2011年12月18日日曜日

M9地震への備えは?

 東大の地震学の専門家であるゲラー教授は、「日本全土はいつ大きな地震が発生してもおかしくない状態にあり、政府や国民は「想定外はないと考えて、備えるべきだ」と発言しているが、その一方で、相変わらず、さまざまな手法で予測がなされている。そのひとつが12月、1月に、房総沖を震源にM8-9クラスの地震が発生するという予測である。


「起こる、起こる」と言われているところで、一向起こらず、想定外のところでばかり、大きな地震が発生しているというのが、神戸の大震災以来の、国民の専門家の地震予知に対する共通認識であると思われる。

いずれにしても、気象庁のデータによれば、3.11以降、12月17日までの間にM5クラスの余震と言われるものが、576回、M6クラスのものが96回、M'7クラスが6回も生じている。列島の地殻変動が活発になっていることは否定出来ない事実であろう。

そんな状況にありながら、政府は、「フクシマ原発は冷温停止状態となり、安全な状態になった」とな宣言し、避難住民の呼び戻しと、放射能汚染の過小評価と原発再稼働にやっきになっているが、それは大地震がここにもう一度大きな揺さぶりをかけることを想定したものとは到底思えないし、世界のメディアは、この安全宣言を「まやかし」と厳しく斬り捨てている。

政府は、放射性廃棄物の処分場も確保できぬままに、今なお全国15%の原発の稼働を認め、「絆」という美名のもとに、東電によってばらまかれた放射能物質(放射能で汚れた東北、北関東の農作物、畜産物、海産物や放射能汚染灰)を国全体に拡散させようという施策をとり続けている。


このブログでも何度か論じたが、この期に及んでも国は未だ首都機能の分散については、ほとんど全く無関心である。その一方で大阪副都心構想がにわかに大きな話題となって浮上しているが、大阪は、海面より低い土地面積が広いことで有名な地域であることを、今一度十分に認識した上で、副都心構想の立地条件として適切かどうかを熟慮すべきではないのか。

以下、講談社ウエブ版「現代ビジネス」の記事を転載する。

現代ビジネス
経済の死角                  2011年12月16日(金) 「週刊現代」

近づくM9級大震災、あなたは今そこにいて本当に大丈夫か。
そのとき東京では何が起こる?
もし地下鉄に乗っていたら、もし高速道路を走っていたら。


 忘れた頃に地震はやってくる。そしてこの国には残念ながら、必ず大地震がくる。頭で分かっていても、多くの人が行動には移していない。引っ越すことも含めて考えるべきなのに。それもできるだけ早く。

津波が来たら、地下鉄はアウト

 3・11から9ヵ月が経つ。大震災の恐怖も少しずつ薄れつつある。被災地から離れた首都圏になると、3・11以前の日常に戻っている人も少なくない。だが、間違いなく大地震は再びやってくる。そして、そのとき、備えを忘れているあなたはパニックになるだろう。
最近、複数の専門家が房総沖を震源としたM8~9クラスの巨大地震が発生する可能性を指摘している。
東日本大震災では、太平洋海底の日本海溝に沿って、三陸沖から茨城沖まで広がるプレートの境界線付近で巨大地震が次々と発生した。だが、すぐ南隣に並ぶ房総沖の地殻は動かず、エネルギーが溜まったままではないかと疑われているのだ。
東日本大震災の余震発生パターンを研究している独立行政法人建築研究所・研究専門役の古川信雄氏は本誌で、「この地域にはプレートの〝滑り残し〟の部分があると考えられます。房総沖が潜在的に地震を起こす場所であるのは間違いありません」と首都に近い地域での大地震の可能性を指摘している。
3・11のM9地震で震度6強を記録した仙台では大きな被害が出たが、人口がはるかに多く、都市機能の集中した首都圏が同じ揺れに見舞われたらどうなるか。
「房総沖地震」に対する政府の被害想定は発表されていないが、首都が巨大地震に襲われた場合の被害予測はある。中央防災会議によれば阪神・淡路大震災と同程度の首都直下型地震が起これば、死者は1万1000人にも上ると予想されているのだ。そのときどこにいるか、そしてどんな心構えで、どんな備えをしているか---それがあなたやあなたの大切な人の生死を分けるだろう。
まずは地下鉄の場合を考えてみよう。
巨大地震が発生した際、多くの人が携帯などで最初に受け取るのが、緊急地震速報だ。3・11の仙台では地震の本震が到達するまで15~20秒の時間的余裕があった。鉄道では、この速報性が命綱となる。たとえばJR東海では、独自に設置している東海道新幹線早期地震警報システム(通称テラス)によって地震の初期の小さな縦揺れを検知。新幹線を自動停止させるほか、在来線の運転士にも総合指令所から停止の指示を出す。
東京メトロによると、地下鉄も同様に本震到達前に電車を止めるシステムを採用している。そして、いったん停止して本震をやりすごしたのち、電気が通っていれば時速5kmの低速で最寄りの駅に向かう。電力が止まってしまった場合には乗務員が乗客を線路に下ろして最寄り駅に誘導する。
だが避難自体は整然と進んだとしても、実は地下鉄には大きな弱点がある。津波に対して、現状ではほとんど無力だということだ。
「海抜0m地帯などでは駅の出入り口全体を覆う扉を設置していますが、あくまで静かに増水する高潮への対策で、津波への対策ではありません。地下鉄は道路上に換気口がありますが、そこを遠隔操作でふさぐ浸水防止機も開発を進め、設置をはじめていますが、まだほとんどついていないに等しい。それに停電すれば、無数にある換気口を手動で閉めなければなりません」(東京メトロ広報部)

駅は地獄絵図に

水が浸入するであろう開口部は、手が回りきらないほど多数存在するのだ。
では、房総沖でM8~9の地震が起きたら、どの程度の津波が発生するのか。東京大学地震研究所の都司嘉宣准教授はこう予測する。
「外房の旧飯岡町や旭市は8~10m。ここは今回も被害が大きかった地域です。震源の真正面にあたる勝浦や鴨川も被害は大きいでしょう。内房や横須賀では4~5m程度。ゆっくり上がってくるので被害は少ないと思います。横浜、東京はほとんど来ません。せいぜい2mほどで隅田川の遊歩道が浸水する程度。地下鉄が水没するとは考えにくい」
一方、被災地や首都圏の災害の記録を調査してきたまちづくり計画研究所の渡辺実所長は津波による浸水の可能性を否定しない。
「3・11では木更津で津波が観測されたほか、多摩川や荒川にも波が遡上しており、秋葉原近くの神田川を津波らしき波が逆流する映像も撮られています。東京湾は閉鎖湾なので、波が繰り返し反射して大きくなることもあるでしょうし、満潮と重なれば高くなる。下水から逆流して地下に入る可能性もゼロじゃない」
都司准教授も、道路面にある換気口からの浸水も心配されていると伝えると、
「東西線の門前仲町駅や半蔵門線の清澄白河駅、JR京葉線が東京駅に向かって地下にもぐる周辺、有楽町線の新木場駅周辺は注意したらよいかもしれません。換気口が水に浸かる時間は20分程度。どれくらい水が入るかはわかりません」。
一方、津波でなくても水が地下にいる人々をおびやかす可能性がある、というのは元土木学会会長で早稲田大学創造理工学部の濱田政則教授だ。
「房総沖でM9の地震が起きたら、3・11に浦安で見られたのとは比べものにならない液状化が起こるでしょう。心配なのが0m地帯です。隅田川、荒川、中川付近の江東デルタ地帯など海面より低いところは、『カミソリ堤防』と呼ばれる垂直な堤防に囲まれて守られていますが、液状化で一部でも破壊されると、いっきに浸水します。地下街、地下鉄、地下変電所などは水没してしまうでしょう」
海抜0m地帯は堤防によって守られているが、1ヵ所が崩れれば中は水浸しだ
 上図の中央付近、堤防に囲まれた海抜0m地帯が江東デルタ地帯だ。ここにもいくつもの地下鉄が走り、駅や換気口が存在する。こうして地下鉄に水が浸入すれば人々は逃れようと焦り、駅が地獄絵図になると前出の渡辺氏は言う。
「停電した場合は、時間が経つと地下は真っ暗になります。みなさん誤解しているんですが、非常灯のバッテリーは意外ともたない。火災を想定したものなので、せいぜい40分です。止まった列車から線路を歩いて避難することになれば、駅につく頃には駅員と乗務員の懐中電灯に頼るしかない。そうやってたどりついても、たとえば大江戸線のいちばん深い駅は地下40mのところにあって、ビル10階分登らないと地上に出られない。階段や止まっているエスカレーターを、誰もが走って上がろうとします。ところがエスカレーターの一段の高さは普通の階段より高い。ハイヒールの女性やお年寄りが転倒したら、あとはドミノ倒しです」
それでも、水が迫るかもしれず、闇に沈む地下からは一刻も早く地上に出る以外、選択肢はないという。

高速道路は〝火の川〟に

もしあなたが臨海地域にいたなら、液状化によって命の危険にさらされるかもしれない。前出の濱田教授は力説する。
「東京湾岸の埋め立て地では、液状化した地盤が水平に動いてしまう側方流動が起こります。阪神大震災では7mも動いた例がありますし、3・11でも浦安の三番瀬の護岸が1・7m動きました。埋め立て地にあるコンビナートの安全基準は液状化や側方流動が研究される前に定められたもの。3・11では千葉県市原市のコスモ石油の液化石油ガスのタンク火災が起きましたが、東京湾には他にも石油タンクなどが5000基以上ある。液状化による破損で10基でも同時に火災を起こしたら消防はお手上げです。コスモ石油では球形タンクが火災で爆発して、破片が最長6km近く飛んだそうですから、近隣の地域も必ずしも安全ではない」
 さらに液状化が直接、人の命を奪うこともある。地震地盤工学が専門の関東学院大学の若松加寿江教授はこう語る。
「1964年の新潟地震では液状化で土砂の噴出した穴に吸い込まれて2人が亡くなっています。'87年の千葉県東方沖地震のとき、利根川流域で液状化した田んぼを見に行って胸まで飲み込まれた人から聞いた話では、底なし沼に吸い込まれるような恐怖だったとか。液状化しそうな地域にいて、地面が波打ったり盛り上がったりするのを見たら、すぐにしっかりした構造物の中に逃げる。地面の上にいるなら、せめて舗装された場所に上がったほうがましでしょう」
 すぐには逃げ出せないという点から言えば、高速道路も危ない。慢性的に渋滞する首都高もっとも怖いのは車輌火災だ。首都高を管理・運営する首都高速道路株式会社では、地震発生時には急ブレーキをかけず、緊急車輌のために中央部を空けてゆっくり停車してほしいと呼びかけている。しかし、万が一、誰かが急ブレーキをかけ、玉突き事故などを引き起こして一台でも出火すれば、すし詰め状態で停まった自動車に次々と引火して道路が〝火の川〟になる可能性がある。
「消火活動は消防署が行います」(首都高速道路広報室)というが、大規模災害時に消防車が間に合うのかは未知数だ。高速道路上で、その場にとどまれないと判断した場合には1kmごとに設けられた非常口(トンネルでは400mごと)から避難するしかない。
さらに専門家たちが「大地震のとき、そこにはいたくない」と口を揃えるのが高層ビルの上階だ。3・11の際、東京の高層ビルでは最大3~4mの揺れが5分以上もつづいたものもあり、オフィスのコピー機がフロアをすべって動き回り、書架が倒れるなど大きな被害が出た。遠方の震源からくる周期の長い揺れ、「長周期地震動」によるものだ。
「想定される房総沖地震の特徴は、震源が近く、揺れが大きいわりに、直下型ではないため長周期地震動の影響が顕著に出ることでしょう。高層ビルには建物ごとに固有の周期があって、地震の揺れと共振を起こすと何が起こるかまだわかっていない。『座屈』といって、9・11テロのように、建物が上からつぶれていく可能性もある。制震・免震などの新技術が導入されていないビルでは共振を防ぐ術はない」(前出・渡辺氏)
高層ビルで地震にあったときの対処法はマンション、オフィス、商業施設どれでも同じ。長い揺れがおさまるまでどこかにつかまり、周囲に目をこらしてぶつかってくる家具やOA機器を避けながら、身の安全を図るしかない。

高層ビルは上から崩壊

高層ビルが林立するオフィス街や繁華街の路上にいる人は、大地震の瞬間はとにかく頭を守り、落下してくる割れたガラスや看板などを避けるしかない。
だが、揺れがひと段落すると、今度は店舗やオフィスから避難してきた大量の人にもみくちゃにされる。多くの人は家に帰ろうと、いっせいに郊外に向けて動き始めるが、そこには別の恐怖が待ち受けている。
「中央防災会議の報告で、下町や杉並や世田谷の環状6号線と7号線の間に、木造家屋の密集した非常に燃えやすい地域があることがわかっています。いまの東京には広い道路や川などの延焼防止帯がなくて、燃え出したら止まらない危険性がある」(前出・濱田教授)
だが多くの人はその火に向かって進んでしまう、と前出の渡辺氏はいうのだ。
「3・11と同じように首都圏を放射状に走る幹線道路を人々が歩いて帰ろうとするでしょう。ただ、あの時は東京が被災地ではなかったのでみんな家に帰れましたが、今度はそうはいかない燃え盛る環状6号線の手前あたりで、後ろからは続々と人が押し寄せてくるのに、前は火災という状況になります。大正12年の関東大震災で荷物に火が燃え移って多数の人が生きながら焼かれましたが、同じことが起こるかもしれない」
現在東京都では、企業には社員をむやみに帰さず、社屋に非常用の備蓄をして留め置くことや、デパートなどの商業施設、ホテルなどに買い物客、観光客などを受け入れることを義務化する条例案を作成中だ。
房総沖M9。そのとき、たったひとつの判断があなたの生死を決める。
「週刊現代」2011年12月17日号より

2011年12月17日土曜日

西日本新聞、原発批判の本出版中止: コピペ

http://www.asahi.com/national/update/1216/SEB201112160063.html

西日本新聞、九電への配慮否定 原発批判の本出版中止で

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西日本新聞社(福岡市)が執筆を頼んだ本について九州電力玄海原子力発電所でのプルサーマル発電を批判した記述の削除を求めた末、出版を中止した問題で、西日本新聞社は16日、朝日新聞の取材に応じ、「論理の飛躍や説明不足があり、出版をやめた。九電など特定の企業への配慮で出版をやめたことはない」と説明した。原稿の内容が原因とする主張に、著者は「最終段階で中止したことへの説明になっていない」と反発している。
西日本新聞社広報部は、同社側が原発に批判的な記述を含む部分の削除を求め、著者の環境活動家、田中優氏(54)が応じたにもかかわらず、出版を中止した一連の経過を認めた上で、「そもそも講演録を出版するという企画自体に無理があった。確認が必要な数字、データもあり、作業は膨大。著者、編集者双方にとって負担が大きかった」と説明。「どういうレベルでどういう判断があったか分かっていない部分はあるが、会社としての判断でやめた」と述べた。
一方、田中氏によると、昨年12月に出版中止を言い渡されるまで田中氏は約10カ月にわたり、西日本新聞社の編集者と出版に向けた作業を続け、出版委員会、経営企画委員会といった社内手続きを通ったと報告を受けており、川崎隆生社長の決裁を残すのみだった。田中氏は「加筆修正や確認が必要な内容が膨大にあるのであれば、社長決裁より前の段階で指摘があるはずで、論理的におかしい説明だ」と話す。
この問題は、西日本新聞社が田中氏に執筆を頼んだ地域づくりに関する本について、印刷に回す直前になって約160ページにわたる原稿のうち、原発に批判的な記述のある「再処理工場は必要なのか?」「おカネのゆくえ」など12ページの削除を「上層部の意向」として求めたうえ、田中氏が応じたにもかかわらず、昨年12月に出版を中止した。その際、編集者は著者に「会社の結論」として「新聞社としては少し荷が重すぎる」と理由を伝えており、田中氏は同社が九電に配慮して「自主規制したのではないか」と批判している。
西日本新聞社の大株主である九電の広報担当者は16日、出版中止への関与を否定し、出版計画について「事前に把握していないし、できるものでもない」と述べた。
西日本新聞労働組合(手島基委員長)は16日、会社側に対し、全従業員に事実関係を説明するよう申し入れた。

正義よりも金ですか、日本一の弁護士さん?

フクシマ原発によるセシウム汚染に対して、東電の弁護団は「セシウムは無主物だから東電とは関係ない」などと詭弁を弄し、東京地裁の裁判官は営業停止を余儀なくされた周辺企業の訴えを退けた。これは、今後のフクシマ原発に関する訴訟の方向性を占う上で極めて重要な案件であり、単なる一企業の敗訴と、高見の見物をしていてはならないものである。

日本の裁判は弁護士(弁護団)の力次第とよく言われるが、東電にくっついているのは、340名もの弁護士を擁する日本最大級の弁護士事務所だという。東電が我々の税金や高い電気料金から、どれだけ多くの弁護料を支払っているかと想像するだけでも、苦々しい思いがする。セシウムは無主物などという屁理屈をこね、東電の責任逃れをさせるために、国民は高い電気料金を、税金をむしりとられているという事実をもっと認識すべきである。

東電が合理化を進めているというが、それがどれほどのまやかしであるかは、この弁護団を見ればよくわかる。東電が合理化を徹底するというならば、裁判はすべて国選弁護人を立ててやっていただきたいものである。

それにしても、このような被災者側の敗訴の事案も、日本の大型メディアは、特にテレビはまともに取り上げようともしない。日本の司法の機能停止は、大王製紙やオリンパス事件などよりはるかに重要な国民的な議論になってしかるべき問題である。

日本は法治国家でもなければ、正義を追求してはならない国であるという事実をフクシマ原発事件の成り行きを見守ることで、初めて思い知ったのは、薔薇っ子だけだろうか。

以下は講談社のウェブサイト、「現代ビジネス 経済の死角」から転載する。フクシマ原発災害発生から、9が月、総理による冷温停止宣言だけは、各社一斉に大々的に報じられたが、どちらかといえば、収束不可能な状況から冷温停止の状態まで、東電側の努力で工程表通り、達成したよということと、もはやフクシマ原発周辺は戻っても安全だよという点ばかりが強調された感がある。

特にここ2,3ヶ月で、週刊誌はほとんど原発に関する話題を取り上げなくなり、テレビでも、フクシマ原発の問題や東電、日本の原子力政策、エネルギー問題について取り上げ、問題点を指摘するのは、古舘伊知郎とみのもんたぐらいのものになってしまった。

政府や電力会社は、「冷温停止」で、フクシマ原発問題を手打ちにし、問題を風化させ、気がついたときにはいつの間にか、原発の再稼働、増設が日本全国で当然のように進められてしまっていたというようなシナリオを描いているのだろうが、フクシマの悪夢を再現したくなければ、国民はこの問題から決して目を逸らさず、今後の成り行きをしっかり目を見開いて、見守っていかねばなるまい。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/29579

現代ビジネス 経済の死角

トンデモ裁判、呆れた論理
東電弁護団、それを言っちゃぁ、おしめえよ
「セシウムは誰のものでもない!
だから除染の必要はない」だって   「週刊現代」 2011年12月12日(月)



〔PHOTO〕gettyimages
 裁判は言葉遊びの場ではない。まして、問題は人の命に関わる原発事故なのだ。「セシウムはウチの所有物じゃないので、飛び散った分の責任は持てません」。この理屈、本気で言ってるんですか?

有名弁護士事務所の方々が

 法律がどうこう言う以前に、まずは社会常識の問題として考えて欲しい。
近所に、庭でゴミをガンガン燃やして黒煙を上げている家があった。その煙のせいで自宅の外壁は汚れ、庭は燃えカスと灰だらけ。迷惑この上なく、「自宅の外装を張り替え、庭をキレイにするための費用を弁償してほしい」と申し出た。
すると問題の家主は、こう主張した。
「ウチから出た煙は、もう〝ウチのもの〟ではない。だからどこに飛んで煤が落ちようと知ったことではない。そんなに掃除したいなら、自分ですれば」
こんな人物がその辺りの住宅街にいたら、正気を疑うレベルである。いわゆる「モンスター隣人」といったところだろう。
 だが、ほとんど同じような主張を法廷でしている企業がある。しかも、汚染源として問題になっているのは、ゴミを燃やす煙どころではなく、セシウムなのだ。
「事故で飛び出した放射性物質(セシウム)は、ウチの所有物じゃない。だから除染をする義務もなければ、カネも払えない」
そう言い張っているのは、福島第一原発の事故を起こした東京電力である。
この驚くべき「論理」が飛び出したのは、福島県内でゴルフ場を経営する企業が、東電に対して起こした裁判でのことだ。「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部」の山根勉・代表取締役はこう語る。
東電さんとその弁護団のメチャクチャな主張には、正直、耳を疑いました。あちらの弁護士さんは、日本有数と言われる有名弁護士事務所の方々なのに・・・・・・」
同社のゴルフ場(サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部岩代コース)は、福島第一原発から西方45kmに位置する丘陵コース。今年は1~2月の冬季休業期間が明け、3月にいよいよオープンしようとした矢先に、東日本大震災が起きた。
ゴルフ場ではグリーンが陥没したり、カート専用道路に亀裂が走ったりするなどの被害が出たという。それでも自力で修復を行い、7月の仮オープンを目指していたが、原発から撒き散らされた放射性物質の汚染により、それも頓挫した。
「6月に二本松市役所が場内の放射線濃度を測定してくれたのですが、2つの機器の平均数値が、毎時2.2マイクロシーベルトと同3.2マイクロシーベルトでした。そのため予定されていた公式戦も中止となり、ならば一般のお客さんも入れるわけにはいかないという結論に達し、休業を決めたのです。以来、現在まで営業はしておりません」
コース内では、カート置き場の雨樋付近で毎時51マイクロシーベルト以上という高い放射線量を記録しており、最近では芝生や草を検査に回した結果、1kgあたり20万ベクレルという、チェルノブイリの強制避難区域を超える汚染箇所があることもわかったという。
ただ、休業により経営は傾いた。サンフィールド社は、東電に補償を求める書類も提出したが、取り合ってもらえなかったという。そのため8月に、東電に対し約8700万円の損害賠償と、放射性物質の除染を求め、東京地裁に仮処分の申し立てを行ったのだ。
するとこの裁判において、東電側の弁護団(梅野晴一郎、荒井紀充、柳澤宏輝、須藤希祥、井上聡各弁護士)が出してきたのが、前出の「セシウムはウチのものではない」といった論理だ。ここで、
本誌が入手した裁判資料で明らかになった、東電の主張の要旨を紹介しよう。
●「放射線の測定精度がそもそも信用できない」
件のゴルフ場では、前述の通り二本松市が、コース内の52ヵ所で放射線濃度の測定を行った。ところが東電弁護団によれば、「たった52ヵ所」だと言う。
〈測定が行われた場所は52ヵ所に過ぎず、その結果にばらつきがあることも考慮すると、前記の測定の結果のみをもって、本件ゴルフ場全体の汚染状況を推測することは許されない〉
 確かにゴルフ場は広い。しかし、数ヵ所や10ヵ所程度ならともかく、52ヵ所も測った記録を用いるのを「許されない」という主張はかなり強引な印象を受ける。しかも、行政機関が測定した公的な数値だ。そんなことを言われたら、たとえ避難区域内でも大半の場所が、「賠償など許されない」ことになってしまう。

「無主物」なんだって

●「年間1ミリシーベルトを超えたからと言って、直ちに健康被害があるわけでもない」「そもそもゴルフ場を休業する必要がない」
〈日本国内で、平時に年間1ミリシーベルトを超える自然放射線が観測される地域はあるし、海外では、年間10ミリシーベルトの自然放射線が観測される地域もある〉
 いわゆる「御用学者」がしばしば唱えている理屈だが、あまりに乱暴である。自然界の放射線と、原発事故で放出されたセシウムなどによる被曝を同列視すべきでないという識者も多く、いまの段階で「大丈夫」と断言するのは明らかに言い過ぎだ。その上、東電の弁護団は、こう主張する。
〈大人が娯楽のため任意かつ不定期に利用するゴルフ場において、空間線量率が年間1ミリシーベルトを超えたからといって、直ちに健康被害が生ずるとか、それ故にゴルフ場の営業を直ちに休止せざるを得ないということはできない〉
〈サンフィールドが主張する基準を超える空間線量を計測した地点は、福島県内だけでも広範囲に及ぶが、営業を行っているゴルフ場は多く存在する〉
 つまり、「セシウムを怖がって休業する必要はなかった」という。しかし、そんなゴルフ場で長時間プレーする客がいたか、甚だ疑問だ。同じ理屈で東電は、原発事故で故郷を失った人たちに対し、「セシウムを怖れて逃げる必要などなかった」と言えるのだろうか。
●「放射性物質は〝無主物〟である」「除染は自分たちでできるはず」
これが「セシウムは誰のものでもない」との論理である。
〈放射性物質のようなものがそもそも民法上の「物」として独立した物権の客体となり得るのか〉
〈その点が肯定されたとしても、債務者として放射性物質を所有しているとは観念していないことに鑑みると、もともと無主物であったと考えるのが実態に即している〉
 放射性物質は東電がそれをコントロールし、支配している所有物ではない。だから、責任を取って取り除けと言われても困る---。

恥ずかしくありませんか

この無責任な主張を、京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は強く批判する。
「東電は、実に恥ずかしい会社だと思います。いくら法律上、そうした用語なり概念があるとは言え、誰が考えてもおかしい理屈です。
 もともと東電がウランを買ってきて所有し、それを核分裂させて生成されたのが、セシウムなどの放射性物質。れっきとした東電の所有物とみなすべきです。
 だいたい、これまでずっと東電は『原発は絶対に安全です。決して放射性物質をバラ撒いたりしません』と、主張していたのですよ。なのに結局は無主物どころか、強烈な毒物をバラ撒いたわけです。これで『自分たちには責任がない』と言うとは、どういう精神構造をしているのでしょうか」
さすがに、この東電サイドの「セシウム無主物論」は、東京地裁に認められなかった。裁判所も詭弁が過ぎると判定したのだろう。
しかし、裁判の「結果」は別だ。サンフィールド社が求めた除染実施の仮処分申し立ては、10月31日の決定で却下されてしまった。
 東京地裁(福島政幸裁判長)は、「サンフィールド社が東電に除染を求める権利はある」としながら、一方で「除染は国や自治体が行うもの」だから、東電はやるべきではない、だから申し立ては認められない、というのである。
では、国や自治体が東電に代わってすぐに除染をしてくれるのかと言えば、そうでもない。「除染の方法やこれによる廃棄物の処理の具体的なあり方がいまだ確立していない」ので、すぐにできないという。
 同様に、8700万円の休業補償の請求についてもあっさり却下された。こちらも東電の主張そのまま、「文部科学省が4月に出した学校の校庭使用基準である毎時3.8マイクロシーベルトを下回っているから、ゴルフ場を休業する必要はない」と言うのである。

裁判官もしっかりしないと

サンフィールド社の弁護団の1人は、こう憤る。
4月の文科省の基準はもともと暫定値実際に8月には、『年間1ミリシーベルト以下、毎時1マイクロシーベルト以下』と変更になりました。被曝線量がそれを超えた場合、速やかに除染せよ、というのが新たな文科省の見解です
 にもかかわらず、10月末に出た決定で、なんで『毎時3.8マイクロシーベルト』の基準が根拠になるのか、意味が分かりません
同じく弁護士の紀藤正樹氏もこう首を傾げる。
「『除染方法や廃棄物処理のあり方が確立していない』とまで言うのは、裁判長の個人的な価値観や政策評価が出過ぎています。これでは、現在行われている除染処理のあり方を否定することになってしまう。
 また『毎時3.8マイクロシーベルト以下なら営業に支障がない』という部分にも、裁判官の価値観が色濃く出ています。風評被害もあるわけですから、営業に支障がないと言い切るのは無理があります。
 全体に、裁判官の心証、価値観が東電側に傾いているようで、不公平な決定という感じがしますね」
 ゴルフコースからは、ストロンチウムまで検出されているという。そんな場所で「営業に支障がない」という判示は、国民一般の感情から乖離しているように思われるのだが・・・・・・。
東電側の弁護団を組んでいる「長島・大野・常松法律事務所」は、約340人もの弁護士を抱える日本最大級の巨大弁護士事務所で、法曹界では「四大事務所」の一角と言われる存在だ。
本誌が取材を申し込んだところ、「東電がこの件では取材を受けない、というスタンスなので、お答えすることはできません」と、あっさり断られた。
そこで、東電本社の広報グループにも質問状を送り、「セシウムは無主物である、などという主張は、一般社会の認識からかけ離れて非常識ではないか」などと質したが、こちらも、「係争に関わる事項ですので、回答は差し控えさせていただきます」とのことで、詳しい見解を聞くことはできなかった。
前出の小出氏は、東電や裁判所が原発の賠償問題と向き合おうとしない背景には「国」の存在があるとして、こう批判する。
「これまで原子力関係の裁判で、国が敗訴したことはありません。裁判官の世界も、国を困らせないような判決を出すことで出世していくシステムができている。原子力の問題に関しては三権分立など存在しないと考えたほうがいい」
もし東電が敗訴すれば、同様の訴訟が各地で一斉に起こり、収拾がつかなくなる。結果的に困るのは、東電が処理しきれない賠償を肩代わりすることになる国だ。だから、敗訴させるわけにはいかない---。
 しかし、それでは原発事故の被害者はいつまでたっても救われない。福島県いわき市で、事故の影響を受けた人々や企業を支援している弁護士の渡辺淑彦氏は、こう訴える。
今後、原発事故の裁判が、かつての公害訴訟のように、時間ばかりかかって賠償されない、という事態になるのを怖れています。風評被害により、地元企業には経営難が広がっていて、リストラされ無収入になってしまった人も増えています。今後、そうした人がどんどん増えていくでしょう。
国の出した指針では、避難区域外で解雇された人も、東電に賠償を求める権利があります。ところが私が直接、確認したところ、東電は、そのための書類すらきちんと用意していないのですよ。これでは『公平な賠償』など期待できません
セシウムは誰のものか。エリート弁護士軍団を使ってそんな屁理屈を捏ねているヒマがあるのなら、被害者救済のための書式を作らせるくらい、彼らにやらせたらどうか。
「週刊現代」2011年12月17日号より






2011年12月16日金曜日

Deception ?: NYT

震災から9ヶ月以上、工程表通り政府はフクシマ第一の冷温停止宣言をした。NYTはこのニュースを、Deception?というタイトルで報じている。日本政府とメディアの隠蔽体質は、第2次世界大戦の大本営発表から何ひとつ変わっていない、何も学習していないということを、3月のフクシマ原発事件ほど、強く認識させてくれた事件はない。

政府は原発から半径20キロ圏内の警戒区域と、年間20ミリシーベルト以上の計画的非難区域を新たに3つに分け、放射線量が年間20ミリシーベルト未満の地域を、解除準備区域と称して、除染して近く住民を呼び戻し、多額の国税を投じて復興するという。

「直ちに健康への被害はない」とういうことだろうが、気休めにもならないような安全宣言を行うのではなく、原発担当相を初め、原発関連事業に関わってきた経産官僚、東電の原子力関係者や御用学者は、皆、家族ぐるみで、この準備区域に率先して土地を買い、転居して、廃炉に至るまでの陣頭指揮をとるべきである。 国民の原発政策に対する疑念や不信感は、それほど増大しているということを政府はしっかりと認識すべきである。

もしDeceptionという言葉にいささかなりとも異議があるのなら、日本政府は直ちにNYTや、CNNに対して強く抗議すべきであるし、日本のメディア各社は、毒にも薬にもならない、どうでもいいようなニュースを報じているべき事態ではあるまい。それこそ、国を代表する首相が全国民を欺いていると全世界に向かって報じられているのだから。。

http://enenews.com/deception-nyt-experts-seriously-doubt-govt-fukushima-claims-fear-japan-only-trying-to-appease-growing-public-anger

ENERGY NEWS







Published: December 15th, 2011 at 06:51 AM EDT | Email Article EMAIL ARTICLE 

By ENENEWS ADMIN
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Deception? NYT: Experts seriously doubt gov’t Fukushima control claims — Fear Japan only trying to “appease growing public anger”


Cold Shutdown
  • Gov’t expected to declare soon it has finally regained control of [...] reactors
  • Announcement facing serious doubts from experts
  • Many experts fear:
  • 1) Gov’t is declaring victory only to appease growing public anger over the accident
  • 2) It may deflect attention from remaining threats to the reactors’ safety
  • Some experts [...] say proclaiming a cold shutdown may actually be deceptive, suggesting [...] plant is closer to getting cleaned up than it actually is
  • Experts point out, damaged fuel cores have yet to be removed from plants that suffered meltdowns decades ago
  • Soviet officials simply entombed the damaged reactor in a concrete sarcophagus after the explosion [at Chernobyl]
Quake
  • A large aftershock [...] could knock out the jury-rigged new cooling system
  • [Large aftershock] is considered a strong possibility by many seismologists
  • Kudo and other experts said their biggest fear was that another earthquake or tsunami could knock out Tepco’s makeshift cooling system
  • They noted that it was not built to earthquake safety standards
  • Vulnerable equipment [is] connected to reactors by more than a mile and a half of rubber hoses
  • “All it would take is one more earthquake or tsunami to set Fukushima Daiichi back to square one [...] Can we really call this precarious situation a cold shutdown?” -Kudo



NEWS ANALYSIS

Japan May Declare Control of Reactors, Over Serious Doubts

Tepco Via Jiji Press/Agence France-Presse — Getty Images
Workers sprayed water in March to cool the spent nuclear fuel in a reactor building at the Fukushima Daiichi nuclear plant.





http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111216/t10014696851000.html

海外メディア 冷温停止を疑問視

12月16日 17時50分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)
野田総理大臣が、「原子炉は『冷温停止状態』に達した」と述べ、事故の収束に向けた工程表の「ステップ2」を完了したことを宣言したことについて、海外のメディアは宣言の信ぴょう性を疑問視する見方を伝えています。
このうち、アメリカの新聞「ニューヨークタイムズ」は電子版で、「専門家は『冷温停止状態』の宣言を強く疑問視している」としたうえで、「年内にステップ2を達成するという公約を果たすための、現実を無視した宣言であり、原子炉の安全性への脅威から目をそらせることがねらいだ」とする専門家の見方を伝えています。また、アメリカのCNNテレビは、「冷温停止は象徴的な節目ではあるが、放射性物質の除染など事故の完全な収束には10年以上かかる可能性があり、状況が大きく変化するわけではないとの指摘もある。日本政府や東京電力は、何とか国民をなだめようとしているが、国民の間には強い怒りや批判の声が渦巻いている」と伝えています。このほか、中国国営、新華社通信の英語版は、複数の専門家の話として、「損傷した原子炉内の温度を正確に測定することはできず、原子炉がどれほど安定した状態にあるかを断定することはできない」としたうえで、「世界の人々に間違った印象を与えるおそれがあり、日本政府はステップ2を年内に達成するということに固執しすぎるべきではない」と伝えています。