルース氏は、この収束宣言から、1ヶ月後の1月16日、NRCの専門家らと共に、フクイチを初視察し、復旧の進み具合を確認し、報道陣の前で、「ここで暮らす人達の危機は去っていない」 とはっきり言い切っている。何をかいわんやである。

以下、47newsのウェブサイトを転載する。



http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012011601002128.html


ルース米大使、福島を初視察 「住民の危機去ってない」



 津波被害のあった福島県いわき市の久之浜地区で献花するルース駐日米大使=16日午後
 ルース駐日米大使は16日、福島県を初めて訪れ、事故発生から10カ月たった東京電力福島第1原発(双葉町、大熊町)を視察した。いわき市の仮設住宅では1時間以上、大熊町の避難住民6人から暮らしぶりなどを聞き「ここで暮らす人たちに危機はまだ去っていない。米国政府は日本政府と連携し、可能な限りの支援をする」と報道陣に述べた。
福島第1原発の視察は非公開。米国のエネルギー省(DOE)や原子力規制委員会(NRC)の専門家らとともに、復旧の進み具合を見て回ったという。
視察後、津波で409世帯が浸水したいわき市の久之浜地区を訪れ、堤防に上がって花を手向け黙とう。

2012/01/16 21:52   【共同通信】


http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20111222k0000m070118000c.html



記者の目:福島第1原発の「収束宣言」=中西

拓司


 政府は今月、東京電力福島第1原発を「冷温停止状態」と判断し、事故の収束を宣言した。だが冷温停止状態という言葉は曖昧なうえ、政府が「完了」を主張する「工程表」の中身は過去、7回も書き換えられている。国際社会に早期収束をアピールするため、「自作自演」で幕引きを図った姿勢が透けて見える。
 事故から9カ月が経過した。当時の危機的状況を検証してみよう。

 ◇首都避難の恐れ、偶然重なり回避

 「第1原発も深刻だが、同様に深刻だった第2原発は奇跡的に冷却できたと認識できた」。5月下旬、現地視察した国際原子力機関(IAEA)調査団は、経済産業省幹部に対し「奇跡」という言葉を持ち出してねぎらった。
 津波後も一部電源が残った第2原発では、仮設ケーブルを柏崎刈羽原発(新潟県)などから集め、電気を通して4基の原子炉を冷却することが急務だった。作業員を大量投入して敷地の野球場フェンスを徹夜で撤去し、ヘリポートに改造ケーブルを積んだヘリを社員の車20台のヘッドライトで誘導した。総延長9キロのケーブルを2日で敷設し、ぎりぎり冷却が間に合った。通常20日かかる作業だった。
 人海戦術ができたのは、地震発生が金曜日の午後で、協力企業の作業員数千人がたまたま施設内にいたためだ。「もし発生が翌日の土曜日だったらと思うとぞっとする」。IAEAに、第2原発の増田尚宏所長は証言した。
 そのころ第1原発では1~4号機が電源喪失で冷却機能を失った。最多の1535本(460トン)を保管する4号機の使用済み核燃料プールは沸騰。溶融すれば最悪の場合、首都圏の3000万人が避難を強いられる事態が目前だっただが空だき直前、4号機内で起きた水素爆発の衝撃で核燃料プール横の別なプールの水が偶然、核燃料プールに流れ込み危機を免れた。
 2号機では、原子炉建屋の窓が、隣接する1号機の水素爆発の衝撃でたまたま開き、水素が排気されて建屋内の爆発が回避されたもし4号機プールが空だきとなり2号機も爆発したら、放射性物質の汚染は今の比ではなかった。
 「日本だから収束できた。海外だったら無理」。東電幹部は私の取材にこう証言した。作業員が被ばくにおびえながら復旧に尽くしたことには頭が下がる。だが事故への対応では「偶然」が重なった面も忘れないでほしい。

 ◇政治判断を優先、「一里塚」は疑問

 これに加え、政府・東電が収束に向けて作成した工程表では、根本問題を先送りし、形式的な「収束」にこだわったことが分かる。
 工程表は、原子炉の安定冷却を目指すステップ1(4~7月)、「冷温停止状態」に持ち込むステップ2(7月~来年1月)で構成。政府は、ステップ2の年内の前倒し達成を目指していた。東電は当初ステップ2の目標として、格納容器を水で満たす冠水(水棺)計画を公表したが、格納容器に穴が開いていたことを受け撤回。結局、この重要課題は、5年後以降に先送りされた。「放射性汚染水を処理し減少させる」とのステップ2での目標も、工程表書き直しの過程で「終了後も処理を継続」と変えられた。
 今回発表された「工程表達成」は、ハードルを自分で下げた結果にほかならない。第二次世界大戦当時、大本営発表が軍の撤退を「転進」と言い換えたことを想起させる。
 「冷温停止状態」の定義は、(1)圧力容器底部の温度が100度以下(2)原発敷地境界の放射線量が年1ミリシーベルト未満--などだが、現場の温度計の誤差は最大20度で、実際の温度は不明だ。また、線量は気体分だけで海への流出は含めておらず、曖昧さは否定できない。内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長でさえ「冷温停止状態なる言葉は使ったことはない。メルトダウン(炉心溶融)した原子炉の定義は難しい」という。
 「サイト内(原発敷地内)は収束したが、サイト外(敷地外)は別」(細野豪志・原発事故担当相)という政府の論法も、原子炉内部をだれも見たことがなく状況証拠でしかない「収束」は、科学的根拠より、早期収束を印象づける政治判断を優先させたと言わざるを得ない。国民の生命、財産を守るはずの政府の姿勢としては疑問だ。
 西沢俊夫・東電社長は16日の記者会見で「工程表終了は一里塚」と言ったが、目標設定を下げた「一里塚」には意味がない。政府は、廃炉終了まで東電を監視し、必要な情報を公開し続ける義務を負う。「収束」「冷温停止状態」などの言い繕いは要らない。誠実に「本当の収束」を目指すことが、今の政府と東電に求められている。
毎日新聞 2011年12月22日 0時42分
事故を収束させたい東電・政府にーーばかにするなと抗議殺到
(週刊金曜日ニュース)
2012 年 1 月 18 日  6:40 PM  |  カテゴリー: 政治社会  | by  admin | 
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 野田佳彦首相が東京電力福島第一原発事故の「事故収束宣言」をした一二月一六日夜、東京・内幸町の東電本店で開かれた政府・東京電力統合対策室合同記者会見は、出席した記者らから批判や疑問の声が相次いだ。専門家や海外メディアからも批判や懐疑の声が上がり、細野豪志原発担当相は一八日、「表現が至らなかった」などと陳謝した。
 細野原発担当相(環境大臣)は会見で、(1)冷温停止状態、(2)放射性物質の放出抑制、(3)冷却システムの中期的安定――の三点をもって「ステップ2の完了」を宣言し、「オンサイト(事故そのもの)は収束、今後はオフサイト(除染や賠償など)の問題に取り組む」とし、「統合対策室を廃止し、新たに政府・東電中長期対策会議を設置する。統合対策室としての会見は今回が最後」と説明した。

 しかし、出席者からは「燃料棒がどこにあるかわからない状態で冷温停止と言えるのか」「放射性物質の飛散は続いており、住民が安全に戻れる状態ではない」「合同会見をやめるのは情報の隠蔽だ」などの発言が続いた。

 合同会見終了について細野原発担当相が「マスコミから、もういいだろうとの声があった」と発言したことから、「マスコミとはどこか」と詰め寄られる場面も。また、会見開始から一時間二〇分ほどして細野原発担当相とともに東電の西澤俊夫社長も退席したことに、「なぜひと言も言わずに退席するのか!」「国民をバカにするな!」など怒号が飛び交い一時騒然となった。

 同会見に出席した弁護士の日隅一雄さん、フリーの木野龍逸さん、おしどりマコさんらは同日深夜、自由報道協会で緊急記者会見をし、「『冷温停止』にもなっていないのに事故の収束を印象づけようとしている」として、政府・東電の無責任な姿勢を強く批判した。政府が重点を置いている福島県の除染について「放射性物質の線量はほとんど低下しない。除染作業者の被曝の危険性があるのに、強行する必要があるのか」(おしどり)、「除染で人が住めるようになるか疑問だ。政府や自治体ではなく、県を汚染させた東電がまず責任を取って費用を負担すべきだ」(木野さん)といった意見が相次いだ。

(本誌取材班、12月23日号)

徹底追及! 収束宣言の大嘘!冷温停止はしていない
  「現代ビジネス 経済の死角」より             2012年1月13日フライデー
東電・政府はツイッターで報告された「上がり続ける蒸気」を無視するのか。他にも原子力安全・保安院も認めた「汚染水を運ぶホースに穴」や「1京ベクレル超の海への流出」など解決不能の問題が山積しているじゃないか
「政府は、原子炉が冷温停止状態になったということで事故の収束を宣言しましたが、いまだに原子炉の状況は正確に把握できていません。燃料が、圧力容器内にどれだけ残っているのか、格納容器内に落ちた燃料がどんな形をしているのか。何もかも分からない状態なんです。〝収束〟という言葉で事実をごまかしているだけで、現実は甘くありません」
 元東芝の技術者で、福島第一原発の設計者でもある後藤政志氏は、こう言いきった。12月16日、東京電力は、福島第一原発1~3号機において、原子炉の内部が100℃未満になる「冷温停止状態」に至っていると発表した。それを受けた形で、野田佳彦首相(54)は、「原子炉の安定化」が達成されたとして、政府と東京電力が独自に作成した「事故収束に向けた工程表」の「ステップ2」の完了を宣言した。事実上、「福島第一原発事故の収束」を謳ったものだった。
 ニューヨーク・タイムズ紙は、電子版記事で「事故に対する世論の怒りを鎮めるためだけの勝利宣言だ。誇張された印象を与える」と批判。また、CNNは「約半年間の原発の状況は基本的に変わっていない」と懐疑的な見方を示した。
 東電は、現実に起きている危険の数々を無視した。実際には何が起きているのか、後藤氏らの分析を基に解説しよう。

溶融燃料の行方

 後藤氏は、メルトアウトした核燃料について、こう指摘する。
融けた燃料の現状を把握していない点が、大問題です。原子炉内の温度が100℃未満だといっても、見当違いの箇所を測定している可能性もあります。融け落ちた核燃料が格納容器のコンクリートを深く浸食して、冷却水と触れ合う面積が少なくなり、充分に冷却できていない可能性もあるのです」




東電の試算では、格納容器に落ちた核燃料は、最大で65cm程度コンクリートを浸食している可能性があるという。格納容器のコンクリート部分は、最も薄いところで37cm。最悪の場合、もうすでに格納容器すら突き破り、核燃料による浸食が止まらないアルゼンチン・シンドローム(注1)の可能性も否定できない。
 政府と東電は、本誌に「格納容器は全体の空間温度を測っている」と答えた。つまり、燃料の位置把握どころか水温そのものを測定していないのだ。これが彼らの言う「冷温停止」の根拠だ。だが、原子力安全・保安院広報課は、開き直る。
「政府と東電は、4月12日の菅直人首相(当時)の指示で『東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋』を作成、4月17日に公表しました。その中で、ステップ2の達成条件を『放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられている』こととしています。事故当初、爆発が起こったり、炉内の温度が急上昇したり、制御できないような事態になったりといった状況に比べれば、〝原子炉〟は安定したということです」
 マシになったから収束宣言しましたとは、国民をバカにした話だ。
注1 溶融した核燃料が地球を突き抜けるという、「チャイナ・シンドローム」から来る造語。日本の真裏がアルゼンチンであることから


止まらない汚染水流出

 海に流出した放射能汚染水も、重大な問題だ。日本原子力研究開発機構の計算によれば、東京電力は、事故直後の3月21日~4月30日の41日間だけで1京5000兆ベクレルにも及ぶ放射能汚染水を海に漏出・流出させている。しかも東電の発表では、3月末に漏れ出た汚染水は目視で確認できなかったとして、4700兆ベクレルと試算していたのだ。
「汚染水が地下水に漏れ出たことは、事故直後から確認されていましたが、これは格納容器はおろか、原子炉建屋、タービン建屋の外壁が破壊されているということなんです。しかし、具体的な破壊箇所は分かっていません。現在、汚染水の水位が地下水よりも低く、地下水へ流出していないといっても、根本的な解決にはなっていないんです」(後藤氏)
 今後大きな余震が発生して、さらに建屋が破壊された時には直接核燃料と接する高濃度の汚染水が、太平洋の海へと流出することになる。東電が汚染水の漏出防止用として計画する遮水壁も、'14年度半ばの完成を目標としている有り様だ。
 保安院の回答は当を得ない。
「滞留水(建屋内の汚染水)も地下水より水位が低くなっていて、流出する恐れが低くなっています。全体を見れば、『汚染水が溜まっているじゃないか』という指摘もごもっともですが、そういったことは、『福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ』で対策を講じていますので、ステップ2の達成とは関係のない事項です」
 政府は、汚染水流出の危険を無視したまま、事故の収束を宣言したのだ。

蒸気は漏れ、ホースには穴が

 '11年8月、ツイッターで「福島第一原発内で地割れが拡大し、水蒸気が噴出している」という情報が流れた。最近では@Happy20790という、原発作業員と覚しきツイッターユーザーが「汚染水を運ぶホースにチガヤ(注2)が穴を開けてしまい、チガヤが枯れた今、穴から汚染水が漏れている」というつぶやきを残している。これらの情報について政府および東電は揃って「穴は確認しています。原因は究明中です」と平然と回答。冷温停止状態を宣言した翌17日に、1号機の使用済み核燃料プールから水が漏れ、冷却装置が停止する事態が発生しているというのに、この厚顔だから恐れいる
 そもそも、現状を維持するのですら、〝綱渡り〟の状態だと指摘する声もある。
「後先を考えず、炉心に水をかければ、温度は下がります。しかし、発生する汚染水の処理が不完全だから注水を抑えなければなりません。かといって、注水量を抑えすぎると、また高温になる可能性もあるんです」(東京電力社員)
注2 比較的温暖な地域に生えるイネ科の多年草。全国に生育し、芽吹く時は固く尖っている


東電社員の間では、廃炉に対し、不安が広がっている。
「冷温停止が宣言されて、これから廃炉作業が始まりますが、燃料棒は目視できないし、どんな状態かも分からない。見えないものを手探りで取り出す技術も確立されていないのに、廃炉に何年かかるかなんて分かりません」(前出・東電社員)
 東電の相澤善悟副社長は、12月21日、廃炉に向けたロードマップを説明する記者会見の場で、「今後40年にわたる大きな一歩を踏み出した」と発言したが、「技術もない中での政府の発言は、希望的観測にすぎない」と後藤氏は斬り捨てる。
 原子炉が冷えている理由に明確な自信が持てず、解決不能の問題が山積するなか、政府は「冷温停止」を宣言した。今年から警戒区域内も除染を進め、避難区域を見直し、早期に住民を帰宅させる方針も示している。しかし、経済産業省のあるキャリア官僚は、辛辣だ。
「もともとステップ2は、〝冷やし続けるシステムができた〟という意味にすぎません。安全という意味でも、住民が帰宅できるという意味でもないんです」
事故は収束したという政府の大ウソに振り回され、国民の不安は募るばかりだ。
「フライデー」2012年1月20日号より




2012年1月17日火曜日

いつまで居座るつもりですか?

しばらく日本を離れている間に、とっくに首の挿げ替えがあると思っていたが、同じ人間が3.11以降もまだ同じ地位に居座っていることを知ってあいた口が塞がらなかった。

その人の名は言わずと知れば、斑目春樹原子力安全委員会委員長である。

こんな甚大な人災を引き起こし放射能物質を日本中にまき散らしっぱなしにしておきながら、自分たちには、電気料金を値上げする権利があるなどと宣う東電の経営陣も最悪だが、保安院や安全委員会のひどさも、甲乙つけがたい。原子炉のもっとも基本的な、中学生にもわかるようなメカニズムさえ誰も理解できず、そのために適切な指示を現場に与えることができず、水素爆発、メルトダウンに陥ったことは周知のとおりである。そのせいで未曽有の高濃度放射性物質を全国各地に放出させ、その事実を把握しながら隠蔽するよう指示を出した張本人が、臆面もなく、今も安全委員会のトップの座に君臨し、政治家も官僚も法律家もメディアもその事実を黙認し続けているのである。なんという情けない国、こんな国の国民でいることが情けなく、恥ずかしい。

原発事故調査委員会は先ごろ中間報告を出した。この委員会には最初から期待していなかったが、委員長の畑村氏は、東電が想定外だといって、想定すべき事柄を想定しなかったことに問題があるとは一応認めながらも、それはあとになってはじめて言えることであって、原発災害の前には想定できなかったのはやむを得ないと言わんばかり、東電に大変同情的な見解を示した。

しかし、そんなことが認められていたら、世の中の安全対策を怠った企業は、業務上過失傷害に問われず、無罪放免になってしまう。どうして定期点検をしなかったのか、耐震工事をしなかったのか、消毒をしなかったのか、と責められたときに、まさかそんな事故が起こると思っていなかった、雨さえ降らねければ、風さえ吹かなければ、津波さえこなければ、病原菌さえ繁殖しなければ。そんな言い逃れを認めていたら、世の中デタラメがまかり通ることになる。

WSJによれば、日本の老朽原発には、結局電力会社が、何だかんだ理屈をつけて延長を申し入れれば60年もの運転を認めること、新しく設置される安全庁には事故調査権を与えることが法案の骨子として決まったそうである。この安全庁の専門委員会のメンバーにはまた斑目氏や彼のお仲間の原子力ムラの住人が就任するのだろうか。

いい加減にしてもらいたい。東電は4月から企業の電気料金を17%値上げをし、4000億円増を見込むという。家庭向けの電気料金は反対が多いので、様子を見て値上げを検討中だという。家庭向け料金はまだ値上げしていないよとでも言いたいのだろうが、企業の電気料金の値上げは、商品のコストに確実に跳ね返る。企業の電気料金値上げの直接の犠牲者は消費者に他ならないことを忘れてもらっては困る。

東電はまだまだ人件費を削減し、さっさと送電網を売り払うことで、徹底的に企業努力をすべきである。発送電を分離させ、電力の自由化さえ円滑に行われれば、東電がつぶれようが、どこがつぶれようが、消費者には関係ない。この時代に、私企業が地域独占を当たり前のように行っていること自体が電力の安定供給を脅かす最大の問題なのだから。

以下WSJ,、金子勝氏のブログ、ブルームバーグの記事を転載する。

http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_376576


監視機関に事故調査権=老朽原発、最長60年運転―原子力安全改革法案骨子

2012年 1月 17日  21:26 JST



政府は17日、経済産業省原子力安全・保安院に代わる原子力規制機関として環境省に「原子力安全庁」を設置することや、防災対策の強化などを盛り込んだ原子力安全改革法案の骨子を公表した。安全庁を監視する機関として新設される「原子力安全調査委員会」に事故調査権限を持たせるほか、防災訓練への関与を強めるなど防災対策を強化。原発の運転期間を原則40年とする一方要件を満たせば最長でさらに20年運転可能とした。
改革法案は、原子力の利用と規制の分離を念頭に、原子力基本法や原子炉等規制法など20以上の法律を改正。月内にも閣議決定し、次期通常国会に提出する。 
[時事通信社]
金子勝氏のブログより



東電清水、保安員寺坂、安全委員班目のそろい踏みの懐かしいyoutubeもありました。ひどい連中であきれます 。班目委員長を解任すると、Speedi隠しについて民主党内閣の責任問題が浮上するので、原子力安全委員会全体を衣替えするまで続投?
18時間前 webから



その班目氏が1月13日付朝日新聞でまた「原発のプラントが今後どうなるかを予測できる人間は、私しかいなかった。その私にSPEEDIのことも全部やれっていうんですか。超スーパーマンならできるかもしれませんけど」と放言。この無責任男がまだ原子力安全委員長のままでいるノダラメ内閣です。

18時間前 webから



東電:4月から企業の電気料金17%値上げへ-4000億円増見込む(2)

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  1月17日(ブルームバーグ):東京電力は17日、4月から企業向け電気料金を平均で17%引き上げると発表した。東電の西沢俊夫社長は記者会見で「今回の値上げで約4000億円の収入増を見込む」と語った。
発表によると、値上げ幅は契約電力によって異なるが、大口向けの百貨店・大規模事務所ビルなどで1キロワット時2円58銭(18.1%)、スーパーなど中小企業向けは同2円61銭(13.4%)となる。
  西沢社長は「苦渋の決断だが、値上げをお願いせざるを得ない。現状のままでは経営がさらに悪化し、燃料調達にも支障をきたし、引いては電力の安定供給にも影響を及ぼしかねない」と値上げの背景を説明した。
その上で「引き続き経営の効率化、合理化のさらなる徹底にグループ一丸となって最大限取り組む。お客様には誠に申し訳ないが、なにとぞ、ご理解を賜りたい」と語った。
  今回の値上げは12年度にまかなうことのできない燃料費負担を補う狙いという。前提として12年度に役員報酬や給与の削減による人件費カット、取引関係や発注方法の見直しなどによる費用削減で1934億円の経営効率化を織り込んだ。賠償費用や福島原発の廃炉費用などの影響は織り込んでいない。
東電は福島第一原子力発電所の事故以降、原発の稼働停止により代替の火力発電所の燃料費負担が11年度には8300億円程度に膨らむ見通し。3月には柏崎刈羽原発(新潟県)の原発も稼働を停止する予定で、12年度は全原発が稼働停止することを想定している。
今回の値上げによる12年度の業績への影響については「自由化部門の値上げだけで赤字を脱却できるのかと言えば非常に厳しい」と述べた。
東電の電力供給のうち約6割が今回の料金値上げを適用した自由化部門。残りの4割に当たる政府の認可が必要な家庭向け電気料金の値上げ申請については原子力損害賠償機構とともに3月にまとめる総合特別事業計画の策定に合わせて「いろいろ経営として判断していきたい。検討を詰めている」と語った。公的資金の注入の可能性についても同計画の中で検討するとした。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 鈴木偉知郎 Ichiro Suzukiisuzuki@bloomberg.net東京 稲島剛史 Tsuyoshi Inajimatinajima@bloomberg.net